【世界の愛車紹介タイ編】タイのドリフトドライバーが磨き上げるGT-R
日産が誇るハイパフォーマンスカー、GT-R。唯一無二の個性的なスタイルと3.8リッターV6ツインターボが生み出す圧倒的な動力性能が多くの人たちを魅了。日本のみならず、世界中にたくさんのファンを生み出しています。
タイの有名ドリフトチーム、SKプランチョンに所属するドリフトドライバー、バードさんもそんなGT-Rファンの1人。スカイラインの頃からのGT-Rファンで、R32、R33、R34と歴代GT-Rを所有。現行型のGT-R(R35)も大好きで、中古車が流通したのを聞きつけ、2009年式を中古で購入しました。
- 後ろに伸びたリアウイングが大迫力。だだならぬ雰囲気を醸し出しています
GT-Rは1,000万円前後(日本国内の新車)の高額なクルマとして知られていますが、関税の高いタイではさらに顕著で、バードさんの購入価格はなんと550万バーツ(約1,800万円)。中古のGT-Rが2,000万円近いという事実に驚くばかりですが、最高の性能を求めるタイの人々にとって決して高くはありません。
GT-Rを購入したバードさんは早速カスタマイズを開始。狙ったのは他のGT-Rと差がつくカスタマイズです。最大の特徴が日本のスキッパーのボディキット(ver.2)。縦と横のフィンを積極的に取り入れたデザインはGT-R用としてはめずらしく、定番と呼ばれるエアロパーツとは一線を画しています。
- 無数に開いたスリットがレーシングカーのような雰囲気を醸し出しています
- ホイールは20インチのボルクレーシング。ボディキットとの相性も○
しかもこのボディキットを装着したGT-Rは、タイ国内に1台しかないそう。スキッパーと付き合いのあるタイの業者を通じて手にいれたもので、他のGT-Rとの差別化を図るにはうってつけです。
また、エンジンは日本のチューニングパーツメーカー、HKSのGT600キットを装着。このキットは文字通り600psをマークするためのもので、チタンのエキゾーストマニホールドやマフラー、コンピューターのチューニングとあいまって、外観からイメージする通りのビッグパワーを獲得しています。
- エンジンはストリートでも乗りやすい仕様
- ブローオフバルブはHKS。アクセルオフ時にターボ車らしいサウンドを奏でます
日本におけるGT-Rのカスタマイズは、日産直系であるニスモのパーツを上手に使いながら、ノーマルのイメージをキープするのが主流ですが、バードさんのGT-Rは全く逆。D1グランプリでGT-Rが活躍しているので、ひょっとしてこのGT-Rでドリフト大会に出るのかと思いきや、それも違うようです。
「カスタム費含めて700万バーツ(約2,300万円)かかっているクルマをドリフトに使えません。このGT-Rは普段乗りが中心です」(バードさん)。
- 厚みを感じるリップスポイラーはカーボン製
- ほぼオリジナル状態のコクピット
GT-Rは金銭的な余裕がないと乗れないクルマですが、それでもいきなりリスクの高いステージに持ち込めないのはどの国でも同じ。今後はエンドレスのモノブロックキャリパーを装着し、ヘッドライトとテールランプをカスタマイズするとのことですが、いつの日かタイのドリフト大会で大暴れしてほしいですね!
Pakorn suksamran(パコーン スックサンラーン)
タイのライター兼編集者。普段からクルマ系記事を中心に担当しており、「Option thailand」等でも執筆経験あり
[ガズ―編集部]
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