「AE86 Festival with 頭文字D 」来場者の愛車AE86をご紹介!
2000人以上の来場者を集めて盛大に開催された「AE86 Festival with 頭文字D」(主催:岡山国際サーキット)。イベントの模様についてはすでに紹介した通りだが、数あるコンテンツの中でも、スタンド裏のAE86専用駐車場の盛り上がりは特筆に値するものだった。ここでは参加者の愛車のAE86を紹介しよう。
しんたさん(スプリンター・トレノ)
AE86、トヨタ86と乗り継ぎ、再びAE86に乗り換えたしんたさん。1台目のAE86でクラッシュし、未練たらたらでトヨタ86に乗っていたところ、AE86に対する思いが再燃。半年前に専門店で購入した。一見すると頭文字Dの主人公・藤原拓海仕様に見えるが、昔乗っていたスタイルに戻すべく、カスタマイズしていく。サスペションは前後のブリッツの車高調。「足の動きが良くなり楽しくなりました」としんたさん。今回のイベントにはAE86に詳しい先輩と来場した。
- 美しいアッパーマウント(フロント)はブリッツ製。この下側に車高調が取り付けられている
- トランクに大量に積んである荷物は今回のイベントでの販売用。AE86オーナー垂涎のお宝がいっぱい
ふみ満さん(スプリンター・トレノ)
レアな15インチのトムス製ホイール(通称“イゲタ”)が目を引くふみ満さんのAE86。ホイール以外はノーマルのように見えるが、実はこだわり抜いたチューニングが随所に施されている。最たる箇所がエンジン。内部のパーツ(これも純正ではない)はレース用エンジンで有名な戸田レーシングでWPC加工され、ふみ満さんの地元・香川のプロショップオガタで組み立てられている。また、ホンダのタイプR用レカロシートを流用したインテリアや、知る人ぞ知る希少パーツ、TRDのN2ボディパーツ(ボンネット&リアゲート)を装着したエクステリアもポイント。「19歳の時から14年間作り続け、ここまで進化しました。エンジンはシングルスロットルですが、街乗りではトルクがあって乗りやすいんですよ」とふみ満さん。
- ふみ満さんの思い入れが伝わってくるピカピカのエンジンルーム。エンジンパワーは170ps
- エンジンルーム同様、メンテナンスが行き届いたインテリア。赤いシートがタイプR用で、レカロのシートレールと組み合わせて装着。シフトレバー前のコンソールには追加メーターを集約
ハローさん(カローラ・レビン)
関西からご家族3人で遊びに来ていたハローさん。どこから見ても隙がない極上状態をキープしているが、それもそのはず、バラバラの状態から作り上げ、最近走り始めたばかり。しかも、ハローさんと娘さんの2人で120日かけてこの状態に仕上げたというから驚きだ。「春まで違うレビンに乗っていたのですが、それを手放したところ寂しくなりまして。知り合いから12年ほったらかしにしているレビンがあると聞き、即決しました」とハローさん。娘さんとの120日間のAE86づくりは楽しくて仕方なかったそう。クルマから降りた3人の表情には満面の笑みがあふれていた。
- 痛みが激しかったリアの左右フェンダーの再生は困難を極めた。ボディ下までしっかりペイントされている
- シートは前後ともに本革を張り込む凝りよう。運転席のシートのみレカロ(これも本革!)
籾山和樹さん(カローラ・レビン)
籾山さんのレビンは昭和61年購入のワンオーナー! なんと新車で購入し、31年間乗り続けている。ちなみに購入時の価格は200万円弱。パワーウインドウ以外のオプション(サンルーフは2ピニLSD)はほぼ装着済みという。ユニークなのがAE86を購入した動機。籾山さんはAE86云々より、とにかくレビン/トレノシリーズが好きだったのだ。「TE71(一世代前のレビン/トレノの型式)に乗っていたのですが、AE86がどうしても欲しくなり、今のレビンを購入しました。AE86の魅力は質実剛健というイメージがあるところですね」と籾山さん。ノーマルプラスアルファ程度のチューニングで乗り続けるというコンセプトは、今も昔も変わらない。
- ホイールはトムス(イゲタ)。以前は純正のイントラを装着していたが、約10年前に交換したという。マフラーはフジツボ、ダンパーはTRDの調整式だ
- 当時のままの「LEVIN」のデカール。会場では“奇跡のワンオーナー”と呼ばれ、高い注目を集めていた
番外編 三木眞一郎さん(スプリンター・トレノ)
最後はアニメ版「頭文字D」の藤原拓海役の声優を務めた三木眞一郎さんの愛車。今回のイベントでは「頭文字Dパレードラン」の先頭を走った他(ドライバーはもちろん三木さん)、写真のようにピットで展示されていた。三木さんはTVシリーズの役が決まった頃に、AE86を購入。それから10年以上AE86を所有し続けている。写真の藤原拓海仕様はAE86専門店、カーランドで約2年かけて仕立てたもの。最初に購入したAE86ではダートトライアルやスラロームなどに挑戦。同じクルマに乗ることで少しでも役(藤原拓海)に近づこうとしていたというからプロ根性を感じる。
絶版になってから四半世紀が過ぎてなお、輝きを放ち続けるAE86。その原動力はAE86オーナーたちの並々ならぬ愛情に他ならない。これからもクルマ好きの記憶に残る名車として、永遠に語り継がれていくのだろう。
フリーライター:ゴリ奥野
86に乗りながら世界中の愛車やモータースポーツを取材するフリーライター
[ガズー編集部]
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