車検ごとに乗り換える派だったオーナーがプリウスPHV GRスポーツに乗り続けている理由とは?

  • GAZOO愛車取材会の会場である霞ヶ浦緑地公園で取材したトヨタ・プリウスPHV Sナビパッケージ・GRスポーツ(ZVW52型)

    トヨタ・プリウスPHV Sナビパッケージ・GRスポーツ(ZVW52型)


1997年にデビューしたトヨタプリウス。ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせるというパワーユニットは、燃費や環境性能が重視される現在では無くてはならないものであり、それを20世紀のうちに市販車として実現したプリウスは、自動車にとっての新たなる時代を切り開いた、まさにエポックメイキングなモデルと言える。

そんなプリウスの3代目となるZVW30型からは、搭載エンジンによる発電からの充電だけではなく、外部からの電気を充電できるPHVも追加されるようになった。
そして、この3代目のPHVこそハイブリッド車と見た目上の差別化は図られていなかったが、2015年にデビューした4代目プリウス(ZVW50型)と、2017年に登場したPHV(ZVW52型)では、灯火類の形状変更や2つの膨らみを設けたバックドアウインドウなど、異なるデザインが採用されることに。ちなみにバックドアは、トヨタブランドとしての初採用となったCFRP(いわゆるカーボン)を採用したことでも話題となった。

さらに、PHVモデル(ZVW52型)には、2017年9月に『GRグレード』も追加ラインアップされる。
PHV標準車との違いは、まず専用デザインの前後バンパーやエンブレムなどで見た目をよりスポーティなものとしている他、専用チューニングのサスペンションやボディ補強パーツで操縦安定性も向上。インテリアも専用のスポーツシートやメーター、スイッチ類などでドレスアップされるなど、クルマ好き層にとってはよりいっそう魅力的なモデルに仕上げられたモデルとなっている。

そんなプリウスPHV GRスポーツを4年前に手に入れて、カーライフを満喫しているのが、『ほねまる』さんだ。現在の愛車となる52プリウスPHVの前は4代目エスクード、その前は50プリウスを愛車にしていたそうだ。

「いろんなクルマに乗りたいというタイプなので、これまでに10台ぐらいのクルマに乗ってきました。50プリウスに乗っていた時に、嫁さんがスイフトの1リッターターボに乗っていて、たまに運転させてもらうと、軽くてパワーもあって気持ち良く走るのが楽しいんですよ。それで自分でもターボ車に乗りたいとなり、エスクードに乗り換えたんです」

ちなみに、ほねまるさんは、これまで乗ってきたクルマはすべてホイールやマフラーをはじめとするカスタマイズをしてきたという経歴の持ち主。そして、購入してから次の車検くらいまでには別のクルマに乗り換えたくなるという、クルマに対しては“恋多き”オーナーさんでもあったりする。

エスクードもカスタマイズまで含めて楽しんでいたが、1年半ぐらい経過した頃に思っていたよりも燃費が良くないと思うようになり、別のクルマへ乗り替えたいという気持ちが高まっていったという。

そんな時に、自宅近くのディーラーの認定中古車センターに展示されている『プリウスPHV GRスポーツ』が目に入ったという。

「前に乗っていた50プリウスを買う時にも、PHVは購入候補に入っていて、乗ってみたいクルマの1台だったんです。『これは僕が買うしかない?』と、とりあえず試乗がてら、細かい部分をチェックしにいったんです」

展示されていたプリウスPHV GRスポーツのSナビパッケージは、11.6型の縦型モニターとなる大画面のナビが装備されたモデルで、サーモテクトライムグリーンのボディカラーが鮮やかな2017年式だった。
「クルマを見せてもらったら、購入するにあたって自分が設定した条件を、ほぼクリアする内容だったんです」

その条件というのは、非喫煙車であることに加え、1500wの100Vコンセントや急速充電プラグといったオプション設定装備の有無など多岐にわたる。

そんなほねまるさんの車両チェックは、ドアを開けた瞬間からスタート。
「ドアを開けて中の臭い…OK! 禁煙車」 第一関門をクリアし、装備をチェックしていくと、「100Vコンセント…、ある! 急速充電プラグ…ある! 本当はフロントウインドウに熱線が入っていたり、ヒーターが強力な寒冷地仕様だったらパーフェクトだったんですけど…とは言え、ほぼ自分の求める条件をクリアしていました」
さらに試乗してみてPHEVならではの走りにも満足したほねまるさんが、購入することに決めたのは言うまでもないであろう。

晴れて、プリウスPHV GRスポーツのオーナーとなったあとは、さっそくカスタマイズの計画を練る楽しい時間がはじまった。
「今まで乗ったクルマはすべてマフラーを交換していたので、このクルマも『まずはマフラーだ』と探し始めたんですが、なんとマフラーが市販されてなかったんです」
50プリウス用なら豊富にマフラーが市販されており、52プリウスPHVでもいくつか選択肢はあったそうだが、GRスポーツ用となるとその当時は市販品が1種類しかなかったそうだ。

「唯一あったマフラーの出口の形状が、オーバル、楕円形だったんですよ。それがどうにも好きじゃなくて、ワンオフで出口の形状を変えたものを作ってほしいと、見積もりまで取ったんです」
ワンオフで製作することは可能だったそうだが、残念ながら認証が取れないので、それを付けて公道を走ると違法改造になってしまう。違法改造になってしまうのでは諦めるしかないと、その時はマフラーを付けるのを諦めたそうだ。

マフラーを替えられない不満を、何か別のものを替えて晴らそうと「SNSで装着している方を見つけた、Ksスピード製のディンプル加工ディスクローターを、まず最初に付けてみたんです」
プロジェクトμ製のブレーキパッドと組み合わせた、ディンプル加工ローターのインプレッションを伺うと「良い意味で普通に使えましたね。ブレーキパッドも交換したので、ガクガクしたりしないかと心配だったんですけど、効き方は至って普通。でも制動距離は短くなったのでとても気に入っています」

ブレーキの他に、ホイールの交換も楽しんでいるそうだ。
「前の50プリウスに乗っている時に、40万円で特注したWORK製のイクサアテリズムブラックの19インチを持っていましたし、他にも2セットのホイールを持っているので、気分で付け替えて楽しんでいます」

この取材会に合わせて、特注したホイールを履いてこようとしていたが、「ショップの方に、『タイヤが2018年製でひび割れしてきているから、やめた方がいいですよ』と言われてしまって諦めました」
ちなみに、取材時に履かれていたホイールはレイズ製のG25プリズムダークシルバーの18インチ。所有されているというホイールはどれも一流品である。

カスタムパーツが少ないながらも、ほねまるさんらしい仕様に変化させていったプリウスPHV GRスポーツだが、マフラーは依然としてノーマルのままという日々が続いた。
「これまでの自分の愛車の中で、初のノーマルマフラーのままになるか? と、半分諦めていたんですが…、出たんですよ。このマニアックなプリウスPHV GRスポーツ用のマフラーが!」
そのマフラーというのが、現在装着しているガナドール製のPBS.S 4本出しマフラーである。「すぐにGRガレージに行って、ちょうどガナドールキャンペーン中だったので、装着してもらったというワケです」

そんなプリウスPHV GRスポーツとほねまるさんの付き合いは、間もなく丸4年を迎える。“短期間で乗り換える系クルマ好き”であるほねまるさんらしからぬ長期所有となっているのも注目すべき点だ。長く乗っているのは、プリウスPHV GRスポーツを通じて知り合った友達ができたからというのも大きな理由のようだ。

「エスクードの時は、同じ車種に乗る方と知り合っても、遠方だったりしてネット上の付き合いしかできなかったんです。プリウスPHV GRスポーツに乗るようになって、さらに言えば、GRガレージに行くようになって、実際に会い、クルマの話で盛り上がれる知り合いができました。以前は友達と連んで、それぞれのクルマでどこかに行くなんてことはなかったんですけど、最近では一緒に遊びに行ったりもしています」

今後、乗り換えたいという気持ちが盛り上がることも、もちろんあるだろうが、一緒に遊びにいくようになった友達であれば、たとえほねまるさんが別のクルマに乗り換えたとしても、楽しい付き合いは続いていくに違いない。

(文: 坪内英樹 / 撮影: 土屋勇人)

※許可を得て取材を行っています
取材場所: 霞ヶ浦緑地(三重県四日市市大字羽津甲)

[GAZOO編集部]