日本人の知らない!?タイの熱いクルマ事情(自動車販売編)

東南アジアのど真ん中に位置するタイ。日本からも約6時間のフライトで訪れることができ、人気の渡航先となっています。

タイの経済発展の中心となっているのが首都バンコク。都心にはビルが立ち並び、街は活気にあふれています。クルマを中心としたモータリゼーションも例外ではなく、バンコク市内とその周辺にはおびただしいほどのクルマが走っています。

今回はそんなタイのクルマ事情にフォーカスしてみたいと思います。

タイの人々にとってクルマは自分の身分と身元を表すもの

バンコク市内に入り真っ先に気づくのが激しい渋滞。特にラッシュアワーと言われる6~8時、17~19時は半端ではなく、誰にとっても避けて通れないものとなっています。バスやスカイトレーン(BTS)、地下鉄(MRT)や船など、多くの公共交通機関が発達しているとはいえ、すべての需要をカバーできているわけではありません。

バンコク市内の渋滞の様子。多くの人たちが自家用車で通勤しているため、ラッシュアワー時は多くの道で渋滞しています
バンコク市内の渋滞の様子。多くの人たちが自家用車で通勤しているため、ラッシュアワー時は多くの道で渋滞しています
バンコクで暮らす人にとってバスやタクシーは人気のある交通手段です
バンコクで暮らす人にとってバスやタクシーは人気のある交通手段です
道路の上にスカイトレーン(BTS)が通っています。下ではやはり渋滞が……
道路の上にスカイトレーン(BTS)が通っています。下ではやはり渋滞が……

とはいえ、そんなタイであっても、自分のクルマを持つことは多くの人たちの夢です。なぜなら、クルマは自分の身分と身元を表すものと思われているからです。

これによりタイ国内の自動車販売は継続的に成長。日本やアメリカ、ヨーロッパと同じタイミングで新型車は市場に投入されています。また、モーターショーやモーターエキスポなど、大規模なイベントも定期的に開催されており、販売促進に大きく貢献しています。

タイでは自動車販売の上位を日本のメーカーが占めます
タイでは自動車販売の上位を日本のメーカーが占めます

タイ国内の自動車メーカーの2016年の売上は、若干減少いたしましたが、多くの自動車メーカーはこれから回復すると予想しています。なぜなら政府が5年前に行った「エントリーカープロジェクト」(初めてのクルマ購入プロジェクト)が満期を迎え、売買ができるようになるからです。自動車業界が活気づくきっかけになると期待されています。

2016年1月~12月までのタイ国内の自動車販売台数の統計的データ

下記データは2017年1月31日付の2016年度自動車販売台数に関する記者会見(トヨタ・モーター・タイランド発表)のもの。日本の販売台数は日本自動車販売協会連合会発表のもの

タイ全土で高い人気を誇るピックアップトラック

タイ国内の多くの都市では工業や農業が盛ん。そのため多くの人が初めてのクルマとして購入するのがピックアップトラックです。燃費性能の高さやさまざまなシーンでの使い勝手、路面を選ばない走行性能の高さが選択のポイントで、車種による違いはもちろん、2ドア、シングルキャブ、ダブルキャプなど豊富な選択肢があり、メーカー間の競争が激しくなっています。

ピックアップトラックのニューモデルであるトヨタレボは、これまでで最大の売上を記録しています
ピックアップトラックのニューモデルであるトヨタレボは、これまでで最大の売上を記録しています
PPV(ピックアップ乗用車)はピックアップトラックをベースとした多目的車。タイ国内で高い人気を集めています
PPV(ピックアップ乗用車)はピックアップトラックをベースとした多目的車。タイ国内で高い人気を集めています

都市部では多様化する生活に合わせて、高性能かつ燃費の良い1.2・1.5リッターの小型車を所有する人が多いです。これには政府がエントリーカープロジェクトを行った際、対象車がガソリンを節約できる小排気量車だけだったことも影響しています。このプロジェクトにより自動車市場が拡大したのは間違いありませんが、その一方で多目的車を好む人たちも増えているので、SUV、PPVの人気がますます高まっています。

また、高所得者はベンツやBMWをはじめとするヨーロッパの高級車やスーパーカー、日本のレクサスなどを購入しています。外車を輸入する業者も多数存在し、街を走る高価なクルマは所有者の身元や社会的な地位を示していると言われています。


かつての日本のような熱を帯びながら、独自の発展を遂げるタイの自動車市場。次回はタイの人たちがどのようなカーライフを送っているのかレポートしたいと思います。

Pakorn suksamran(パコーン スックサンラーン)
タイのライター兼編集者。普段からクルマ系記事を中心に担当しており、「Option thailand」等でも執筆経験あり。

[ガズー編集部]