たくましく、女性目線の細やかさで感動の引越を提供する引越ドライバー

2015.10.21 11:30

アート引越センターの引越スタッフとして、お客様のお宅を飛び回る伊部早央里さん。一般的に引越スタッフ＝男性の仕事というイメージですが、それは昔の話のよう。女性スタッフによる引越ニーズの高まりもあり、伊部さんは持てる力を存分に発揮しています。その活躍は目を見張るほどです。

プロフィール
伊部早央里（いべさおり）

1986年3月24日千葉県生まれ。2003年、アート引越センターにアルバイトとして入社し、2006年から正社員。18歳から現場リーダーを務め、女性唯一のセールストレーナーに就任。

――現在の仕事内容について教えてください

アート引越センターの千葉支店で引越スタッフのリーダーとして働いています。女性スタッフは荷造りや荷ほどき作業をすることが多いのですが、トラックに乗ってお客様のお宅に行くこともあります。また、去年の10月からセールストレーナーになったので、千葉ブロック全7支店のスタッフ教育も行っています。

※セールストレーナー……引越時にスタッフがお客様に提案するオリジナル商品の知識や提案方法などについて、社員教育を行うスタッフ。

: 毎日の相棒、日野デュトロ（3トン）の前で。伊部さんは運転が大好きで、いつも自分でハンドルを握っている

: ユニフォームの左腕には「2015 SALES TRAINER」のワッペンが輝く

――なぜ力作業の多い引越の仕事を選んだのですか？

男性に負けたくなかったからです。もともと男兄弟に挟まれていたこともあり、小さい時から負けず嫌い。中学校の時に陸上をやっていたこともあり、体型も男っぽく、何に関しても男に負けたくないという気持ちが強くなりました。どうしても働きたいと思うようになり高校を中退。知り合いが勤めていたアート引越センターにアルバイトとして入社しました。

――仕事のやりがい、魅力を教えてください

お客様の中には一生に一度きりの引越という方もおられます。印象に残り、感動していただける引越を提供できるよう心がけています。また、女性のリーダーと言うと、どうしても体力の面でマイナスのイメージから始まるのですが、1人で大きな荷物を持つと一気にプラスのイメージに転じます。今は女性スタッフだけで引越に伺うレディースパックもあり、女性ならではの引越作業にやりがいを感じています。

――現在の課題と克服方法を教えてください

スマイルカードという、引越作業後にお渡しする顧客満足に関するアンケートはがきがあり、その回収率とCS（顧客満足度向上サービス）をアップさせるのが課題です。アンケートはがきを返したくなるための説明と、満足度の高いプラスαのサービスが課題ですね。

対策としては、他のスタッフ宛てに返信されたはがきを必ずチェックし、お客様のリクエストになるべく臨機応変に対応しています。夏の暑い時期は、扇風機の搬出を最後にするなど、人に優しい作業を心がけています。一番大事なことは常に笑顔を絶やさないことですね！

: 伊部さん宛てのスマイルカードを両手に持ちパチリ。約5年前の繁忙期に、回収率とCSで1位をとったことも

: 千葉ブロック7支店で争われる予選を勝ち抜き、引越技術大会（第3回）に出場（前列左）。支店メンバーと共に引越技術や体力を競い合いました。予選を1位で通過したものの、決勝は惜しくも3位

――女性だから困ったことはありますか？　またトラックの運転や扱いなどで気を遣っていることはありますか？

冷蔵庫などを手で吊り上げる“吊り作業”が好きではなくて……。男性との力の差を感じます。トラックの運転については、お客様の全財産をお預かりしているので常に安全運転を心がけています。また、運転中は会社のきまりで白い手袋をはめていますが、安全運転の象徴ですね。

: 駐車中は輪止めでタイヤを挟むのがルール。足を引っ掛けないように、ていねいにロープをホイールナットにかけます

――この職業について、ご自身にどのような変化を感じますか？

筋肉がつきました。最初の頃は腕立て伏せなどをやって鍛えていましたが、ほとんどは仕事でついた筋肉。重くて持てないと言いたくはないので、先輩に仕事しながら筋肉をつける方法を聞き、実践していました。

――今後の目標を教えてください。

CSの責任者、さらにはそれを統括するGM（ゼネラルマネージャー）を目指しています。GMは各ブロックに1人しかいない役職で、女性は今まで1人しかなったことがありません。GMになって、女性ならではのCS向上のための提案や、女性がより働きやすい環境づくりを進め、女性スタッフがもっと増えたらいいなと思います。