憧れのレース業界で日々奮闘する、レーシングチームマネージャー

クルマはマニュアル! 自分のクルマを触りたい、メカニックになりたいという気持ちから自動車専門学校へ進み、現在、国内屈指の名門レーシングチーム、トムスのマネージャーとして日々頑張っている吉川沙希さん。ネイルのかわいらしさとは裏腹に、仕事ぶりも愛車も男前です。

名前&プロフィール
吉川沙希(よしかわ さき)

NATS日本自動車大学校(以下、NATS)整備科を2年、残り1年はモータースポーツ科に在籍しモータースポーツを学び、授業の一環として実践でサーキットにてレーシングチームのトムスに帯同。NATS卒業の2013年4月、そのままレーシングチームトムスへ就職。担当するカテゴリーは、スーパーGTとスーパーフォーミュラ。忙しい時には、F3も手伝い、仕事をマルチにこなしている。

―――レーシングチームトムスへ就職されたきっかけは、何ですか?

中学生の時にトムスを知り、高校生の時、2006年の脇阪・ロッテラー組になった年にファンになりました。そして、専門学校時代、そのトムスに学校から派遣されお手伝いをしていた事もあり、このチームに入りたいとずっと思っていました。卒業と同時に、念願が叶って入社できました。両親はとても喜んでくれていて、サーキットに来た時は遠い所から写真を撮ったりしてくれているみたいです。おばあちゃんたちもスーパーGTの番組を見るようになって、出てたよ~と教えてくれたり、家族のみんなが応援してくれています。

スーパーGT参戦車両 36号車PETRONAS TOM’S RC F
スーパーGT参戦車両 36号車PETRONAS TOM’S RC F
スーパーGT参戦車両 37号車KeePer TOM’S RC F
スーパーGT参戦車両 37号車KeePer TOM’S RC F

―――クルマ好き、モータースポーツ好きになったきっかけは何でしょう?

小学校6年生の時に、両親が、頭文字D(イニシャルD)というクルマのアニメを見ていて、その影響で市販車にまず興味を持ちました。その後、当時テレビでやっていた「激走GT」というスーパーGTの番組を見てモータースポーツに興味を持ち、レースが観たいと両親とサーキットに行くようになりました。毎年、フォーミュラニッポン(現、スーパーフォーミュラ)、スーパーGT、D1、スーパー耐久と、鈴鹿サーキットで開催されるレースは観に行っていました。まだスーパーGTと一緒になる前のポッカ1000キロのレースを観て感激した事も覚えています。

メカニックになりたいと高校時代に考えていたのですが、国立大学に行けばメカニックになれると思い込んで勉強をしていました。しかし、名古屋オートトレンドに行った際、NATSが配っていたパンフレットに、就職先としてトムスが紹介されているのを見て専門学校へと進学先を変更しました。

―――お仕事のやりがいは何ですか?

仕事としてやるからにはファン目線は一切なく、頑張っている毎日で、後輩に教える立場にもなって日々充実しています。普段は、事務仕事でスーパーGT、スーパーフォーミュラ、忙しい時は、F3も手伝っています。そんな中で、チームが優勝した時は本当に嬉しいですね。チェッカーの際に、サインガードでクルマをみんなで迎えるシーンは、気持ちが込み上げます。仕事があるので、感慨に浸る時間はほんの少ししかないのですが…。私がトムスに入ってからスーパーフォーミュラで1回獲得した、シリーズチャンピオンの時も嬉しかったですね。チームチャンピオンは、今年も3年連続で確定しているのですが、結果として残るのはやはり嬉しいです。どうせなら、ドライバーチャンピオンとセットで取りたいですね。

2014年、スーパーフォーミュラでは、所属する中嶋一貴選手がシリーズチャンピオンを獲得した
2014年、スーパーフォーミュラでは、所属する中嶋一貴選手がシリーズチャンピオンを獲得した

―――仕事で辛かったことは?

毎日ですね(笑)。新人の頃、装備品を忘れたことが何度かありました。サーキットで代用品がないもの、たとえばドライバーのイヤプラグなどは会社から送ってもらったのですが、走行前に届かないといけないのでハラハラしました。今まで、幸いなことに間に合っているのですが…。今は、その自分の失敗を生かして、後輩がミスをしないように教えています。

3カテゴリーに参戦するトムスは、所属ドライバーは外国人ドライバーも含めて多い
3カテゴリーに参戦するトムスは、所属ドライバーは外国人ドライバーも含めて多い

―――これからの目標は?

英語が話せるようになりたいですね。海外のドライバーがどんどん入ってくるので、誰かに頼らず諸々の手配などをしたいです。海外の宿泊先の手配などは、間に日本の方が入るので特に支障はないのですが、直接話せるようになれば、手違いとかも起こりにくいだろうし、値段交渉もできそうな気がします。所属の外国人ドライバーたちは、優しく話してくれるので、コミュニケーションは取れているのですが、もっと自分が話せたらと思います。

―――プライベートな時間は何をしていますか?

ドライブに行ったりしていますね。あと、名古屋の実家に帰って友人たちとショッピングしたりしています。流行に乗り遅れないようにしたいですからね。あと、一日中愛車にワックスをかけていることも多いですよ(笑)。

素顔はおしゃれに敏感な24歳。ネイルにチームカラーのデザインを施すことも
素顔はおしゃれに敏感な24歳。ネイルにチームカラーのデザインを施すことも

―――その愛車のお話を教えてください。

今のクルマは、友人から譲り受けた三菱・ランサーエボリューションⅨのGSR​​です。5年くらい前からこのクルマを知っていて自分も一緒にいじっていましたね。マニュアル車が好きです。以前、マツダ・RX 7の1991年の初期型が欲しかったのですが、結局購入できなかったです。
会社では、暴走族のクルマみたいだ、言われます(笑)。ランエボが好きで、私の影響でこんな感じのクルマが好きになった友だちもいます。名古屋へ帰省する時は、自分のクルマで移動することが多いですが、ちょっとうるさいので、クルマの中で話はできませんね(笑)。次に乗るクルマはまだ決めていませんが、乗りたい!と思うクルマが現れることに期待しています。

友人から譲り受けた愛車。おかげで、友人のまたその友人には「エボのコ」と紹介されているそうです
友人から譲り受けた愛車。おかげで、友人のまたその友人には「エボのコ」と紹介されているそうです

かわいらしいルックスからは想像し難いですが、同チームをお手伝いしていた学生時代は、ツナギを着てタイヤも難なく運ぶなど、仕事に関して男性に負けない根性と情熱を持つ吉川さん。若い彼女が、チームを切り盛りするたくましい女性に成長していくのは間違いなさそうです。

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road