レースで勝て普段乗りも快適、新型車GRヤリス発表。価格は396万円から。

2020年1月10日(金)に幕張メッセで開幕した東京オートサロン2020。
TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)のプレスカンファレンスでトヨタ自動車の友山茂樹副社長がプレゼンを行い、プレゼン終了後には豊田社長(モリゾウ)が登場した。

友山副社長は、昨年「国内外でモータースポーツのトヨタをアピールできた」と振り返った上で、2020年もレース活動は積極的に取り組むと発表した。勝利を重ねた世界耐久選手権(WEC)においては来シーズンから始まる「ハイパーカークラス」に『GRスーパースポーツ』を投入して参戦。ドライバータイトルを獲得した世界ラリー選手権(WRC)については、新たにオジェの加入により体制が一新した。国内レースではスーパーGTにGRスープラが投入されるなど、人もマシンも抜かりなくアップデートされ、全方位的に参戦するという。そして「モータースポーツで鍛えられたノウハウと人材で世界に通用する市販スポーツカーを世に出す」と語った。

「WRC参戦から生まれたクルマ」として、偽装が解かれた話題の新型車「GRヤリス」がアンベールされ世界初公開された。「WRCは市販車ベースの車両で、一般道で行う競技。世界中のあらゆる道を疾走する過酷なレースは人を鍛え、クルマを鍛え、もっといいクルマ作りを行う我々の最高のバトルフィールド」、そしてGRヤリスについて「ラリー王国トヨタを不動のものとするウェポン」と続けた。

2016年にWRCチームと共同で「次期WRカーのベースとなる市販車開発」が決定し、セリカGT-Four以来、20年ぶりとなる本格4WDスポーツカーの開発は苦労の連続だったという。エンジニア・ドライバーが一丸となって仕上げてきた渾身の一台に「操る楽しさを教えてくれるクルマ」、「お客様の心に『Fun To Drive Again』の想いを呼び覚ましてくれることでしょう」と語った。
さらにスペックも正式に公開。パワーユニットは1.6リッターターボながら272馬力もの高出力。そして新開発だというフルタイム4WDがパワーを伝達し、受け止める足回りはダブルウィッシュボーン。トレッドにいたってはなんと86よりもワイドだという。まさにレースで勝つことを目的に妥協なく作りこまれた1台となっているようだ。

豊田社長(モリゾウ)は、トヨタ自らでつくったクルマでレースに勝てるクルマトヨタに取り戻したい、そのために「今までの、一般のお客様が使うクルマをつくり、そのクルマをレースで使えるように改造する手法でなく、レースで勝つために、一般のお客様にのっていただく車をどうするべきか」という従来とは逆の手法でヤリスGR4の開発をおこなったことを明かした。

昨年12月に開催されたメディア向け試乗会に登場したプロトタイプでも、我々GAZOO編集部や参加メディアから「本当に運転が楽しい」と高評価だったGRヤリスだが、さらに発売ギリギリまで改善が続けられるという。最終的な仕上がりを想像するとわくわくする。

新設される専用のスポーツカー生産ライン「GRファクトリー」にてトヨタ全社から熟練工が集められ、製造されるという。従来のトヨタ車では考えられない、まさに「スーパー・ホットハッチ」と言えるGRヤリスは2020年秋・発売予定だが、発表と同時に先行予約の受付が開始される。

そして先行予約でのみ購入できる限定仕様「1stエディション」も発表され、特別な一台が欲しい方や一刻も早く入手したい方は専用WEBサイトから予約を急ごう。

トヨタ、新型GRヤリス先行予約サイト

新型車GRヤリスプレスリリース

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執筆:編集部員T

[ガズー編集部]