【トヨタ プリウス 新型試乗】本当に「現行プリウスは失敗した」のか?…渡辺陽一郎
◆「現行プリウスは失敗した」のか
ハイブリッドの主力車種は今でも『プリウス』だ。現行型は2015年に発売され、2018年の登録台数は1か月平均で9622台であった。小型/普通車の販売ランキングでは、『ノート』、『アクア』に続いて3位に入る。
ところがトヨタは、この販売実績では不満だろう。先代型は2009年に発売され、3年後の2012年には、1か月平均で2万6473台を登録していたからだ。同じ3年後でも、現行型の売れ行きは先代型の36%にとどまる。世間的にも「現行プリウスは失敗した」などといわれる。奇抜になった外観が販売低迷の原因とする見方も根強い。
◆注目すべきは外観だが
そこで2018年12月に、比較的規模の大きなマイナーチェンジを実施した。注目すべきは外観だが、フロントマスクは変わり映えが乏しい。『プリウスPHV』のように片側4眼LEDヘッドランプなどを装着すべきだったが、バイビームLEDヘッドランプにとどまった。リヤビューは縦長のテールランプが横長になり、違和感を抑えている。
内装では洗面台のように見えた乳白色のフロントコンソールトレイをピアノブラックに変えて、質感を向上させた。
先代型は保守的な雰囲気で絶好調に売れたから、現行型は革新的にして先代型とは違うユーザーの獲得を目指したが、良い効果は得られなかった。しかし個性的なデザインの限界を知る上では、良い経験になったと思う。
◆マイナーチェンジで選ぶ価値を高めた
走行性能では、従来型に比べて後輪の接地性が向上した。機敏に曲がるスポーティな印象は薄れたが、直進時を含めて安心感が増している。乗り心地も少し向上した。
装備では安全性を高めるトヨタセーフティセンスが全車に標準装着され、オプションだったSなどのベーシックなグレードでも、価格上昇を小額に抑えた。今までに比べて買い得になり、選ぶ価値を高めている。
■5つ星評価
パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。
(レスポンス 渡辺陽一郎)
ハイブリッドの主力車種は今でも『プリウス』だ。現行型は2015年に発売され、2018年の登録台数は1か月平均で9622台であった。小型/普通車の販売ランキングでは、『ノート』、『アクア』に続いて3位に入る。
ところがトヨタは、この販売実績では不満だろう。先代型は2009年に発売され、3年後の2012年には、1か月平均で2万6473台を登録していたからだ。同じ3年後でも、現行型の売れ行きは先代型の36%にとどまる。世間的にも「現行プリウスは失敗した」などといわれる。奇抜になった外観が販売低迷の原因とする見方も根強い。
◆注目すべきは外観だが
そこで2018年12月に、比較的規模の大きなマイナーチェンジを実施した。注目すべきは外観だが、フロントマスクは変わり映えが乏しい。『プリウスPHV』のように片側4眼LEDヘッドランプなどを装着すべきだったが、バイビームLEDヘッドランプにとどまった。リヤビューは縦長のテールランプが横長になり、違和感を抑えている。
内装では洗面台のように見えた乳白色のフロントコンソールトレイをピアノブラックに変えて、質感を向上させた。
先代型は保守的な雰囲気で絶好調に売れたから、現行型は革新的にして先代型とは違うユーザーの獲得を目指したが、良い効果は得られなかった。しかし個性的なデザインの限界を知る上では、良い経験になったと思う。
◆マイナーチェンジで選ぶ価値を高めた
走行性能では、従来型に比べて後輪の接地性が向上した。機敏に曲がるスポーティな印象は薄れたが、直進時を含めて安心感が増している。乗り心地も少し向上した。
装備では安全性を高めるトヨタセーフティセンスが全車に標準装着され、オプションだったSなどのベーシックなグレードでも、価格上昇を小額に抑えた。今までに比べて買い得になり、選ぶ価値を高めている。
■5つ星評価
パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。
(レスポンス 渡辺陽一郎)
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