趣味と実用性を両立する原寸大のプラモデル『フリード+』と楽しむクルマ趣味

  • GAZOO愛車取材会の会場である西京極総合運動公園で取材したホンダ・フリード+(GB5型)

    ホンダ・フリード+(GB5型)


幼い頃、夢中になったプラモデル。その情熱は、大人になっても色褪せることなく根底にあるという人も多いのではないだろうか。ホンダフリード+(GB5型)に乗る『1000’z®(センズアール)』さんは、ファミリーカーとしても仕事の相棒としても大活躍してくれる愛車を、まさに『原寸大のプラモデル』のように自身の好みにカスタマイズしながら濃密なカーライフを楽しんでいる。

テレビでF1を観ているうちにホンダのファンになったという1000’z®さん。
16歳で自動二輪免許取得するとホンダのオートバイを購入。その後、自動車の運転免許を取得すると、やはりホンダ車であるCR-Xを選択し、買い替えの際にもホンダ・プレリュードを選ぶなど、ホンダ贔屓の愛車遍歴を重ねてきた。

「最初の愛車に、人気だったシビックではなくCR-Xを選んだのは、シビックに乗っている友達が結構いたから被りたくなかったんよ。その次に乗ったのは、デートカーとしても人気だったプレリュード。そして、仕事の営業車兼ファミリーカーとして、三菱のリベロとRVRには乗ったけど、その後は再びホンダに戻って、モビリオスパイク、フリードと乗り継いで、今はフリード+といったところやね」

「僕の場合、リベロ以降はすべて新車で買って、たくさん走ったら次のクルマに乗り換えるというスタイルなんですわ。リベロは8年で8万km、RVRが7年半で16万km、モビリオスパイクは7年で27万km、そして前のフリードは8年で28万km走りました」
整備はもちろん、車検に通る範囲でのカスタマイズのアドバイスなどもしてもらっているという整備士さんとの付き合いは、かれこれ26年。「モビリオスパイクを買うた時は、店長さんがめっちゃ良い人やったさかい。僕はそういう人との縁に左右されるんや」と、定期的に行きつけのホンダディーラーへと足を運んでいるそうだ。

ちなみに、1000’z®さんがカスタマイズに力を入れる愛車は“1台おき”なのだとか。
「全部のクルマをカスタムすると、奥さんから『アンタまた道楽を』と言われてしまうので、リベロやモビリオスパイクはたくさんカスタムしたけど、RVRやフリードは大人しめにしてたんですわ。で、今のフリード+のカスタムは過去イチでカスタムしているかな (笑)」と、家族への配慮として“マイルール”を設けながら愛車ライフを楽しんでいるそうだ。

そんな1000’z®さんがこのフリード+を購入したのは2018年3月のこと。それまで乗っていた初代フリードの走行距離が28万kmに達していたことに加え、とある出来事がキッカケになったとのこと。
「そろそろ乗り換えようかなと思っていた時に、高速道路でフリード+に抜かれたんです。速いな~と思って付いていこうとアクセル踏んで加速させたんやけど、全然追いつけへん。で『フリード+ ええな』って思ったんや。ただ、できればモデューロXが欲しかったんやけど、フリードにしか設定されておらず、フリード+には存在しなかったんですよ。『ほんなら自分でモデューロ仕様にすればいいか』ってことで、このクルマを買うたんですわ」

『モデューロX』はホンダアクセスが開発したコンプリートカーで、専用のエアロパーツやサスペンション、個性的なフロントフェイスや上質なインテリアなど、ベース車の良さを活かしつつスポーティなカスタマイズが施されたモデル。
N-BOXを皮切りに展開がスタートし、N-ONE、ステップワゴン、そして2代目のフリードにも設定されていたが、フリード+にはラインアップされていなかった。
だからこそ『もしもフリード+にモデューロXが存在したら…』と想像しながらカスタムを楽しもうという趣向に至ったというわけだ。

購入したのは、フリードスパイクの後継として2代目モデルに設定されたホンダ・フリード+(GB5)。3列シートのフリードに対し、フリード+は2列シートで5人乗りとなるのが特徴となっている。
ボディカラーは鮮やかなコバルトブルーパールをセレクト。そして早速、フリード+の“モデューロX仕様”へのカスタムに取り掛かる。
「まんまモデューロX仕様だと面白くないさかい、ブリッツ製のサスペンションに交換して足を引き締め、ブレーキはローター&パッド交換に加えて塗装もしました。マフラーは本当はもっと太い音にしたいんやけど、車検対応にこだわって柿本レーシング製に交換しているんや」

長距離を走ることが多いため、基本的には“気持ち良く走れることを重視したカスタマイズ”という方向性であるそうだが、懇意にしている東大阪にある鈑金塗装ショップ『ファーレンオートカラーズ』オーナー“シゲさん”協力のもと仕上げられたエクステリアも圧巻である。

モデューロX専用バンパーと無限グリルを組み合わせたフロントバンパー、強度や形にこだわってワンオフ製作したフロントリップ、汎用品を加工して装着したサイドステップに無限製のリヤディフューザーなど、まさに唯一無二のスタイルを作り上げているのだ。

カラーリングについても、純正ボディカラーのコバルトブルーパールを活かしつつ、アイラインやサイドステップなど要所部分にはキャンディブラックのグラデーションをプラスすることで、陰影のついた深みのあるビジュアルへと引き立てている。

そんなこだわりの加工や塗装が集約されたポイントのひとつが「『黒青でまとめたいから、なんかええの作って』とシゲさんに相談して、CR-V用のパーツを使って型を起こしてFRPで作り直してもろうたんです」というリヤクォーターガーニッシュ。

ほかにも“Modulo X”エンブレムは“ホンダ(H)”と“FREED+”のエンブレムと併せてキャンディレッド&ブラックで塗ることで『タイプR』を彷彿とさせるイメージに仕上げるなど、小技が効いたカスタムポイントは枚挙にいとまがない。

車内に関しても、ドアスイッチ周りやコンソールのカーボン柄は水圧転写によってドレスアップされ、ドアを開けた時に見ることができるサイドシル部には“FREED”のロゴがグラデーションで光るように加工。さらに、腰痛対策用にとレカロ製シートを導入したり、営業車としての使い勝手を考慮してラゲッジスペースには棚を設置したりと、実用面のカスタマイズも抜かりなし。プライベートでオートキャンプに出掛ける時には、棚を外してエアベッドを積むこともあるそうだ。

  • (写真提供:ご本人さま)

そんなこだわりがたっぷり詰まった愛車は一人で楽しむだけではなく、SNSなどで知り合った仲間との撮影会やカーミーティングなどへも積極参加しているとのこと。
今年で5回目となる、嵐山-高雄パークウェイでのホンダ車イベントも主催側として携わるなど、クルマ趣味の活動も盛んである。
週5日は仕事で使用し、まとまった休みが取れたら旅行でも活躍。7年で16万kmを走破しているというから驚かされる。

また、愛車のカスタムに関しても、構想の段階から友達のモデューロXで実車の寸法を計らせてもらい『これにこんなエアロ着けたらこうなるんじゃないか?』など、仲間と一緒にワイワイと談議したというから、そういった楽しもまた『原寸大のプラモデル』の醍醐味のひとつと言えるだろう。

「あと5年は乗りたい。次もきっとフリード」と語る、オーナーのカスタム道はまだまだ続いていくことだろう…。でも、次のフリードはノーマルのままで乗っていないと、奥様の雷が落ちてしまいますヨ!

(文: 西本尚恵 / 撮影: 平野 陽)

※許可を得て取材を行っています
取材場所:西京極総合運動公園 (京都府京都市右京区西京極新明町32)

[GAZOO編集部]