「10年間探し続けた祖父の愛車」日産・プレセアは素敵なご縁も与えてくれた特別なクルマ



今回お話を伺ったのは、日産・プレセアを探し続けて10年、やっと出会うことが出来たという すたんざさん23歳。

人生で初めての愛車として91年式のプレセア(PR10) 1800Ct.Ⅱを選んだ理由には、特別な思いがあったのだという。

今回は、プレセア×すたんざさんのお話です。

――プレセアを好きになるきっかけは何だったんでしょうか?

元々、父がクルマ好きだった影響もあり、物心ついた時からクルマが好きだったんですよね。小学生になり、大体のメーカーが分かるようになった頃、祖父が乗っていたのがプレセアだったんです。祖父は1990年に購入し、20年近く乗り続けていました。

幼少期、祖父の家に行くとプレセアで近場にドライブに連れていってくれたので、なんとなく私も愛着を感じていたんですよね。自分にとって日産車=プレセアみたいなイメージを持っていたのは、祖父のプレセアの影響でした。

――今乗られているプレセアはお祖父様と全く同じプレセアなんでしょうか?

はい、まったく同じ仕様なんです。昔からずっと、免許を取ったら同じ型のクルマに自分も乗りたいなって思っていたんです。

オプションでリアスポイラーが付いていたんですが、それも同じだったので、見つけた時は「もうこれしかない」と思いましたね。

――すたんざさんは日産車が好きなんですか?

そうですね。でも、中学生くらいまでは日産一辺倒というわけではなかったんですよ。

愛知県に住んでいた頃、名古屋市の栄に日産名古屋ギャラリーがあったんですが、そこでジュークを初めて見て、かなり攻めたデザインとそのユニークさに小学生ながらに驚きました。

そこから日産好きが加速していった感じですね。

――全く同じ仕様の車両を見つけられたのは本当にすごいことですよね。

令和になって、まさか祖父が所有していたのと同じ仕様の個体に出会えるとは夢にも思ってなかったです。10年来探し続けていたので、とにかく感動しました。

――すたんざさんは、プレセアのどの部分に特に惹かれていたんですか?

夜になるとメーターが青くボヤッと光るところとか、外装があっさり素朴なデザインなところが好きですね。

祖父のクルマでドライブに連れて行ってもらっていた2005年頃、その頃のクルマとプレセアを比較するとデザインが全然違うことを感じていたんです。
後部座席から光るメーターを眺めていた風景とかは、今でも鮮明に覚えています。

あと、祖父のプレセアで私のお宮参りに行く道中のホームビデオを大人になって見て、自分とプレセアのつながりを感じたんですよね。私にとって特別なクルマなんです。

――こうして出会えたのは正に運命といっても過言じゃないですね。他にも気に入っているポイントってあるんでしょうか?

祖父は長野県に住んでいたんですが、県内のディーラーのステッカーが貼ってありました。偶然にも、今回購入したプレセアも長野県で乗られていた車両で、店舗は違うんですけど、祖父のものと同じディーラーのステッカーが貼ってあったんです。だからそのステッカーをとても気に入っています。

――自分のプレセアに初めて乗った日のことを聞かせてください。

プレセアの車内に乗り込む機会は祖父のプレセア以降全くなかったので、ワクワク感と、故障したらどうしようっていう不安の気持ちがあったのを覚えています(笑)。

いざ乗り込むと、やっぱり懐かしいっていう気持ちでしたね。
記憶が鮮明に残っているわけではなかったんですけど、シートの風合いとか、後席の狭い感じ、この感覚はずっと自分の記憶にあったんだなって思いました。

――プレセアに乗って、一番印象的だった出来事はなんですか?

私が乗る前のオーナーさんとつながることができたことですね。

思い入れがあるクルマなので、感謝の気持ちを伝えたいと強く思い、購入後半年くらいで手紙を出しました。そうしたら、お返事までくださったんですよ。

――お返事はどんな内容だったんでしょう?

どうやらご年配の夫婦が乗られていたようで、かなり大切にされていたクルマだったということが分かりました。手放してからは「部品取りにされるかもしれない」っていう不安があったみたいで「廃車になるんだろうな」って、寂しい思いをされていたようでした。

そんな中、私の手紙を見てくださり「大事にしてくれて嬉しい」という旨の返信をいただけたんですよ。

――なんて最高なお話なんですか!後のオーナーが すたんざさんで本当によかったです!実際にお会いはしなかったんでしょうか?

その後、ちょうど長野県に行く機会があったので、お会いすることもできたんですよ。

プレセアを見た時は喜んでくださって「こんなんだったね!」って懐かしんでくれました。プレセアに対する思い入れも、その時の会話や表情で感じることが出来て、私も感動しちゃいました。

今でも連絡を取り合っているんですが、まるで孫のような感じで接してくださっています。本当に感謝です。

――そんなプレセアとのカーライフは今後、どのように過ごしていきたいですか?

91年式で今年で35年目を迎えるので、日焼けとか塗装剥げの部分のリフレッシュ、足回りもへたってきているので、リニューアルしたいと思っています。

部品も買ったので、今年仕上げたいなって思っています。

基本的にはノーマルの見た目を壊さずに新車に近い状態を目指しつつ、これからもずっと乗り続けられたら良いなと思っています。

――今のすたんざさんにとって、プレセアはどんな存在になりましたか?

他のクルマでは味わえないような新しい景色を見せてもらっているので、他には変え難い1台だなって実感してます。

私のクルマ好き、日産好きのルーツが詰まった特別なクルマというのは、これからもずっと変わらないです。

街中を走っていると「懐かしいね」「このクルマなんですか?」と、ふと声をかけられることがあるという すたんざさん。前オーナーと会えたことや、プレセアから広がるコミュニケーションも楽しみの一つだと話してくれた。

プレセアは彼の中で思い出のクルマであったと話してくれたが、これから先も数々の新しいものも与えてくれる存在となり、彼にとっての“特別感”がさらに重なっていくのではないだろうか。

【Instagram】
https://www.instagram.com/excellent_stanza/

(文:秦 悠陽 写真:すたんざさん提供)

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