明るい笑顔でサーキットを切り盛り! 本庄サーキットマネージャー高野直美さん

埼玉県本庄市にある本庄サーキットでマネージャーを務めている高野直美さん。本庄サーキットは関東のクルマ好きを中心に人気のミニサーキットですが、高野さんの奮闘があってこそ。サーキットマネージャーの仕事とは一体どんなものでしょうか?

プロフィール
高野直美(たかのなおみ)

群馬県高崎市出身。2005年の本庄サーキット開業とともに同コースのマネージャーに就任。開業以来10年以上にわたってサーキット運営の全般に携わっている。

――現在の仕事内容について教えてください

貸切りやイベントスケジュールのブッキング、設備の管理、さらにライセンス発給の手続きやスポーツ走行のチケット販売などが主です。電話やメール応対などの接客も行います。お客様から頂いた意見を吟味し、さまざまな改善を加えていくのも私の仕事ですね。

予約のトラブルが発生しないようスケジュール管理は徹底している。貸し切りがダブったりしたら大変!

――この仕事を選んだきっかけを教えてください

もともとは子供関連の接客業をしていたのですが、本庄サーキットがスタートする前に社長である父から誘いを受け、関越スポーツランド(※現在は閉鎖)に数ヶ月勤務し、ここのオープンと同時にマネージャーを任されました。

2005年4月29日に開業した本庄サーキット。全長は約1kmでヘアピンコーナーが多い。四輪、二輪、カートの走行が可能で、スポーツ走行や貸切りのほか「Honjyo Right Challenge」など自主企画のイベントも精力的に行っている

――マネージャーの仕事で大変なことは何ですか?

全てが未知の世界で不安しかありませんでした。いざ始まってみると近隣から音に関するクレームが発生し大変でした。また、それまでの仕事は子供が相手だったので、年上の方々とのコミュニケーションにも苦労しましたね。自分の接客のスキルが通用しませんでしたから。

さらに、予約が入っている日に他の予約を入れてしまうダブルブッキングもありました。走行スケジュール管理の難しさとその重要性、連絡の大切さを実感しましたね。

「父親とも上司と部下の関係になり、普段から敬語で接するように指摘されました。それまでの常識とは全く違いましたね」と開業当初を振り返る高野さん

――運営の中で発生したトラブルはどのように解決してきたのですか?

近隣の方々からのクレームに対しては真摯に受け止め、ドリフト走行は2日以上連続で行わないとか、法事がある際にはその時間の走行を控えるなど、なるべく意見を反映してきました。地元があってこその本庄サーキットだということを忘れないようにしています。

コースのスケジュール管理に対してはスタッフ間の情報共有を徹底しています。基本は先約が優先で、仮予約が入っている日に別の本予約の連絡が入った場合は、必ず仮予約の方にその旨を伝え、改めて正式なお返事をいただくようにしました。貸し切り以外の日には、自主イベントを組み込んでいます。

地元の方々との交流を深めるために毎年5月5日に「地元親睦会」を開催。中でもドリフト同乗体験は長蛇の列になるほどの人気コンテンツです

――この仕事をやってきてうれしいと感じるのはどんな時ですか?

「楽しく走れて満足しています」と言っていただけた時に、やっていてよかったなと感じます。常連の方々に指摘されたコースのうねりや破損を改修し『走りやすくなったよ』とお褒めの言葉をいただけるのもうれしいですね。

施設の管理も高野さんの仕事。「このガードレールとバリアを設置したことで、100km/hで衝突してもドライバーは助かります。開業当初からコースの安全は第一に考えています」。最近ではパドックに屋根を増設。さらなる延長も検討しているそうで、より使いやすい環境作りを心がけていくとのこと

地元の方々との交流が深まったこともうれしいですね。いつもケータリングを出してくれる「カレーの店クック」(藤みち)の女将さんは地元の方で、私の悩みをいつも真摯に聞いてくれるので、メンタル面で本当に救われました。

ケータリングを出してくれる「カレーの店クック」とその女将さん​
カレーは300円で焼きそばは200円と手頃でしかも美味しいと評判。今ではすっかり本庄サーキットの名物に

――この仕事をやってきて、高野さん自身に変化はありましたか?

群馬県前橋市からこちらに引越しして、最初は知り合いがいなかったのですが、今では顔見知りの方が増えて私自身も明るくなりました。もともとクルマには興味がなかったのですが、今ではすっかりクルマ好き。仕事も楽しんでいます!

「コースを走ることもありますよ。ラップタイムは受付で聞いてください(笑)」と高野さん
本庄サーキットのスタッフの皆さん。「私だけでは当然全部はできませんので、皆さんと分担して協力し合っています。本当に色々な方に助けてもらっています」

――今後の課題や目標を教えてください。

お客様とのコミュニケーションを第一に考え、ご要望もできるだけ反映し、より良い運営を心がけたいです。また最近はギャラリーコーナーを新設するなど改修もしました。お客様目線でより使いやすいサーキットにしていきたいですね。

お客様とのコミュニケーションを大事にする高野さん。「こんにちは」「お疲れ様です」などの挨拶は、マネージャーとして働き出した時から大切にしている

――お休みの日は何をしていますか?

常に子供のそばにいますね。本当に子供が好きなんです(笑)。ショッピングはもちろんランチにも連れて行ったりと、仕事以外では常に一緒ですね。

休日はお子さんを連れて買い物。「私自身も買い物が好きですね。子供を連れて近くのショッピングモールにお洋服を買いに行ったりしますよ(笑)」と高野さん

――クルマは何に乗っていますか? また、高野さんにとって理想のドライブデートは何ですか?

今の愛車は日産のマーチです。高速巡航もラクですし転回もしやすいですね。でも今はより家族向けのホンダ・フリードスパイクの納車待ちです。納車されたら子供を連れて遊園地や水族館に行ってみたいですね。海沿いをドライブしながら子供と「海だよ。気持ちいいね」なんて話しをすることが、ちょっとした夢です(笑)。

これまでさまざまな壁に当たってきた高野さんですが、優しく素直な人柄があるからこそ乗り越えてこられたのでしょうね。初めて走る人にもていねいに説明してくれるので、ビギナーでも安心です。気づいたら本庄サーキットの常連になっていること間違いなし!

[ガズー編集部]

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