ミニバンに興味無かったのに今や虜に トヨタ ヴェルファイア

小学生の頃にスカイラインGT-Rにひと目惚れしたというクルマ好きのオーナーは、ライフステージごとにクルマを乗り換えてきた。子供が生まれるのを機に購入したトヨタヴェルファイア(AGH30W)は、家族への配慮とこだわりのポイントが詰まった1台だ。

2023年6月にフルモデルチェンジが発表され、3代目に突入したトヨタ・ヴェルファイア。広い車内空間やスライドドアなどの便利機能が充実した子育て世代のファミリーカーとしてはもちろん、ラグジュアリーな内装デザインや快適装備でショーファーカーとしても人気を誇る国産大型ミニバンだ。

愛媛県在住の加藤さん(40才)も、子供が生まれたのを機に“こだわりのファミリーカー”として2代目ヴェルファイアを購入したオーナーのひとり。
そんな加藤さんにこれまでの愛車歴を理由とともに伺ってみると、その時の状況に合わせてクルマを選ぶ“パフォーマンス重視型”のカーライフを楽しんできたようだ。
「小学校の頃に何かの本でR32型のスカイラインGT-Rを見てシビレてしまい、それからクルマが好きになりました。大学の時はバイクに乗っていて『免許を取ったらスカイラインに乗るぞ!』と思っていたのですけど、日産ディーラーに営業マンとして就職したこともあり、型落ちのスカイラインではなく新車で売れ筋のノートを買いました」

ディーラーを退職してからは、ゴルフをはじめたのをキッカケに『荷物が載って速くて疲れないクルマ』としてターボエンジンのフォレスターに乗り換え、転勤して通勤距離が伸びたのを機に燃費が良く経済的な軽自動車のホンダ・N-WGNを購入したという。

そして、結婚&出産を機に購入したのがこのヴェルファイアだ。
「本当は漠然とインプレッサWRXを買おうと思ってお金を貯めていたんですけど、子供が生まれるとわかってからは『N-WGNではいずれ手狭になるし、せっかくなら使い勝手のいいスライドドアのクルマを探そう』ということになったんです」

営業マンとしての立場を踏まえた新車のノート、ゴルフを快適に楽しむためのフォレスター、通勤のコスパを考えたN-WGN、そして家族のためのヴェルファイア…ライフステージごとに、車両を吟味して乗り替えていることがうかがえる。

  • トヨタ ヴェルファイア 2.5Z AGH30W

そんな加藤さんが、数あるスライドドア付きミニバンの中からヴェルファイアを選んだのはなぜか?そこにはやっぱりクルマ好きならではの譲れないポイントやこだわりがあったようだ。

  • トヨタ ヴェルファイア 2.5Z AGH30W

「最初は3代目ヴォクシーを買おうと思ってディーラーに行ったんです。そしたらヴォクシーの隣にアルファードも並んでいて、いろいろと比べてみたらアルファードのほうが高級感があって気に入ってしまって(笑)。そして2段ヘッドライトのデザインが好みだったので、アルファードよりもヴェルファイアがいいなと」
こうして希望車種をヴェルファイアに絞り、さらに実用性を考えていくつかの独自条件を設けて探し出したのが、この2015年式ヴェルファイア(AGH30W)。2.5LガソリンエンジンのZグレードだ。

「どうせ買うんやったら長く乗ろうとGAZOOの中古車検索サイトでトヨタ認定中古車を探すことにしました。ボディは白にこだわって、チャイルドシートを装着したりオムツ替えしたりというのを考慮して8人乗りのベンチシート仕様を探しました。それともうひとつこだわったのが、大きなリヤビジョンが付いていることですね」
ショーファーカーとして快適なキャプテンシートや豪華なエグゼクティブパワーシートなどもラインアップされるヴェルファイアだが、小さな子供と一緒に過ごすならベンチシートの方が使い勝手がいいと考えたわけだ。
さらに、アルパイン製の大型フリップダウンモニターのおかげで、長距離移動の際にもお子さんが退屈せず、奥様もゆったり過ごせて言うことなしだという。

ただ、購入したらそのままでOK…としないところが加藤さん。
「8人乗りベンチシートにこだわって探した結果2.5Zというグレードになったんですけど、内装の質感をアップさせたくて、上級グレードにあたるGエディションの内装に交換したんです。今後はドアピラーの内装も木目調の上級グレード用に付け替えたいですね。見る人が見たら『8人乗りなのになぜこの内装なの?』って思うような仕様が目標です。ホイールはクラウンRSの純正に履き替える予定で、あとはちょっと車高も落としたいけれどファミリーカーだしそれは最後かな(笑)」と楽しそうに今後のカスタム構想についても語ってくれたのが印象的だった。

「カスタムしているのは内装だけじゃなくて、フロントのエンブレムはネッツマークから輸出用のトヨタマークに交換しました。それにボンネットを開けた時に目に入るエンジンカバーもレクサスLX用を流用して、そのカバーのエンブレムもトヨタマークに変えているんです」
車種選びはファミリーカーとしての実用性にこだわりながらも、細部には自身の趣味やこだわりもしっかり反映させてカーライフを楽しんでいることが口調や表情から伝わってくる。

そして長く大事に乗るために、愛車をキレイに保つためのメンテナンスにも余念がない。
「近くのガソリンスタンドで、月額2400円で撥水洗車や高圧洗車などが1200円まで使い放題のサブスクを利用して小まめに洗車しています。コーティングも2〜3ヶ月に1回はかけているし、クルマの中はまめにコロコロで掃除しますね。あと、車内にモノが多いと所帯染みてくるので極力モノを置かないように心がけています」

「車体は大きいけれど、思ったよりも小回りが効くし見晴らしもいい。全長が4900mmオーバーのクルマにしては運転しやすくて大満足です。もともと、こういうクルマにはあまり関心がなかったけれど、乗ってみると人気車種であるのもわかるなと納得しましたね」と、ヴェルファイアの乗り心地や使い勝手についても大満足のようすだ。

現在、加藤家は奥様用のスズキ・ハスラーとこのヴェルファイアの2台体制。加藤さんの通勤は徒歩圏内なので、ヴェルファイアは休日のお出かけ専用車だという。
「今はまだ子供が小さいので遠出はちょっと大変なんですけど、以前は福岡や鳥取、島根とかにもドライブや旅行にでかけて楽しんでいました。だから、ヴォクシーのCMじゃないけど、息子が大きくなったらふたりだけで男同士どこかに行ってみたいですね。車中泊もアリだな」と嬉しそうに話してくれた。

  • トヨタ ヴェルファイア 2.5Z AGH30W

使い勝手やパフォーマンス度外視で大好きな1台を大切にするカーライフもあれば、現実的な選択肢の中で楽しむカーライフもある。加藤さんからそれを改めて教えられた気がした。そしていつの日か、憧れだったR32 スカイラインGT-Rを手に入れた時には、ぜひそのカーライフについても伺ってみたい。

取材協力:高知工科大学 香美キャンパス(高知県香美市土佐山田町宮ノ口185)

(⽂:西本尚恵 / 撮影:平野 陽 / 編集:GAZOO編集部)