クルマ好きの父と楽しむ、34スカイライン
子供の頃からミニカーが大好きだったという「てんたさん」。ここまではアルアルな話ですが、スカイラインというクルマの認識がないにも関わらず、何故か集めるのはスカイラインばかりだったとのこと。
ライトの形、ボディライン、ボディーカラーの全てが、てんたさん好みだったのだそうです。そんなスカイラインに、免許を取って乗ることになったのですが……。
今回は、てんた さん×R34スカイライン のお話をお届けします。
――スカイラインが大好きなのですね。
何で好きか?って聞かれたら、そこに理由が無いくらい好きなんですよ。小さい頃も、スカイラインって分かっていないのに、無意識でスカイラインのミニカーばかり集めていたくらいでしたから。
全部好きで、片時も離れたくないんですよね〜。
――片時も離れたくないとは、スカイラインに沼ってますね(笑)。
そうなんです。休みの日は箱根や伊豆にある温泉にドライブに行ったり、仕事が終わって時間が出来ればちょっとでも乗ったりとか、しょっちゅう一緒にいたいんですよ。
みんなに笑われたのは、ドライブから帰ってきて、家の駐車場にクルマを停めるじゃないですか。それで、そのまま降りるのが名残惜しくて2時間くらい車内で仮眠をとるんです。
シートがほぼ倒れないから体勢はキツいし、家はすぐそばにあって2階に上がればベッドで寝られるんだからやめなよって言われます(笑)!
――……。重症ですね(笑)。しかし、シートが倒れないのは辛いですね〜。
何言ってるんですか!?そこも良いじゃないですか!今度から少しでも寝心地を良くするために、光が入らないように段ボールを窓の形で切って、ガムテープでとめようと思っています。遮光カーテンならぬ、遮光段ボールですね。
――なるほど。これは思った以上に重症ですね……
あはは(笑)。そうかもしれませんね。幼稚園の頃から追いかけていたクルマだったから、長年の片思いを叶えた!という感覚なんですよね。
――購入しようと思ったキッカケは何だったのですか?
社会人になって働くようになって、お金の都合がついたからですね。
――旧車ブームとあって価格はどんどん上がっていますし、個体は見つからないしで大変だったのでは?
そうなんです。僕は18歳で会社に入ったんですけど、その時は車両価格が220万くらいだったから、とりあえず1年間は頭金を貯金して来年買おうという段取りでいたんです。
で、いざ調べてみると300万を超えていて、個体も全然見つからなくて……。どんどん価格も上がっていくし、手に入らなくなるかもしれないから、結局フルローンで買っちゃいました。
――それはそれは……。でも、見つかってよかったですね!
会社の先輩達にクルマ好きが多いんですけど、理由を話したら、そういうことならと協力してくれたんです。改めて思いますが、それが本当に心強かったですね。
僕がネットで探した店について来てくれて、一緒にLEDライトで下周りの錆を見てくれたんですよ。関東近辺の店に20軒くらい足を運んで、その店に行く途中に34スカイラインを置いているクルマ屋さんがあったら、行ってみよう!って寄り道してくれたりとか。それで見付けたのが、今乗っているスカイラインでした。
――購入の決め手は何ですか?
フルノーマルだったから、ですね。スカイラインって、GT-Rっぽくカスタムしている個体だとか、とにかく何かしら手を加えている個体が多いんですけど、僕が欲しかったのは昔ミニカーで遊んでいた、あの見た目のスカイラインだったんですよ。
ちなみに、カスタムしている個体も好きですし、ノーマルも好きです。僕の中で、スカイラインといったらコレだろ!というのが、フルノーマルだったというだけです。
――個人的な意見になってしまうのですが、フルノーマルとは思えないくらいカッコイイデザインですよね。
そうなんですよ!めちゃくちゃいじってるね!って言われるんですけど、実はこれ、車高調とホイールを変えただけなんです。
ホイールはね〜、かなり頑張ったんですよね〜。オシャレは足元からということで、ちょっと……、いや、すごく……奮発して、レイズTE37のホイールを履かせています。
父もクルマ好きなので、変なのを付けるとダサいって言われちゃうから、純正のデザインを邪魔しないように、且つ、カッコよく見えるような物を選びました。
――お父様もクルマ好きなのですか?
そうです。僕がクルマ好きになったのは、完全に父の影響ですから。父も最初のクルマがスカイラインだったらしく、懐かしいのか週に1回くらい僕のスカイラインでドライブに出かけていきますよ(笑)。
僕は1週間に1回必ず手洗い洗車をするんですけど、父も乗った後に洗車をするから、週に2回も洗われて常にスカイラインはピカピカです(笑)。
――親子で楽しんでますね!
そうなんですよ。僕がスカイラインを維持出来ているのは、父のお陰でもありますから。
――と、いいますと?
ココをいじるなら、ココもやった方がいいよ〜とアドバイスをくれたり、耐熱塗料をブレーキに塗ってくれたり、突然電話がきたと思ったら、「クルマの中古パーツ屋さんに来たんだけどさー、ヘッドライト売ってるよ。折半して買う?」とか。
父に郵便物が届いていたから伝えると、「あぁ、スカイラインのステッカーね」って言うんです。それを聞いた時は、流石に笑っちゃいました(笑)。
――心強すぎるじゃないですか!
そうなんですよ。「車検代を半分払うから、お前はインタークーラーを付けろ!」とか、もはやどっちのクルマか分からないことを言ってきますからね(笑)。
とにかく、父はスカイラインが大好きなんです。純正のバンパーを買って家の前に置いておいたら「家の中に入れちゃえよ」って、押し入れを掃除し始めますから。だから、家の押し入れには、純正のバンパーやシートがはいってます(笑)。
お父様も可愛がってくれているスカイラインは、絶対に手放さないと話してくれた てんたさん。何らかの理由で違うクルマに乗る状況になったとしても、車庫保管をするそうです。
これはあくまでも推測ですが、それは、クルマ好きのお父様のためでもあるかもしれません。
というのも、取材中に「自分の乗りたかったクルマではあるんですけど、父がすごく楽しそうなんですよね。それも嬉しいかな」と優しい声で話していたからです。
父と息子で楽しむスカイラインライフは、これからが本番です。
(文:矢田部明子)
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