『同行二人』を胸に。日本全市町村制覇を目指しひた走る日産・マーチ
神職資格を持つ在野の神話伝説研究家「高橋御山人さん」。全国津々浦々を愛車の日産・マーチで巡っているそうです。1度家を出ると1週間も戻らないことがあり、移動距離は5000kmを超えることもあるといいます。
現在は、日本全市町村踏破にも挑戦しているのだとか。高橋さんは、なぜマーチと全国を旅するのでしょうか?
今回は、「高橋さん」×「マーチ」のお話。
――全国を巡って旅や取材をしているとのことですが、遠かった場所はどこですか?
本土の東西南北端、東:納沙布岬(北海道)、西:神崎鼻(長崎県)、南:佐多岬(鹿児島県)、北:宗谷岬(北海道)は遠かったですね。全てこのマーチで自走して、到達したんです。北海道はガソリンスタンドが少なかったので、ガス欠にならないかヒヤヒヤしたのは今となっては良い思い出ですね。
――すごいです!東京から飛行機でも2~3時間かかる場所なのに、車でいくとは……。
あはは!確かにそうですね。このマーチで行っていない県は沖縄県だけです。沖縄だけは時間の問題があり、現地でレンタカーを借りて運転しました。
――なぜ旅に出ようと思ったのですか?
物心ついた頃から地図に興味があって、小さいころは絵本やマンガよりも地図をずっと眺めているのが好きでした。地形だけではなく、高速道路のジャンクションの形状を覚えるのも好きで、小学校3年生の頃から家族で出かける時は、母や6歳半年上の兄を差し置いて助手席に座りナビをしていましたね。
地図をみると、実際に行ったことのない場所の地形や道路が目に浮かぶというか、こういう地形だと、だいたいこんな景色になるんだろうなと想像するようになったんです。そうすると、そこが実際にどうなっているか確かめたくなって、旅を続けているという感じですね。
――確認するために旅に出てるんですね。では、日本全市町村踏破をしようと思ったのはなぜですか?
2014年に家族や友人と実際に訪れた場所の記録を集計したのですが、47都道府県の7割に足を運んでいたことが分かりました。その時に、どうせなら日本全市町村踏破をしてみようと思ったんです。
思い起こせば、日本全市町村踏破の起点は自動車免許を取る前の大学2年生の時ですかね。鉄道に乗って、折り畳み自転車を漕いで、野宿をした青森がきっかけでした。折り畳み自転車で津軽半島縦断とかしましたね。
ちなみに、それから踏破を進めて、あとは鹿児島のトカラ列島などの離島3村で日本全市町村踏破です。
――あと3村ですか!コンプリート寸前ですね!
それがこれからが大変で……。
絶海の孤島ばかりで、到達難易度が高い所ばかりなんですよ……。天候次第でフェリーが何日も欠航したりするので、島を渡るのに何日も待たなくてはいけないこともあるんです。
その逆で、島から出られず何日も逗留する可能性があるのでそれなりの準備をしなければなりません。
でも、あと少しなので頑張ります!ここまで一緒に走ってくれたマーチに感謝ですね。
――快適に移動するために、なにか工夫していることはありますか?
非常に高頻度で旅行に出かけるので、旅費削減ということで、車中で連泊できるように工夫していることですね。
後部座席を倒し、段差をスポンジなどで埋め、助手席と後部座席の空間は箱で埋め、その上にマットと布団を敷いて、対角線に寝る。こうすれば、身長175cmある私でもマーチで足を伸ばして寝られるんです。
――車中泊をするとなると、他の車種を検討したことはなかったのですか?
実は、このマーチは他界した父が買ったクルマなんです。なので、車種や色など自分自身の趣味は全く反映していないんです。青いマーチを見る度に、あっちの色の方がいいのになと、思っていた時期もありましたし(笑)。
そんなことを思いつつ、このマーチに乗り続けているのは、亡き父と一緒に旅に行っているかのような気持になれるというのもあります。実際に、乗っていて父のことが少しわかって来たような気がするんです。
――それはどんなことですか?
父は若い頃、風刺漫画家だった時代もあり、その後も絵を描き続けていました。山の麓の高原を走るクルマの絵をよく描いていましたよ。走りながら山を眺めるのも好きで、ドライブしながら「あれが〇〇山だ」とか山脈の説明を家族にしていました。
父は緑の中を走るクルマの姿を思い浮かべながら、絵を描くのが好きでした。このマーチは暖色。緑の中に、対照色となる赤系統のクルマが走っていれば映えるので、この色を選んだのだろうと思います。
確かに、マーチは私の使い方に向いているかと言えば、そうではないかもしれませんが、今あるクルマをどう工夫して楽しむか?と言うのもカーライフの醍醐味の一つだと思っているんです。
お父様もドライブや旅行が大好きだったと語ってくれた高橋さん。現在、走行距離が13万kmを超えたマーチですが、お父様は1000kmも乗らなかったといいます。
四国八十八カ所を巡るお遍路さんは、傘や頭陀袋に弘法大師(空海)と共に歩むという意味を込め「同行二人」と書きつけています。高橋さんの旅は、お父様が行けなかった地へマーチで連れていくという「同行二人」といえるのではないでしょうか。
共に歩む旅は、日本全市町村踏破達成も目前です!
[ガズー編集部]
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