全日本ラリー第7戦ラリー・カムイ 勝田範彦がGRヤリスでのTGRワークスチーム初勝利を飾る
7月2日(金)~4日(日)、全日本ラリー選手権第7戦「2021 ARK ラリー・カムイ」が北海道のニセコ町を拠点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の勝田範彦/木村裕介組が、TGRワークスチームとして、「GR YARIS GR4 Rally」の7戦目で初勝利を飾った。
<2021 ARKラリー・カムイ JN1クラス最終結果>
1位 勝田 範彦/木村 裕介(GR YARIS GR4 Rally) 1:21:28.2
2位 新井 敏弘/田中 直哉(スバルWRX STI) +0.7
3位 鎌田 卓麻/松本 優一(スバルWRX STI) +32.9
4位 眞貝 知志/安藤 裕一(GR YARIS GR4 Rally) +3:08.4
5位 福永 修/齊田 美早子(シュコダ・ファビアR5) +3:24.5
6位 長江 修平/中岡 和好(三菱ランサーエボリューションX) +4:40.5
7位 石川 昌平/竹藪 英樹(トヨタGRヤリス) +5:29.4
8位 山本 悠太/立久井 和子(トヨタGRヤリス) +5:38.8
9位 松岡 孝典/高篠 孝介(スバルWRX STI) +5:57.3
10位 堀田 信/河西 晴雄(三菱ランサーエボリューションX) +6:08.0
参戦14台、完走10台
今季初のグラベル(未舗装路)ラリーとして行われたラリー・カムイ。スペシャルステージ(SS)には人数を制限しながらも観戦エリアが設置され、全日本ラリーとしては2年ぶりに有観客で開催された 。
ラリー初日、オープニングSSを制したのは鎌田卓麻/松本優一組。続くSS2、SS3は新井敏弘/田中直哉がベストタイムを記録して首位に立つ。SS4、SS5では勝田がベストタイムたたき出すが、最終SS6でベストタイムを記録した鎌田が、2位勝田に2.4秒差をつけて初日を首位で終えた。
2日目も鎌田、勝田、新井がベストタイムを奪い合う激しい展開に。勝田がSS7でトップに立つも、SS8とSS9でベストタイムを出した新井が首位を奪取。新井と勝田が同タイムでSS10を終える白熱の展開のなか、SS11でベストタイムをだし再びトップを奪い返した勝田がSS12もベストタイムで走り切り、0.7秒差という超僅差ながらTGRワークスチームとしてのGRヤリスで初勝利を挙げた。
<豊田章男 チームオーナーコメント>
GRヤリスがTOYOTA GAZOO Racingというワークスチームで競技参戦するのは全日本ラリー選手権だけです。
3月の新城ラリーから参戦が始まり、5回目の挑戦となる「ARKラリー・カムイ」で、ようやく勝利することができました!
勝田範彦選手、木村裕介選手、“ワークスのGRヤリス”を初めて勝たせてくれてありがとう!
先週、ケニアで表彰台に立った息子の勝田貴元選手と、ややこしいので、範彦選手をあえて普段通り“範さん”と呼ばせていただきます。
範さん!やっと勝利することができて、ホッとしていると思います。私もホッとしました。
ずっとSUBARUで勝ち続けてきた範さんですが、私からの無理なお願いを受け入れてくださり、数年前からGRヤリスの開発に参画してくださっていました。
そして昨年「そのままGRヤリスで全日本ラリーに乗ってもらえないか?」「GRヤリスをこれからも鍛え続けてほしい!」と、さらに無理なお願いをしました。
SUBARUに大きな恩義を感じている範さんは、迷われながらも、また私のお願いを聞いてくださいました。
そんな中で迎えた初戦は、序盤でエンジンブロー…。
TOYOTA GAZOO Racingで走る初めてのラリーで、戦えるクルマを用意できず本当に申し訳ないことをしました。
それでも「初戦で好結果が出ていたら、そこに安心してしまっていたかもしれない。この悔しさがきっと好結果につながるはず」と言ってくださいました。
そして、ラリーの経験が少ないトヨタのメカニックやエンジニアを本気で鍛えてくださっています。
初戦の悔しさもあって、どうしてもエンジニア達は完走を狙った保守的な選択をしがちでした。
しかし範さんは、常に新しいチャレンジをメンバーに促し、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の軸をブラさずにチームを引っ張ってくださいました。
それもあって今回まで、本当に苦しい戦いの連続だったと思います。
今回、勝てて本当によかった!おめでとうございます。そして、ありがとうございます。
ずっと一緒にGRヤリスをつくってきてくれた範さんが、TOYOTA GAZOO Racingのレーシングスーツを着て、GRヤリスに乗って、優勝したことが本当に嬉しいです。
これからもGRヤリスで一緒に戦い、トヨタを鍛えていってほしいと思います。よろしくお願いします!
追伸1
10年近く前、範さんの走りを見てモリゾウはラリーの楽しさを知リました。それ以来、範さん、お父様の照夫さん、貴元くん、勝田親子3代がモリゾウのラリーの先生です。教えていただいたのは運転の技術だけじゃありません。地域とともにクルマを楽しむラリーという文化の素晴らしさを教えていただきました。これからもラリー界の発展のため、そして自動車産業、自動車文化のために力を貸していただければと思います。
追伸2
この映像https://youtu.be/35aD0YUTgEIでWRCのシートを狙っていると言っていましたね。今日、一歩近づいたかもしれません。貴元選手も頑張ってくれていますのでお父さんもますますがんばってください!WRCでの親子対決を楽しみにしています(笑)
<勝田範彦(ドライバー)>
先ずはここまでの車両を作ってくれたエンジニアとメカニックに感謝したいです。最終日は、毎ステージ、コンマ台の接戦が続き、0.7秒差で勝ち切ることができました。私自身もライバルの選手も同じように限界まで攻め、最終的に勝つことができたと思っています。今回のラリーでGR YARIS GR4 Rallyの良い点、改善すべき点が見えてきました。次戦の横手に向けて、とても良いデータを持ち帰ることができたと思います。
[ガズー編集部]
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