多彩な活動を展開する現役アイドルが選んだプリウスは、信頼性に富み省燃費性能も高い敏腕マネージャー

  • GAZOO愛車取材会の会場である『米子駅前だんだん広場』で取材したトヨタ・プリウス ツーリングセレクション(ZVW30型)

    トヨタ・プリウス ツーリングセレクション(ZVW30型)


1995年の東京モーターショーで「人と地球に快適で幸せ感あふれるクルマ」をテーマにコンセプトカーが発表され、1997年に『世界初の量産型ハイブリッドカー』として世に送り出されたトヨタプリウス
ガソリンエンジンと電気モーターの力を合わせもつ画期的なハイブリッドシステムは、圧倒的な省燃費性能によって化石燃料の使用を抑えつつ、同時に二酸化炭素の排出量も大幅に節減できる次世代のクルマとして話題となった。
さらにモデルチェンジによる性能の進化とともに、環境問題に敏感な国内外セレブからの注目度がアップしたことも追い風となって、世界中へと広く普及していったのだ。

そんなヒットモデルの3代目、2013年式トヨタ・プリウス ツーリングセレクション(ZVW30型)に乗っているのが、今回の取材地となった鳥取県出身のレーシングアイドル『早乙女麗那』さんだ。

「地元にいた時はソアラ(JZZ30型)に乗っていたんですけど、地元を離れる時に手放しちゃって。それからは大阪を中心にモデルやレースクイーンの活動をしていたので、クルマがなくても平気だったんです。でも、もともとクルマが好きだったので、本音を言えば寂しかったですね。その頃の移動手段は自転車だったんですが、衣装などの荷物が多くなると自転車ではやっぱり不便。さらに最近ではドライバーとしてレースに出場する機会もあって、加えてバンド活動など幅を広げていくと、クルマの有難みが沁みてくるんです。そんな時にこのプリウスを譲ってもらうことになったんです」

ハリウッドスターたちの愛車として世界中に広まった2代目に続いて、2009年にデビューしたのがこの3代目プリウス。
ハイブリッド車として初めて自動車月間総合販売台数1位を獲得したのを皮切りに、2010年の年間販売台数はカローラの記録を超えて歴代首位に。世界でも約80カ国で販売されるなど、ハイブリッド車の代名詞と言える地位を不動のものとしたモデルだ。

そのため街中を走っていれば必ずと言っていいほどプリウスとすれ違い、駐車場には同型車が並ぶという光景も珍しくなかったほどである。

以前は、2.5リッターターボでマニュアルミッションのソアラに乗っていたという麗那さん。それだけに、ハイブリッド車では物足りなく感じているかと思いきや…
「イベントやライブ、レースなどで週に400km以上の距離を走行することも珍しくないんです。その点でこのプリウスは燃費がいいし、パワーモードのボタンを押せば加速も楽チン。あと、排気量が1.8リッターあるので、最近のハイブリッド車よりもエンジン走行時にはパワーもあるんですよ。ちょっと古いかもしれないですが、性能的には十分に満足しているんです」

幅広い活動を行っていながらも、その移動手段として“自走”を選択するのは、クルマの運転が好きという証。そして、仕事でフル活用するうえで省燃費性能に優れ、信頼性も高いプリウスという点も欠かせないポイントとなる。
そんな相棒に『プリ夫さん』という名前までつけて溺愛しているそうだ。

ちなみに、プリウスが愛車でよかった点は"爆発的にヒットしたクルマ”ということもあるのだそうだ。
特徴的なクルマに乗っているとファンから特定されてしまう危険性もあるが、この型の白いノーマルプリウスは世の中にまだまだたくさん存在しており、そんな“都市型迷彩”としての機能もまたメリットになっているという。

また、ラゲッジルームにアクセスしやすいハッチバックであることも、衣装や機材などを積み込む際に、高く持ち上げなくても載せることができるので重宝しているポイントとのことだ。
ちなみに、麗那さんのプリウスは後期モデルにあたり、その中でもツーリングセレクションは標準グレードと比べるとスポーティな味付けが施されているのが特徴となっている。

10代の頃に雑誌主催の学生限定ドリフトイベント『学ドリ』に出場。その後、キャンギャルやレースクイーンとして活動してきたという麗那さん。2023年には女性オーナーだけのイベント『ルミライズ』で、ドリフト初級クラス準優勝を果たしている。
また、備北ハイランドサーキットで行われた『スーパー軽耐久』では木山神社レーシングから参戦して完走。さらに2025年度は、セントラルサーキットで行われたタイムアタックイベント『CTAC』で、瀬戸自動車の86をドライブするなど、さまざまなカテゴリで“レーシングアイドル”としての活動を積極的に行っているという。

「レースクイーンとしての活動は昨シーズンで一区切りして、今年から音楽活動とレース活動に力を入れています。今の目標は国内Aライセンスを取得して、N1のワンメイクレースに出場すること。あとはJDC(全日本ダートライアル選手権)の地方選手権とか、ドリフトも頑張りたいと思っているんですよ。これらの会場に行き来するだけでも、相当な移動距離になりますから、プリ夫さんはなくてはならない相棒ですネ! もっと言えば、信頼できるマネージャーみたいなものかな。もうすぐ20万kmを超えちゃいますけど、しっかりとメンテナンスして頑張ってもらいます」

10代の頃からステアリングを握ることが日常で、レースやドリフトに近い位置で活動していたこともあって、メンテナンスの重要性もしっかりと把握している麗那さん。メンテナンスはドリフトドライバー横井昌志選手が営むレーシングガレージ『MCRファクトリー』にお願いしているそうだ。

「私のもとにやってきた時の走行距離は16万kmくらいだったので、しっかりとメンテナンスしなきゃと思っていたんです。だから昔から仲良くしてもらっていたMCRファクトリーの横井さんにすべてお願いしています。それに、ファンの方がエンジンオイルを贈ってくれたり…皆さんに支えられながらプリ夫さんの健康が保てているんですよ」

内外装ともにシンプルかつ綺麗に掃除されている様子からは、しっかりと愛情を持って乗っていることも伝わってくる。
「プリウスって、運転していると包まれているようなデザインで安心感があるんです。それに、いろんなスイッチも手が届く範囲に設置されていて、すごく操作しやすいんですよね。ソアラも良いクルマで大好きだったんですが、今は気を張らないで乗れるプリウスが一番のお気に入りですね」

「今現在は、アンバサダーを務めさせてもらっている、お出汁やスープの専門メーカーさんのPRイベントで、東海地方から九州まで巡っています。だから高速道路を走ることが多く、眠くなっちゃうこともあるんです。そんな時はすぐに最寄りのパーキングに入って仮眠をとったりするので、クッションやブランケットなどの仮眠グッズは必需品で、これらの物を余裕で積んでおけるスペースの広さは本当に助かります」

移動できる自室のような癒しの空間には、センターコンソールには現在活動の中心としている大阪にまつわるタコと、最近お気に入りになっているという名古屋名物の“ぴよりん”が、仲良く並べられていた。
また、基本的にクルマ移動をするのは片道2時間以内でカバーできるエリアとは言いつつも、九州などにも遠征することがあり、車内でPCなどを使うこともあることからAC-DCコンバーターも常備。移動オフィスとしての役割も果たしているのだ。
「大阪を拠点にしていると、オーバーツーリズムっていう言葉を実感します。電車やバスに乗ろうと思っても、大きなキャリーケースを引いた団体の方々と一緒になると、なかなか乗ることができないこともあるし、こちらもライブ機材を抱えていると、もうどうにもならないんです。だからプリ夫さんが居てくれて、改めてクルマがある生活って便利だなと感じています。クルマの中はプライベート空間だからのんびりできるし。だから基本的にはクルマ移動が多くなっちゃっているんですよね」

再びクルマを手にした時、想い出の詰まったソアラにもう一度乗りたいと考えたこともあったという。しかし、これから先の未来に広がる夢を実現するには、想い出をトレースしていては発展がない。そう言った意味でもプリウスは麗那さんにとって、一歩前進するための良き相棒と言えるだろう。
レーシングアイドルとして、さらに飛躍する敏腕マネージャーのプリ夫さんは、これからも麗那さんとともに西へ東へと走り続けるのだ。

(文: 渡辺大輔 / 撮影: 平野 陽)

※許可を得て取材を行っています
取材場所:米子駅前だんだん広場(鳥取県米子市弥生町2-20)

[GAZOO編集部]