日産・スカイラインの虜になった、クルマに全く興味が無かった青年の物語
現在24歳であるスナガネさんの愛車は、96年式 日産・スカイライン GTS25タイプS (ER33)。
初めての愛車はセリカで、その後はカローラレビン、クレスタなど、数々の国産車に乗ってきたという。
最初は全くクルマに興味が無かったという彼が、旧車の中でも比較的新しいネオクラシックカーに惹かれ始めたのは、高校生の頃に見た“母親のアルバムの写真”だったといいます。
彼の愛車がスカイラインになるまでには、一体どんな経緯があったのでしょうか。
今回は、スカイライン×スナガネさんのお話です。
――スカイラインとはいつ出会ったんですか?
2年前の今頃(6月中旬)ですね。ほぼ今日が2周年なんですよ。
――なんという偶然!なんだかこちらまで嬉しいです。どういう出会い方だったんですか?
当時の僕は、AE111カローラレビンに乗っていたんですけど「知り合いがスカイラインを売りに出しているんだけど、どう?」って友達に聞かれたんですよ。それが今のスカイラインなんです。
その時は、カローラレビンが気に入って乗っていて、ある日、友達にオールペンをしてもらう運びになったんですよ。同じ色でオールペンして、綺麗になって帰ってきたのを見た時、嬉しい反面、なんかモヤモヤした気持ちがあったんです。
というのも、元々のボロかった姿が、どうやら自分的に気に入っていたみたいで…(笑)。
とても贅沢な話なのは重々承知なんですが、しっくりこなかったんですよね。
――その時にちょうど、スカイラインのお話が来たってことですね?
そうなんです。レビンはスカイラインの話が出てこなかったら乗り続けていたと思いますが、スカイラインのお話を聞いて、ビビッと来ちゃったんですよね。値段も思ったよりめちゃくちゃ安かったんですよ。
当時からクーペが好きでしたし、何よりも想像以上にお安くしていただいたので、結局レビンは大切に乗ってくれそうな知り合いに譲って、スカイラインを購入しました。
――突発的といいますか、急展開な出会い方だったんですね。
オークションで買おうとしても、結構高いですし、手の届く範囲のクルマに乗るというのが自分のルールだったので、それも合致していたんですよね。
――当時はどんな車種が好きだったんですか?
トヨタのセリカが好きで、初めての愛車でもあったんですよ。
だけど、事情があって手放してしまいました。今でもセリカは好きで、他の人のセリカを見るだけでも満足しています。
――スナガさんは幼少期からクルマが好きだったんですか?
実は、高校生くらいまで、クルマに全く興味が無かったんです。
ある日、母の昔のアルバムを見る機会があって、母が新車で乗っていたセリカとの2ショット写真を見たんですよ。その時「なんだ!?このクルマは!?」って思って(笑)。丸目で4つ目だったんですけど、ちょっと気持ち悪いと思っていたんですよ。
――えっと…。「カッコ良い」ではなかったんですか?
初めて見た時は、ボディもずんぐりむっくりしているし、良さが分からなかったんです。
その後、しばらく経ってもう1度見た時、めちゃくちゃカッコ良いな!と思ったんですよね(笑)。それで勢い余って、免許を取得してセリカを購入したというわけです。
――じゃあお母様のセリカは、旧車に惹かれ始めるきっかけでもあったわけですね。
そうですね。母のセリカを見た後も、カッコ良いなって漠然と思っていたんですけど、専門学校に入った後、仲良くなった人が旧車に乗っていて、乗せてもらったんですよ。その時に「やっぱり旧車って良いな」って実感したのも、惹かれ始めるきっかけでした。
――具体的に、どういうところにグッときたんですか?
惹かれる理由は…何でなんだろう…。多分、現代のものよりもシンプルだからなのかな。それがすごく魅力的に感じるんです。もちろん今のクルマも好きなんですけど、やっぱり昔のものってクルマに限らず、言葉では言い表せない独特な雰囲気があるんですよね。
元々、ロードバイクにも乗っていて、それも91年式くらいのものだったんです。乗っているうちに、すごくカッコ良いなとか、特別感を感じました。
――これまでカーライフを送ってきた中で、クルマの好みの変化はありましたか?
好みがガラッと変わったりはなかったです。4つ目のセリカを街中で見ると、やっぱりカッコ良いなと思いますし。
と言いつつもスカイラインに乗るようになって、スカイラインもすごく良いクルマだということに気付きましたよ。
ボディが長いから、少し動きが乱れても、サクッと立ち直ってくれるんですよ。ハンドルで修正を加えると勝手に戻ってきてくれる感覚というか。
とにかく運転することでポテンシャルを発揮することに気付いたんです。エンジンの回る感触もすごく気持ち良いし、オートマではあるんだけど、ギアを落として加速すると、しっかりとパワーがある加速というか、すごく気持ち良いんですよね。
――初めてスカイラインに乗った日のことは覚えていますか?
もちろん覚えています。納車されてすぐ、友達に見せびらかしに行きました(笑)。
その時に感じたのは、意外とシートの位置が高いなとか、ハンドルがちょっと遠いなっていう、当時はそこに新鮮味を感じました。
あとは、エンジンの感覚ですかね。元々トヨタのクレスタにも乗っていたんですけど、その時の感覚に似ているなって思いました。同じ直列6気筒のFRなので似ていると感じたのかもしれないです。
――スカイラインとの印象的な思い出はありますか?
恥ずかしいのですが、スカイラインに乗り始めて、恋人ができたことでしょうか。
今でも、デートに行くとなると、ほぼ必ずスカイラインでドライブしています。というのも、恋人も、このスカイラインを気に入ってくれているんです。
――恋人もクルマ好きだったということでしょうか?
元々、頭文字DというアニメのR32型のスカイラインが好きだったみたいで、スカイラインと言ったら黒みたいなのがあったみたいです。絵を描いてくれたり、キーホルダーを作ってくれたりもして、スカイラインは特別な存在になりつつありますね。
――2人に愛されているわけですね!ところで、スカイラインの内装でお気に入りポイントはありますか?
エンジンを切っている状態の、スピードメーターとタコメーターが水平なところですね。ここがスカイラインらしいなっていうか、カッコ良いと僕は感じます。
あとは、メーター部分からセンターコンソールまで、運転席の方を向いてるんですよ。それも気に入っているポイントです。
――なんだかんだ、スカイラインの全てに虜なわけですね(笑)。
結局そうなっちゃいましたね(笑)。例えばお店の駐車場に駐車して、お店の中に入る時、何回も振り返っちゃうくらい、エクステリアもめちゃくちゃ気に入っています。
特に、目つきと、テールランプの4つ並んでる所がカッコ良いんですよね。遠目から見た時のスタイルも、抜群にカッコ良いです!
――振り返ってみて、スカイラインはどんな存在になりましたか?
お金がかかるというのは確かにそうだけど、それでもずっとそばに置いておきたいですね。たまに、特に用が無いのに、ただドアを開けて閉めるみたいな、よく分からないことをしているんですよ(笑)。そのくらい夢中な存在というか……。駐車場まで見に行ってカッコ良さを確認するみたいな。そういうことをしてしまうくらい、好きなんだと思います。
最初はスカイラインって維持しづらいのかなって、身構えていたんですけど、意外とそこは、周りの手助けのおかげもあってやっていけているので、その人たちにもとても感謝しています。
「今となっては僕の相棒です(笑)。」
どこか気恥ずかしそうに、少し笑いながらそう言ったスナガネさんでしたが、
彼の言葉通り“自慢の相棒”を紹介するように、力強く話してくださりました。
まだまだ始まったばかりのスカイラインとのカーライフ。
スナガネさん×スカイラインにはこれからどんな出来事が待っているのでしょうか。
想像するだけで、なんだか筆者までワクワクしてしまいます。
(文:秦 悠陽)
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