オーナー意識調査「ズバリ、ロードスターのどこが好き?」【Roadster 30th Anniversary Meeting】
去る10月13日、日本が生んだ世界の名車、ロードスターの誕生30周年を大々的に祝福するイベント、「ロードスター30周年ミーティング」が、広島のマツダ株式会社・三次自動車試験場内において行なわれた。30年というと、免許取り立ての若者が50前のいいオッサンに、30そこそこの青年が還暦を迎えるほどの長い時間(当たり前か?)。それゆえユーザーの年齢層は幅広く、会場内は初代(NA型)から現行(ND型)まで、各世代のモデルが顔を揃えた。
会場には2100台、3500人ものロードスターファンが来場!
ところで、ロードスターといえば、ご存知の通り、オープン2シーターという極めてニッチなカテゴリーに属する一台。そんなクルマがなぜ30年もの間、これほどまで熱狂的に愛され続けているのか?この素朴な疑問を解明すべく、ガズー編集部では今回のイベントのために全国各地から集まったオーナーたちに「ズバリ、ロードスターのどこが好き?」という意識調査を行なってみた。
意識調査に際し、編集部サイドでは10個の項目を用意した。その内容は次の通り。回答は一人一回答、一番目、二番目の理由を、それぞれ一つずつ選択する方式で行なわれた。
選択項目
1:マツダだから
2:走りの良さ
3:2シーターだから
4:オープンカーだから
5:メカニズムの魅力
6:デザインの魅力
7:一目惚れ!
8:存在感、佇まい
9:カスタマイズできる
10:仲間が広がる
ボードを持って会場内を歩き回っていると、早速オーナーたちが次々に声を掛けてくる。それぞれ強いこだわりや想い入れがあるだけに、選択のシールを貼った後も「専用のダブルウィッシュボーンサスペンションだから」、「人馬一体のハンドリングが気持ち良いから」と、その理由を補足するマニアックな意見が続出。その一方、「ひと目惚れです!マツダさん、素晴らしいクルマを作ってくれて、ありがとう!」、「乗りたいクルマはコレだけ。あとはどれも同じ。壊れたら?またロードスターですよ」といった、「とにかく大好き!」という感情直球型オーナーの声も数多く聞かれた。それでは早速、調査の集計結果ベスト3を発表しよう。
一番目の理由
1位:オープンカーだから
2位:走りの良さ
3位:デザイン
二番目の理由
1位:オープンカーだから
2位:走りの良さ
3位:デザイン
左の赤シールが1番、右の青シールが2番目にロードスターを好きな理由
ヤラセ一切無しのガチ調査を行なったところ、一番目と二番目の理由が同数という意外な結果に。「オープンカーだから」という理由は非常にざっくりしたモノのようにも思えるが、確かにこれがロードスターという車の特徴を最も端的に表す部分であり、この結果は当たり前と言えば、当たり前なのかも知れない。また、「仲間が広がる」という項目が次点に位置しているのも、このクルマならでは。SNS上だけでなく、ツーリング先などでロードスター同士がすれ違う際にお互い手を振り合う、独自の“挨拶”も自然発生的に行なわれているようだ。
逆に、選択者がほぼ皆無に近かったのが「2シーターだから」という項目。身軽な独身時代ならまだしも、家族持ちで1台所有が前提となると、2シーターは現実的にかなりキビシイ。回答者の中にも実用車との2台体制を取ることで「何とか、嫁サンからプレッシャーをかわしています」という男性陣の悲痛な声も聞かれた(頑張れオトーサン!)。
また、その他の理由として意外に多かったのが、維持コストの手軽さ。大排気量・大パワー車はメカニズムも複雑かつ高度なものとなり、コンディションの管理には相当の費用が必要となるが、ロードスターの構造はいたってシンプルで、年式の旧いモデルでも中古パーツが容易に入手できることから、「月イチ程度しか乗らないが、持っていても苦にならない」という声や、「メインカー」とは別にDIYでレストアやカスタマイズを楽しむための「スペアカー」を保有しているというコアなユーザーも見受けられた。
ちなみに、この集計結果をNDロードスターの開発主査を務めるマツダ株式会社商品本部主査・斎藤茂樹さんに見て頂いたところ、「結果は妥当だと思いますね。何と言っても、オープンカーは気持ち良いですから」と、いかにも想定内という言葉が返って来た。さらに斎藤さんは続ける。「価値が価値を呼ぶクルマなのだと思います。つまり、クルマという世界だけに留まらず、ロードスターに乗っていろんな場所に行くうちに旅行が好きになる。旅行するうちにカメラにも凝るようになる。そんな、人生の楽しみを広げるきっかけ作りとしての役割を果たしてくれているのであれば、それは作り手冥利に尽きますね」。
全国のロードスター乗りの皆さん、貴方はロードスターのどこか好きですか?
今回の取材を担当した筆者自身もかれこれ8年ほど、NB型を所有している。購入理由は単純で、独立のためそれまで乗っていたBMWを買い取り店に引き取ってもらったお金で買える車がコレだったという、いたって消極的なモノ。BMWと引き換えに、手にした軍資金は70万円。この極めて少ない予算で「マニュアル、リア駆動」というささやか希望を満たす車は、中古のロードスターしか無かったのだ。熱狂的ファンの意見を紹介した後に、こんな無駄話をするのは恐縮だが、逆に実際に手にして改めてその人気の理由を実感。アクセルを軽く踏んだだけでスッと前に進む蹴り出しの軽さ、ひじを掛けられる高さのサイドライン、イマドキの軽自動車より小さく見えるボディのサイズ感など、どれもが「分かってるなぁ」と、感心させられるものばかりなのだ。正直、他に欲しいクルマは色々あるが、乗る度に「これでイイんじゃない?」と、語りかけて来るような懐の深さ。今回の質問項目には設けられていなかったが、マツダファンでも何でも無い自分がこのクルマを乗り続けている理由は、ここにあるのだと思う。
[ガズー編集部]
あわせて読みたい!「マツダ・ロードスター」の記事
最新ニュース
-
-
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
2024.11.22
-
-
-
【ラリージャパン 2024】開幕!! 全行程1000km、SSは300kmの長く熱い戦い
2024.11.22
-
-
-
「GT-R」の技術が注ぎ込まれたV6ツインターボ搭載、日産『パトロール』新型が中東デビュー
2024.11.22
-
-
-
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
2024.11.22
-
-
-
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
2024.11.22
-
-
-
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
2024.11.22
-
-
-
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
2024.11.21
-
最新ニュース
-
-
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
2024.11.22
-
-
-
【ラリージャパン 2024】開幕!! 全行程1000km、SSは300kmの長く熱い戦い
2024.11.22
-
-
-
「GT-R」の技術が注ぎ込まれたV6ツインターボ搭載、日産『パトロール』新型が中東デビュー
2024.11.22
-
-
-
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
2024.11.22
-
-
-
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
2024.11.22
-
-
-
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
2024.11.22
-