MT車のタコメーター(回転数)の確認、どうしてる?(クルマの運転操作、みんなはどうしている?)
当たり前のようにスピードメーターと並び配置されていたタコメーターは、いまや減少の一途です。スポーツドライビングを標榜するMT車の一部に残るに過ぎません。しかしタコメーターは、エンジン回転数をリアルに伝えてくれる大事な情報機器なのです。
「シフトチェンジの時に確認する」
「音を聞いているので、あまり確認しない」
という方もいらっしゃるのでは。
みなさんは、どうしていますか?
かつて回転数を抑えることが省燃費に直結していた頃は、タコメーターの針の位置をエコドライブの目安にしていた時代もありました。アイドリングストップなど車両側が積極的に燃料を節約してくれる昨今では、ご存知のようにタコメーターレスのクルマは増えるばかりです。これからは、直感的な見やすさとスポーツドライビングとの相性のよさで、対象車両を絞りながらアクセサリー的に生き残っていくのでしょう。
エンジンがもっとも効率的に仕事をしてくれるパワーバンド(トルクバンド)から外れないよう、タコメーターを見ながら必死にキープする運転で一体感を感じ高揚していた時代を知る私のような者にとって「タコメーター離れ」は少々さびしい気持ちにもなりますが、これもまた時代の流れでしょう。
そんなタコメーターですが、お乗りのMT車に慣れないうちは、メーターの針の位置(回転数)に気を配ることは必要だと思います。各ギアに適正な回転数を視覚から理解するのにはタコメーターは本当に便利です。慣れない時期は回しすぎてしまったり、逆に回転が低すぎた状態でシフトしてしまうこともあるでしょう。あまりに低い回転数だとノッキングの原因になるので注意です。メーターはあくまで凝視するのではなく運転操作の合間に一瞬、ちらりと見るていどで構いません。
その車両との付き合いも長くなり、音・振動・速度感覚などから学習してしまえば、シフトのたびにタコメーターの数字を意識することは必要ありません。わたしも、タコメーターを意識することはほとんどしません。重要なのは回転数を知ることではなく、いかにスムーズに運転がこなせるか、なのです。
盤面の目盛りにはかならず刻まれているのが「レッドゾーン」です。その部分だけ太い赤色の帯になっているのですぐにわかります。車種によっては7000回転以上という高回転になっているものもありますが、日常ではまず使うことのない領域です。
またタコメーターには、不安定な針の動きからトラブルの予兆を察知できるメリットもあります。アイドリングのばらつきや、アイドルアップ(始動後、水温を上げるためアイドリング時にわずかに回転を上げること)がいつまでも続くようなケースなど、ふだんと違う針の動きを発見したなら、何らかの車両トラブルの可能性があります。
ライター:畑澤 清志
【監修・解説者】
ドライビングエキスパート(トヨタの元テストドライバー)
滝本 良夫(たきもと・よしお)
約40年にわたりトヨタの運転技術指導員として活躍しながら、車両実験部でハイエース、ダイナ、コースターなどの商用車系開発の実験および商品監査に携わる。2014年に定年退社。
[ガズー編集部]
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