結婚式は日光サーキット! S13シルビア&スイスポに乗るクルマ大好き夫婦の生活とは?
シルバーのボディカラーに“疾風-Hayate-”と書かれたお揃いの化粧プレートで揃えたスイフトスポーツ&S13シルビアの2台。「チームやショップが同じなのかな?」と思って声をかけてみると、なんとご夫婦だった。スポーツカー好きのご夫婦ならいろいろと面白い話も聞けそうだと取材してみると、出会いから結婚、そして現在に至るまで、おふたりのストーリーの中には、つねにクルマ一色だった。
そこで今回は、高瀬正弘さん・恵さんご夫婦の出会いから結婚、そして出産や子育てなどについて迫った。
まず、おふたりの出会いは、ご主人の先輩であり、奥さんの同僚だった方からの紹介がきっかけだった。
「イニシャルDやF1を見るのが好きで、高校生の頃からクルマが好きだったんですよね。そうしたら同僚から“いい人いるよ”って紹介してもって」と恵さん。
そして正弘さんも「先輩から“クルマ好きなコがいるからドリフトを見せてあげてよ”って紹介されて、メールのやり取りをしていたらアドレスに“rotary”って単語が入っていて、本当にクルマが好きなんだな~って思いましたね」と、出会いを振り返る。
それから一緒に峠に行ったり、ドライブに出かけたり、自然と交際がスタートしていくことになる。
そして、正弘さんがプロポーズし、晴れて結婚するわけだが、そのプロポーズにも面白いエピソードがあった。
「彼女が根っからのRX-7ファンなので、友だちにFD3Sを借りてドライブに行ったとき、サプライズでプロポーズしました。自分はシルビアに乗っていますが、彼女にとってロータリーエンジン搭載のRX-7は特別なクルマなので」と、恵さんにとって特別なクルマを借り、プロポーズした当時の話を教えてくれた。
そして結婚式は、栃木県の日光サーキットを借り切って行ったそうだ。
「日光サーキットで結婚式を挙げたのは、ぼくたちが唯一じゃないかな?(笑)。日光サーキットも結婚式プランみたいなものがないので、走行会で1日貸し切って、午前中は結婚式、午後は走行会みたいな感じで予定を立てました。いつも走っているサーキットで指輪交換やパレードランできて、とても記念になりました!」と、クルマ好きならではの結婚式は、おふたりはもちろん、仲間たちの記憶にも残るものだったのだろう。
おふたりの出会いから結婚までのエピソードを紹介したところで、クルマのほうも見ていこう。まず、正弘さんの愛車は、19歳から18年間乗り続けているS13シルビア。
「子供が生まれる前は、このほかにもクルマを所有していましたが、今はこのS13シルビアだけに絞っています。S13シルビアは免許を取ってすぐ買い、それからずっと大切に乗っています!」と、美しい見た目も相まってクルマへの愛情が伝わってくる。
ちなみにS13シルビアのテーマは、内外装ともに純正+αのスタンダードなスタイリング。ベースは平成3年式のシルビアだが、各部のコンディションは抜群!
「シートもサーキットを走るときはバケットシートに交換しますが、普段は純正シートにしています」と、こだわり満載。ちなみに街乗りはもちろん、エビスサーキットや日光サーキットでドリフト走行も楽しんでいるそうだ。
これだけ美しい外観にも関わらず、ドリフトも楽しんでいるというのだからさらに驚きだ。
そんな美しいシルビアで見てもらいたいのがエンジンルームだ。以前はサーキット専用車として2.1L+フルタービン仕様(RX-6タービン、通称F1タービン)だったが、現在はストリート仕様にエンジンを大幅にリメイク。ゲート式のRX-6タービンから、扱いやすさに定評のあるアクチュエーター式のT417Zタービンに変更し、エンジンも作り直したそうだ。
「前のフルタービン仕様のエンジンは、高回転域の伸びが刺激的でしたが、アクチュエーター式は低回転からトルクがあって楽しい!それぞれの仕様で一長一短ですが、どちらも気に入っています」とは正弘さん。
恵さんの愛車は、新車で購入したスイフトスポーツ。
「以前はS15シルビアに乗っていたんですが、妊娠をきっかけにキューブに乗り替えて、子供の送迎にも使いやすそうなスイフトスポーツを買いました!コンパクトで、小回りもきいて、家族で乗ってもゆったりしているので本当にラクチンです。あと、アラウンドビューモニターで駐車も簡単!お気に入りはBBS製ホイールと、交換したアンテナです!スポーツカーらしいスタイリングも好みです」と、大満足の様子だ。
ファミリーカーということで、後部座席にはチャイルドシートもしっかりと装着。お子さんのたかやくん(4歳)も気に入っているそうで、「駐車場では、私より先にスイフトスポーツを見つけることもあるんですよ!ヘッドライトの形が好きみたいです」と恵さんが教えてくれた。
最後に“クルマ好き夫婦あるある”を聞いてみた。
「仲間もクルマ好き夫婦が多いんですけど、傾向的に奥さんのほうがクルマ好きなパターンが多いですね。夫は軽自動車に普段乗っているけど、奥さんはバリバリにカスタムしたコペンみたいな(笑)」
「あとは、奥さんがクルマ好きだから、普通ならダメって言われることがOKなことですね。チューニングしていい?って聞くと、だいたいOKなんですよ。だから逆に躊躇しちゃうというか(笑)。好き勝手クルマいじりをすれば、そのぶん生活が苦しくなるな~って考えちゃって、思いとどまっちゃうんですよね」
「実は、エンジンを載せ替える前に一度このS13シルビアを手放そうとしたことがあるんですが、その時、妻から『私はあなたとシルビア込みで結婚した』と言われたんです。そのおかげで、エンジンを載せ替えて引き続きこのシルビアに乗ることができています」と教えてくれた。
また、恵さんも「クルマのことは主人に全部任せているので(笑)。今はタービン交換して、コンピューターチューニングをしたいね!って主人と話しています」と、スポーツカー好きらしい発言。そんな話を聞いていた正弘さんは、「ブーストアップやタービン交換もしてみたいし、やってもいいよって言われているんですけど、私のほうがちょっと待ったをかけている感じです(汗)」と苦笑い。
そんな微笑ましい会話を聞いて、うらやましいと思うクルマ好きも多いだろう。さらにクルマ好きご夫婦の間に生まれた、たかやくんの成長も楽しみだ。きっと、正弘さんと恵さんのようにクルマが大好きに育っていくのだろう。
(文:三木宏章/撮影:市原浩二)
[ガズー編集部]
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