クルマの魅力を歴史から紐解く! トヨタ博物館で活躍するTAMキャストの使命

国内外の様々なクラシックカーを展示するトヨタ博物館は、見るだけの博物館と思ったら大間違い。クルマの歴史や奥深さを紹介するためのアテンダント「TAMキャスト」が活躍しています。今回ご紹介する安藤 香さんもその一人です。

プロフィール
安藤 香(あんどう かおり)

愛知県名古屋市出身。2011年にトヨタ博物館を運営する(株)トヨタエンタプライズに入社。現在まで同館のアテンダント「TAMキャスト」として勤務。2014年からサブチーフとして活躍している。TAMキャストのTAMは「TOYOTA AUTOMOBILE MUSEUM」の略。

――現在の仕事内容について教えてください

トヨタ博物館でチケット販売や受付業務の他、ガイドツアーや新人の研修などを行っています。TAMキャストの使命は、トヨタ博物館にお客様がいらしてからお帰りになるまでの時間をより良いものにすることです。そのため、トヨタ自動車の学芸スタッフとの勉強会も行っています。そこで得た知識はガイドツアーや普段の案内などに役立てています。​​

トヨペット クラウンの内装について詳しく教えてくれる安藤さん。トヨタ博物館は昨年末からのリニューアル工事を終えたばかり(取材はリニューアル前)

――TAMキャストになったきっかけは何ですか?

服飾関係の大学に通っていたのですが「自分が本当に得意なものはなんだろう」とふと思うようになりました。私自身、人と接することや会話をすることが好きなので、接客業ならストレスなく続けられるかなと探し始めたところ、TAMキャストの仕事を見つけました。お客様に満足頂くことに集中できる仕事です。

――トヨタ博物館について教えてください

トヨタ車だけではなく、メーカーの垣根を越えて自動車の文化に触れられる博物館とご理解ください。館内には、トヨタ車だけではなく、国内の他メーカーのクルマや欧米のクラシックカーも展示されています。

​博物館は本館と新館があります。本館では、19世紀末から現在までの様々なクルマが年代ごとに並べられており、大恐慌や高度経済成長などの時代背景を感じながら楽しめる内容になっています。新館では「生活とクルマ」をテーマに、日本の自動車黎明期に国内を走ったクルマや、その当時使われた生活用品、趣向品を展示し、当時の生活様式を感じられる展示内容となっています。

本館1階にはトヨダ AA型乗用車のレプリカを展示。「オリジナルの入手はほぼ不可能と考えられていましたが、2008年にロシアでオリジナルのAAが見つかりました」と安藤さん
「生活とクルマ」がテーマの新館には、トヨペット クラウンの部品展示も。当時流行った漫画雑誌や玩具も展示されていた​

――ガイドツアーには誰でも参加できますか?

定刻に出発するガイドツアーが毎日3回(本館が2回、新館が1回)と事前予約のガイドツアーがあり、定刻のものであれば予約なしで参加できます。途中からの飛び入り参加も歓迎です。

――展示されているクルマの中でお気に入りはありますか?

最初のガソリン自動車と言われている「ベンツ パテント モトールヴァーゲン」は特にお気に入りですね。お客様に説明する時も、つい力が入ってしまいます(笑)。私自身歴史が好きで、物事の起源となっているものに惹かれます。また、日本車でしたらトヨタ 2000GTが一番好きですね。​

安藤さん一番お気に入りというベンツ パテント モトールヴァーゲン。「通称ベンツ三輪車と言われ、現代の自動車の先駆けと言われる存在です」​​

――大変だったことや辛かったことはありますか?

私自身、クルマを全く知らないところからのスタートだったので、1年目はガイドツアーのマニュアルを覚えるのが特に大変でしたね。例えば「このクルマにはクラッチあるの?」と言った簡単な質問にも答えられないことがあり、お客様に残念な思いをさせてしまいました。​

日本車の中ではトヨタ 2000GTが一番のお気に入り。「館内に展示しているほとんど全ての車両が動態保存となっています」

――TAMキャストのどういうところにやりがいを感じていますか?

ガイドツアーの時は、案内マニュアルに沿ってお客様に説明していくのですが、どのクルマを説明するのかは担当のTAMキャストが決めています。自分の経験をもとに、お客様の趣向に合致した説明ができ、喜んでいただけると嬉しく感じますね。初めてガイドツアーを担当して、お客様から拍手をいただいた時の感動は今でも忘れられません。

クルマのことがわからず入社1年目は苦労したという安藤さん。「現在は部品の役割も理解できるようになり、成長できていると思います。サブチーフになってからは、あの時なぜ先輩が怒っていたのか、その意味もわかるようになりました」

――今後の目標を教えてください。

今は後輩の育成に尽力しています。一人一人に愛情を持ち、楽しく仕事をしてもらえるような環境づくりも心がけています。また最近は研修の仕事が増えてきているので、その充実にも力を入れています。例えばエスカレーターにお子様が乗る時に走って転ばないように案内するなど、お子様に館内で安全に過ごしていただくための研修も考えました。後輩の成長が楽しみですね。​​

お辞儀の仕方や指し示しの仕方、腕の角度も指導。「お客様に対して手のひらを見せながら、中指はしっかりとクルマを差していることが大切です」

――休日はどのように過ごしていますか?

演劇が好きで月に1度は劇場に足を運びますね。お笑いも好きでライブを見に行くこともあります。ちなみに私は正統派漫才が好きですね。「銀シャリ」さんを応援しています。

家族旅行や演劇鑑賞のほか、美味しいものを食べることも趣味だという安藤さん。「特にスイーツは大好物です。パンケーキやエッグベネディクトなど新しいものには飛びつきます(笑)」

――クルマは持っていますか?

マイカーはホンダのライフです。コンパクトで本当にストレスなく走ってくれるのでお気に入りです。また、家族ではトヨタのノアを所有しています。家族旅行が好きなので大活躍しています。

――安藤さんは運転派ですか? それとも助手席派ですか?

助手席の方が好きです。景色を見たり歌ったり、おしゃべりしていたいです(笑)。快適に乗っていたいので大きめのクルマが好きですね。トヨタのハリアーやマツダのCX-5など、やはりSUVでしょうか。中でもアウディのQ5はかっこいいと思います。

安藤さんのガイドを受けながら博物館を回れば、クルマへの興味が一段と増すのは間違いないですね。安藤さん自身のさらなる活躍はもちろん、愛情を注いで育てた後輩のみなさんがいったいどんな“自動車歴史探検”をプロデュースしてくれるのかも楽しみです!

[ガズー編集部]

関連リンク

MORIZO on the Road