27年間トヨタ車一筋、中学生の頃から憧れた初代ソアラに行きつく
「今まで乗ってきた愛車は全てトヨタです。」
そう語るのは、これまで約10台のクルマに乗られてきた、今年45歳になるあんパンチさん。
18歳の時に運転免許を取得し、初めての愛車に80スープラを迎える。
その後100系チェイサー、カローラレビン(AE92)、クラウンエステートと乗り換えてきたという。
現在の愛車はソアラ(MZ12)、マークⅡ(GX71)、220系クラウンの3台だというが、その中でも特に思い入れのある、1985年式のソアラ 3.0GTリミテッド(MZ12)のお話を伺いました。
今回は、あんパンチさん×ソアラのお話です。
――たくさんのトヨタ車に乗られてきているんですね!あんパンチさんがトヨタ車にこだわる理由をお聞きしても良いですか?
父親がクルマ好きで、トヨタ自動車で働いていたんですよ。なので、小さい頃からトヨタのクルマに乗ったり、一緒に洗車したり、ドライブや旅行をよくしていたんです。そういう幼い頃の経験が影響してか、ずっとトヨタのクルマが好きですね。
――お父様との思い出の中にトヨタのクルマがあったわけですね。大人になったらトヨタ車に乗りたいと、その時から思っていたのでしょうか?
そうですね。当時、父親のクラウンに乗っていた時の事を覚えているのですが、クラウンって良いなっていうのは、既に思っていましたね。乗り心地や形、エンジン音がとても好みでした。
父親が新しいクルマを買う時も、一緒にカタログを見て、このグレードが良いとか、この色でオプションを付けてとか、父と一緒にボールペンでなぞりながら決めたのを覚えています。
――今乗られているソアラとは、どういう出会いだったんですか?
元々ソアラが好きで、行きつけの車屋さんに探して欲しいとお願いをしていたんですよ。
というのも、そこのお店にたまたま10ソアラが置いてあって、初めて実物のソアラを見た時に、めちゃくちゃカッコ良いと思ったんですよね。
――そもそも、その前からソアラにずっと乗りたいと思っていたんですか?
中学生、高校生くらいからずっと気になっていたんですよ。運転免許を取る前に、父の知り合いにも頼んで、ソアラを探してもらっていたんですけど、なかなか良い個体が無くて…。
そんな中、80スープラだったら、状態が良いのがあるのを知り、それで最初にスープラを買ったという感じです。
――今ソアラに乗られているということは、スープラを購入後も気持ちが収まらなかったんでしょうか。
ソアラに乗りたい気持ちは、確かに強かったですね。
当時、父親の職場の人が20ソアラに乗っていて「このクルマどう?」って聞いてくれたんですけど、実物を見た時に、私が思う希望の状態ではなかったんですよね。それで中々タイミングが合わず、良い個体に巡り会えなかったんです。
その時は「早くマイカーが欲しい!」という気持ちもあって「もう待てない」ってなってしまって(笑)。それで、80スープラにしたという感じです。
――スープラの後、数々の車種に乗り換えたとのことですが、今のソアラを購入するきっかけは何だったんでしょうか?
確か5、6年前にテレビ番組で旧車を見たんです。その時「旧車って良いな」って、自分の中のブームが再燃した感じでしょうか。
最初は、お金が掛かるしなあっていう懸念があったので、様子を見ていたんですよ。その後、意外と許容範囲内かもしれないと分かり、今のマークⅡとソアラを探し始めましたね。
――どういう条件でソアラを探されていたんですか?
候補は、3.0GTリミテッドか、中古車で初めて見た10ソアラと同じグレードの2.0GTツインカム24も良いなと思っていたんですよね。そんな中、ネットで見つけたのが状態の良い、3.0GTリミテッドだったというわけです。
――ソアラを購入後、1番最初に乗った時のことは覚えていますか?
覚えています。車内の匂いが、新車なのかと疑うくらい良い匂いがしましたね。
そして、運転するとトルクがあって乗りやすく、これはよく走るクルマなんだなと感じました。シートの乗り心地も良くて、足回りも適度にソフトでね。
あとは窓が今のクルマよりも、傾斜があるので、視界が良くて見やすいなっていう印象でした。ボンネットの形状が運転していると見えるのも、今のクルマには無い感覚で、気分良く運転したのを覚えています。
――他にもソアラならではの魅力ってありますか?
いっぱいあります(笑)。まずはあの角ばったデザインですよね。
それと、デジタルメーターも好きです。ソアラってメーターの中にマルチビジョンっていう、ブラウン管のテレビが埋め込まれているんですよ。アナログテレビのモードに切り替えると、トランクの両サイドから、テレビ用のアンテナが電動で2本伸びるんですけど、それがクルーザーみたいでカッコ良くて気に入っています。
ソアラは発売されてから40年近くになる古いクルマなので、マルチビジョンが壊れちゃっている個体が多いらしく、機能するクルマは貴重だと言われているんですよ。イベントとかに行っても注目していただけるのが1番嬉しいですね。
――今までで1番印象的なソアラとの思い出はありますか?
実は、このソアラを買ってイベントというものに初めて参加したんですよ。その初めて参加したイベントで「最優秀賞2ドア賞」というのを受賞したんです。それはもうめちゃくちゃ嬉しかったですね。
――イベントに参加しようと思ったきっかけは何だったんですか?
知り合いに誘ってもらっていたのもあり、話を聞いて興味を持っていたんですよね。ネットで調べてみると楽しそうだなって思って参加を決めたんです。当日は、会場へ向かう道中での運転の楽しさや、その場で出会う人たちとの交流がこんなにも楽しいのかと、とても感動しました。
――今後やりたいことはあるんですか?
まだ行ったことのないイベントがたくさんあるので、それに参加することですかね。今の純正に近い状態を維持しながら、そういったイベントにも参加したいです。
――あんパンチさんにとってソアラはどんな存在になりましたか?
生きがいでしょうね。クルマが無い生活は本当に考えられない。あと、クルマがあるとそれだけで楽しみになりますし、ストレス解消とか気晴らしにもなるっていう。
そういった意味ですごく頼りになる存在ですよね。ソアラは今後も手放すつもりはないです。
「約40年前のクルマが元気に走っているんだよっていうのを、いろんな人に見ていただきたいです。」
ソアラが発売された当時を生きていた人には“懐かしい気持ち”に、旧車が身近にない若い人には“新鮮”に感じてくれたら嬉しいと、あんパンチさんは言います。
親子でトヨタのクルマに魅了され、お父様の世代からあんパンチさんに繋がったこのバトンはきっと、あんパンチさんの思い通り、また誰かへと繋がっていくのでしょう。
『人々を安全・安心に運び、心までも動かす』というトヨタの想いは、あんパンチさんをはじめ、多くの人々へ影響を与えているのだと、お話を聞いていく中で、実感する筆者なのであった。
(文:秦 悠陽)
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