タイのモータースポーツがもっとも熱い日！　バンセーングランプリレポート

2017.03.24 15:00

2月21日～26日、タイ・バンコク近郊のバンセーン・ストリート・サーキットで行われた「バンセーングランプリ（BANGSAEN GRANDPRIX）」に行ってきました！アジア圏のレースといえばマカオで行われるマカオグランプリが有名ですが、ここ最近はバンセーンの名前を耳にすることも多くなってきました。一体どんなレースなのでしょうか？

バンセーングランプリはバンコクの南東に位置する海沿いの街、チョンブリ県のバンセーン市で行われます。バンコク市内からクルマで約2時間。タイランド湾に面した美しいビーチが特徴で、レースはビーチ沿いの道を含む一般公道を閉鎖して行われます。今年はレースを開催して10周年のメモリアルイヤー。新たににグランプリという名を冠し、よりグレードを高めています。

: バンセーン・ストリート・サーキットの様子。コースの半分以上は海沿いを走ります

: パドックからコース方面を見る。向かって左側が海。一般的なサーキットのようなピットはありません

開催されるレースは主に「タイランドスーパーシリーズ（Thailand Super Series）」と、「TCRタイランド（TCR Thailand）」の二つ。タイランドスーパーシリーズはタイ国内の最高峰カテゴリーで、パタヤのピラサーキットやブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットでも開催されています。また、これらのレース以外にトヨタ車（ハイラックスRevo、カローラAltis、Vios）のワンメイクレースや耐久レースなどもあり、レースは6日間かけて行われます。

スリリングなストリートコースに大興奮

バンセーン・ストリート・サーキットは長い直線を19のコーナーでつないだ1周3.7kmのコース。コースは道幅が狭い上に金網に囲まれているので、まるでプロレスリングのよう。その中でさまざまなクルマがサイドバイサイドのレースを見せてくれるのだから興奮しないわけはありません。

: 白煙を上げてインを奪うRX-7！　道幅が狭く、アクシデントでクルマがコースをふさいでしまうこともしばしば。老若男女さまざまな人がレースを楽しんでいます

: スーパーカーシリーズに参戦している86（スッティポン・サミットチャート選手）。その他のシリーズとしては2.0リッターのNAエンジン車が出場するスーパー2000や、ピックアップトラックが出場するスーパーピックアップ、1.2リッター以下のエコカーが出場するスーパーエコなどがあります。一部のスーパーカーをのぞき、その多くは日本車です

: スーパーカーも多数エントリー。全レース合わせての参加台数は350台以上！　各チームのテントはパドックから離れたところにあります

: タイの人々の“ソウル・レース”と言っても過言ではないピックアップトラックによるレース。マシンのカラーリングも目をひきます

: ドライバーの国籍はさまざま。タイと近隣のマレーシアが多いと感じましたが、ヨーロッパや日本から参戦している有名ドライバーもいます

: レースに華を添えるタイの美女たち。中央はタイランドスーパーシリーズのゆるキャラ？

: タイの有名芸能人も参戦。写真はカローラ Altisのワンメイクレースに出場したクワーンさん。「AB NORMAL」というバンドのメンバーです

: トヨタはサーキット内の複数の広場に大きなブースを出展。向かって左側ではニュルブルクリンク24時間レースの挑戦もアピールしていました

: 正式な表彰式は近くのホールで夜間に行われました。表彰台の中央に登るのは日本から参加したTOYOTA GAZOO Racingの蒲生尚弥選手と松井孝允選手で、2月24日に行われた耐久レースで優勝を飾りました。豪華なディナーもありとっても華やかな雰囲気

タイでは今、安全性と楽しさを確保したサーキットイベントが多数開催され、継続的に発展しています。そんな数多くのイベントの中で印象的な盛り上がりを見せるのがタイランドスーパーシリーズ。同シリーズはタイ国王自動車協会からも認定されているタイで一番有名なレースで、今後さらなる人気の拡大が予想されます。2017年の観客動員目標は昨年の実績を20％上回る50万人。地域住民への経済効果と共に、タイ国内の観光促進にも貢献すると期待されています。