ぶらり北海道車中泊。働き詰めだった僕の、新たなるカーライフ
高校時代に、友達と原付で北海道一周計画を立てたという「ヨシカズさん」。ところが、バイトの休みが取れずに、その計画は実行できなかったそうです。
綺麗な景色や美味しいものが好きなヨシカズさんにとって、北海道は一度は行ってみたい憧れの地だったのですが、いつか行こうと思ってはいたものの仕事に追われ、気付けば何十年も行けず終いで……。
今回は、ヨシカズさん×エブリイのお話をお届けします。
――すごいお仕事が忙しそうですね……?
そうなんです。高校を卒業して、18歳から35歳までトラックに乗っていたんですけど、なかなか休めなくてね。最後の方は現場責任者を任されていたので、あんまり休みもなくて……。
お盆、ゴールデンウィーク、正月はみんな休みたいだろうし、それなら僕が出ようという感じだったんですけど、そういう生活を何年もしていたら体を壊しちゃって、辞めて今の職場で働くようになったんです。
そうしたらね、週休2日制だし、ゴールデンウィークとかは1週間も休めるんですよ!もう、驚いちゃって(笑)。それと同時に、休みの日は何すればいいの?ってなったんです(笑)。
その時に思い出したのが、あっ!僕って北海道に行くという夢があった!ということだったんです。
――ついに、夢が本当になったんですね。
はい。最初に行ったのは5年前で、とくに計画を立てたという訳ではなくて、よし!行ってみよう!という思いつきでした。その頃は、エクストレイルに乗っていて、それで車中泊しながら色々な場所を巡りました。
次に行ったのは2年前で、その時の愛車であるムラーノで車中泊しました。永遠と直線が続く大地や地平線に沈む太陽、力強さを感じる海など、今まで見たことのないような景色を眺めると、やっぱりきてよかったなぁとすごく感動ましたね。
そして、また絶対に来よう!と思った僕は、あることに気付いちゃったんです。
――何に気付いたんですか?
やっぱり車中泊するとなると、SUVは大変だなって。
――ええええ!そこぉおお!?
薄々気付いてはいたんですけどねぇ~。
というわけで、車中泊に最適なクルマを探し始めると、荷物も沢山積めて、キャンプにも行けて、維持費も安いエブリイにたどり着きました。
前の座席を倒すと、後ろの広さが190cmもあるから足を伸ばして寝られるし、自動車税も安いし、燃費も良いんです。僕は静岡に住んでいて、青森の津軽海峡線フェリーまで920kmほど自走したんですけど、給油は1回だけでした。
1個難点を挙げるとすれば、軽バンなので乗り心地はムラーノとエクストレイルの方が良かったし、パワーもありました。ムラーノで行ったときは10時間で着いたところが、エブリイだと14時間くらいかかっちゃったから。
――14時間……。休憩もするし、やっぱりそれくらいかかりますよね。
休憩はほぼしてないですかね。去年の年末から年明けにかけて行ったときは、4回しかパーキングに寄ってませんから。そのうちの1回がご飯、1回が給油で20分くらい滞在したけど、それ以外はトイレに行ってすぐ出発という感じでした。
1週間しか休みがないから、移動で時間を潰したくないんですよ。それと、テンションが上がっちゃって眠くならないんです(笑)。
――それって、小学生が遠足の前の日の晩に眠れなくなるやつですね(笑)。
そうそう、それそれ(笑)。疲れとかそういうことよりも、これが噂のアイスバーンかー!すげー!!って興奮して忘れちゃうの。
なんだけどね、去年の冬の北海道車中泊旅は過酷過ぎました……。北海道に住んでいらっしゃる方も、こんなに雪が積もったのは何十年振りだってくらい積もってましたから。
夜にライトつけると、ガードレールとか信号とか、本当に一寸先が白くて見えないんです。あとは、パウダースノーだからガリガリに凍るとかではなく、雪に埋まって走れなくなるという怖さがありました。
――ううう、怖すぎる。
いや、僕よりも北海道民の人達の方が怖がってました。おそらく、雪に慣れていない静岡ナンバーが走っていたので、周りが気を使って随分車間距離をとってくれていました……。
――なるほど。別の意味の“怖い”ですね。
そうなんです(笑)。偶然にもその時、静岡ナンバーのエブリイを見付けたんですけど、あの人も車間を取られてるんだろうなぁと何ともいえない気持ちになりました(笑)。もう、北海道ナンバーに替えちゃおうかな。
――っということは、これからも北海道車中泊旅は続くんですね。
もちろんです。僕にとっての車中泊って、別荘と同じ感覚なんですよ。宿の予約はしなくていい、ただ自分の好きな所に足を運んで、そこで過ごしながら日々の疲れを癒したり、ふと自分を振り返ったり、くつろいだりする。
見たい景色の側にクルマをとめてドアを開ければ素敵な景色が広がって、社内に気持ちいい風が吹くって最高です。こんなに贅沢な休日の過ごし方ってないなと、改めて思うから、やっぱりやめられないですよね。
――確かに。今の話を聞いていると、やめられそうにないですね♪
絶対に続くと思います!楽しいだけじゃなくて、色々なことを考えさせられるからというのもあるんですよ。
例えば、夕張市って廃墟だらけなんです。豪華なホテルが廃墟になってたりすると、どんな人達が泊まっていたのかな?新婚さんもいただろうし、家族で泊まっていた人もいただろうし……と、なんだか色々な思いが駆け巡っていくんです。
僕がそうだったように、楽しいことだけじゃなくて辛いこともあるけど、またどこかで生きてるんだろうなと。大袈裟だけど、そういうのを考える時間があるのも、この旅の魅力ですね。
旅には必ず発見と出会いがある、そんな素敵な旅に憧れますよね。ヨシカズさんにとって車中泊旅は、今までの時間を埋めるように充実していると話してくれました。
今年の年末も、エブリイは北海道の地を走り、新たな発見と癒しをヨシカズさんにもたらしてくれそうですね。
【Twitter】
ヨシカズさん
(文:矢田部明子)
[GAZOO編集部]
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