GIRL’Sパワーでクルマ好きを増やす!「とんがりガールズ」主宰、鈴木珠美さんの思い

女性×クルマ生活を軸に様々なプロデュースを行っている鈴木珠美さん。その中のひとつ、マイカーが大好きな女性ドライバーのコミュニティ「とんがりガールズ」は、全国に500人以上の会員を集めていて、今も会員は増え続けています。「女性ドライバーを応援したい」という強い思いを持ち、マルチに活動している女性クリエイターです。

プロフィール
鈴木珠美(すずき たまみ)

クルマの楽しみ方、付き合い方レシピなど「クルマ生活」をあらゆる角度からプロデュースするオフィスタマ株式会社を設立。女性のためのクルマ生活応援サイト「カーユニウーマン」の編集長や「とんがりガールズ」を主宰している。「カーライフアドバイザー」「ドライブデート評論家」「モータースポーツ記者」として雑誌などへの執筆活動の他、テレビやラジオの出演もこなす。

――現在の仕事内容について教えてください

「クルマ生活」を軸に、雑誌、WEBサイトの制作からグッズのプロデュースなどを行っています。根底にあるのはいつも共通していて、クルマの楽しみ方や付き合い方レシピをお届けしている感覚です。そのほか「カーユニウーマン」の編集長、マイカーが大好きな女性ドライバーに向けての情報発信やイベントなどを企画する「とんがりガールズ」を主宰しています。並行してWEBショップ「カレンジ」も運営しており、女性のためのカーグッズの販売や、グッズのプロデュースも行っています。​​

――「とんがりガールズ」はどのような経緯で生まれたのですか?

自動車専門誌の編集者を経て2000年に独立し、女性向けのカーライフマガジンを作っていたのですが、2009年に休刊となってしまい、それに変わる「カーユニウーマン」というWEBサイトを立ち上げました。会員が増えていく中「クルマが大好き!」、「マイカーが好き」という女性ドライバーも増えてきたので、マイカーが好きな女性を「とんがりガールズ」と名付けて、カテゴリー分けしたのがきっかけです。情報発信だけではなく、一緒にクルマを学んだり、オフ会を開いたりと会員同士の交流を深める活動も行っています。

TOYOTIRESターンパイク箱根(当時)で開催されたとんがりガールズのオフ会の様子。この日はスポーツカーユーザーの女性が多く集まった

――どんな女性が会員になっているのですか?

18歳から80代まで幅広く、全国に会員がいます。乗っているクルマも軽自動車からスーパーカーに至るまでバラエティに富んでいます。今WEBサイトに紹介されているクルマはカスタムカーが多いので「ノーマルでも大丈夫ですか?」という問い合わせをよくいただきますが、現会員500人の中で見るとノーマルの方が6割強です。自分のクルマが好きな女性であればどなたでも会員になれます。

カー量販店の屋上で開催されたオフ会。最近はイベントの運営に協力してくれる男性も増えてきているという

――やりがいを感じるのはどんな時ですか?

クルマに興味がなかった女性から「とんがりガールズを見て自分に見合うクルマを探すことにしました」とか「とんがりのステッカーを貼っているクルマを見つけてお友達になりました」と言われた時ですね。くるまマイスター検定にチャレンジして、これまでにはなかった知識を身につけるなど、クルマの魅力を新たに発見して楽しんでいる様子を見ていると「やっていてよかったな」と思います。

鈴木さんがリアルな女性目線でプロデュースしたグッズ。写真上の「サンシェード」は、化粧直しなど目線が気になる時にも使える。写真下の「ネグローニ×カーユニウーマン ドライビングパンプス」はヒールで運転することがないよう安全面も考えたもの。中央の「じつは超汚い車内を超綺麗にするスプレー」は車内全体に使える手軽な洗浄剤

――現在の課題はありますか? またそれを克服できていますか?

カーユニウーマンもとんがりガールズも少人数で運営しているので、コンテンツアップやイベントがなかなか思い通りにできていないことが悩みのひとつ。でも近頃は積極的にお手伝いをしてくれるメンバーや協力者が増え、周囲に助けられながら継続することができています。本当に感謝でいっぱいです。将来的には二輪と四輪のガールズイベントを開催したいと思っています。

――現在の仕事をするようになって、鈴木さん自身にどのような変化がありましたか?

編集者としてモノ作りができるようになっただけでなく、専門誌でいろいろなクルマに触れたことで専門知識を身につけることができ、どんどんクルマが好きになりました。今の私があるのはクルマのおかげですね。もし好きになっていなかったら、人生を今の半分も楽しめていなかったと思います。

――今後の希望や目標を教えてください

とんがりガールズが原動力になり、老若男女問わず全国にクルマ好きが増えたらいいなと思っています。マイカーを好きになることで、クルマを大事にする思いが安全運転や周囲への思いやりにつながると思っています。また生涯現役でいることも目標です。そのためにはまず健康でいることが大切。年を重ねていくなかで、どのように安全にクルマを運転し続けていけるのかをテーマに、今後もクルマとクルマ生活について学んでいこうと思います。

カートレースを楽しむ女子会「夜会。ガールズナイト」での一枚。「とんがりガールズのメンバーはみんな輝いています。彼女たちの笑顔が、よりクルマ好きを増やす原動力になって欲しいです」

――お休みの時は何をしていますか?

ヨガとドライブです。ヨガは、筋肉や骨の位置を意識して動かすことが大事で、突き詰めていくと、ヨガから派生したストレッチやエクササイズで、カラダのアライメントをとることができるんです。クルマも定期的にアライメントをとることが大事ですよね? カラダのバランスを維持できれば、クルマに長く乗り続けられる健康なカラダも手に入る……と思います。ドライブはご近所からロングドライブまで。毎年必ず行くのが、栃木県・那須の乙女の滝。一番のお気に入りの滝です。

ヨガは趣味でやっていたが「続けていたらさらに深く学びたくなり、ファーストシップでインストラクターの資格を取得しました」と鈴木さん

――クルマは何に乗っていますか、また欲しいクルマはありますか?

現在のマイカーはルノーのカングーです。乗っているだけでいつも旅気分を味わわせてくれるステキな相方です。内装を自分好みにコーディネートしたらますます愛着が増しました(笑)。できれば理想は2台持ち。久しぶりにFRのスポーツカーに乗りたいですね。

鈴木さんのカングーの車内はCABANAのシートカバーなどでアレンジがなされている。「女性って実は車内の整理が苦手な人が多いんです。でも自分の部屋の整理と同じだよって教えてあげると上手になります」

――理想のドライブデートを教えてください

目的地と1つだけ目的を決めて、あとは行き当たりばったりのドライブが好きかな。例えば「軽井沢にお蕎麦を食べに行く」ということだけを決めて、空いた時間は自由にドライブするとか。これはわたしが実際に女性の友人とやっているドライブデートプランなのですが(笑)、とっても好評です。少しだけ、サプライズを入れると女性は喜んでくれると思いますよ。

――鈴木さんにとってクルマとはどんな存在ですか?

自由にしてくれる箱です。アイデアが浮かばないときもクルマに乗るし、気分転換したいときも乗る。友人と楽しみたいときも乗るし、旅をしたいときはわたしの相棒になってくれる。女性のみなさんには1台のクルマととことん、向き合ってほしいと思っています。とことん乗りこなせるようになると、心地よい緊張感をキープしたまま、クルマとの自由な時間が楽しめるようになると思います。思い立ったらどこへでも自由に出かけられる箱は、女性の感性に寄り添ってくれるはずです。

とんがりガールズや自身を通して、やがては日本のクルマ社会を豊かにしたいと精力的に活動する鈴木さん。「日本の全ての女性がクルマ好きになる」。そんな鈴木さんの願いが、本当に実現できてしまうかもしれませんね!

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road