ハコスカ 昭和44年式に16年、ハコスカ昭和47年式に21年。生涯の伴侶となった、最高のクルマ
週刊ヤングマガジンで連載された、「シャコタン☆ブギ」という漫画にハマっていたという「丸島さん」。簡単に説明すると、80年代のヤンキー漫画で、クルマと遊びに明け暮れる若者達の青春の1ページという内容だったそうです。
作中に登場する主人公はソアラに、2枚目キャラの整備士がハコスカに乗っていたため、いつかはハコスカを愛車に!と憧れたとのこと。
今回は、丸島さん×ハコスカ のお話をお届けします。
―――シャコタン☆ブギって、映画化もされていませんでしたか?昭和、懐かしの映画特集みたいなので見たことがあります
そうそう!それです!高知県が舞台で、ヤンチャな人達が集まってレースをするという内容なんですけど、ライトを変えたり、マフラーを大きくしたり、ガチガチにシャコタンにしたりといったクルマが登場するんです。
僕はその漫画に出てくるジュンちゃんに憧れて、免許を取ったらいつかハコスカに乗るぞと思っていました。
―――で、現在に至るわけですね
そうです。ただ、愛車として迎え入れたのは、昭和44年式が16年前、昭和47年式が21年前なので、大人になってからなんですけどね。
最初の愛車はR32で、それに10年間ほど乗りました。スカイラインはスカイラインということで、なんとか……(笑)。
―――そこから、ハコスカに乗り換えるキッカケは何だったのですか?
R32のエアコンが壊れて乗り替えを余儀なくされたのと、ちょうどその頃、1年車検ではなくなるなど所有する上でとても有利になっていたんです。なにより、子供の頃からの憧れのクルマだったし、今しかない!とオーナーになることを決意しました。
昔はネットなんて無かったから、雑誌で良い個体を見つけては、千葉に1時間かけて行ったこともあったな〜。
でも、結局1台目(昭和47年式)は専門店で、2台目(昭和44年式)はナンパが成功して購入する運びとなったんですけどね。
―――ん?ナンパ?
そう、ナンパ。乗り始めると、年式の違いや、マイナーチェンジ後にどこが変わったかを勉強するようになった僕は、昭和44式が、いかに希少価値の高いモデルなのかが分かり、その魅力にハマっていったんです。
欲しいと思って探したんですけど全然見つからなくて、どうしたものかと思っていた矢先、ツーリングの時に昭和44年式のハコスカに乗るオーナーさんに出会ったというわけです。で、ナンパしました。
―――このあと、ご飯食べに行かない?的な?
ん〜、近いものはあったかもしれません(笑)。とにかく、その人ばっかりに話しかて、自分をアピールしました(笑)。もしも手放すときは連絡を下さい!と、携帯番号を渡してね。
それから何年かして連絡がきて、僕がオーナーになることが決まりました。
―――最近、旧車の取材をさせて頂くことが多いですが、4ドアのこの型は初めて見ました!本当に希少なんですね
実際、イベントなどでもそう言って頂くことが多いです。
というのも、昭和44年式というのは初期型で、1年しか作られていないモデルなんです。加えて、1年後の昭和45年式とは結構仕様が違っていて、マニアの間では“コストがかかっているハコスカ”なんて言われていたりもします(笑)。
―――1年で、そんなに変わるものなのですか?
ええ、かなり違うと思いますよ。例えば、エンジンは同じL型なんですけど、僕のは“かまぼこヘッド”というやつだったりとか。
あっ!だからって、特に性能が優れているとかはないんですけどね……(笑)。むしろ、生産数が少ないから部品が手に入りにくく修理が大変で、昭和45年式のに載せ替えるという人が多いくらいなんです(笑)。
ん〜、ほかには、バックランプの枠部分が赤く光るデザインになっていたりとか、内装に木目調の部分が多くTHEクラシックカーっぽかったりと、ちょっと特別感がありますよ。
―――なるほど。パッと見て、あっ!違う!ってなりますね。
面白いのは、よ〜く見ると、ハザードスイッチやシガーの色が白や黒だったり、昭和44年式だとアルミプレートが埋め込まれているなど、間違え探しみたいに次々と違った箇所が出てきます。
乗り始めて何年かは、あっ!ここもだ!と気付くことがありました。雰囲気、デザイン、人とはちょっと違うという優越感に浸れるのも気に入っているポイントですね♪
――お話を聞いていると、好きなクルマに乗れるって良いな!って、すごく感じます。
まさにその通りで、だから長い間オーナーでいられるんですよ。最初に乗ったR32は本当によく出来たクルマで、それと比べてしまうと、重ステ、ブレーキは効かない、ゴルフに行く途中に止まるなど、大丈夫かなと心配になることもあったけど(笑)。
今ではそれが楽しめるし、ハコスカだから味わえる魅力にハマっています。ちょっと頭を悩まされることもあるけど、それ以上の充実感を与えてくれる大切なクルマです。
2ドアと4ドアで外観もかなり違うし、維持の仕方も大分違うと話してくれた丸島さん。
昭和47年式の方は、エンジン載せ替えたり、ハコスカのレアな部品を付けまくるといった改造仕様に。
昭和44年式は、ありのままを生かすために、純正にどんどん近づけるといった感じで維持していきたいということでした。
それぞれ個性の違うハコスカたちは、これからも丸島さんに愛され、どのような時を共にしていくのか、またお話を伺ってみたいと思います。
(文:矢田部明子)
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