大人から子供まで楽しめる富士スピードウェイ「ウェルカムセンター」で、モータースポーツの“いま”を体感しよう!

  • 大人から子供まで楽しめる富士スピードウェイ「ウェルカムセンター」で、モータースポーツの“いま”を体感しよう!
最近、富士スピードウェイの周辺エリアが大きく生まれ変わろうとしていることをご存じでしょうか?

2022年4月に正式に「富士モータースポーツフォレスト」プロジェクトの推進がリリースされ、これまでROOKIE Racingの新ガレージや、富士モータースポーツホテル、富士モータースポーツミュージアムなどがオープンしてきました。
今後も、新たなレーシングガレージや場外エリアに温浴施設・レストランなどが開業する予定で、ますますモータースポーツを中心としたさまざまな体験を通じて、大人も子供も楽しめるエリアになっていく予定です。
  • 『富士モータースポーツフォレスト』の全体イメージ

    『富士モータースポーツフォレスト』の全体イメージ

そして、国内トップカテゴリーで唯一の24時間レースとして、キャンプや飲食を楽しみながら観戦できる人気のレースイベントでもあるスーパー耐久第2戦「NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース」の予選が行われた5月26日(金)に、新たな施設がオープンしました。

その名も「ウェルカムセンター」です。

このウェルカムセンターでは「大人から子供まで幅広いお客様に、無料で気軽に楽しんでいただけるコンテンツをご用意しています」とあるように、さまざまな車両展示や体験コンテンツ、そしてモータースポーツファンならたまらないレーシングガレージ見学などが、なんと“無料”で楽しめるんです!
(※閉館や入場制限などがある場合がありますので、事前にご確認をお願いします。)

富士24時間レース中にこちらも取材させていただきましたので、どんなことが楽しめるのか写真多めでお届けしてきましょう!
 
  • ウェルカムセンターとROOKIE Racingのガレージ
  • ウェルカムセンターの目に前にシャトルバスの停留所

左の建物が今回オープンしたウェルカムセンターです。右の建物がROOKIE Racingのガレージですが、何やら2階が通路でつながっているようですね。

このウェルカムセンターの入り口の目の前にシャトルバスのバス停がありますので、レースの観戦に訪れた際にもアクセス良好です。

まずはエントランスに入ると、何やらレーシングコースのような路面に「Welcome」や富士山などのカラフルな絵が。
どことなくニュルブルクリンクっぽい雰囲気を感じますが、この新規オープンに合わせて、ROOKIE Racingやそれにつながるエポックメイキングな車両が展示されていました。

右上の写真は、2007年にニュルブルクリンク24時間に参戦したアルテッツァで、ROOKIE Racingの豊田章男オーナーが初めて「モリゾウ選手」として参戦したレース車両です。
左下は、2019年にスーパー耐久に参戦していた86ですが、この車両がクラッシュで大破してしまったことで、翌年からはまだ発売前のGRヤリスがスーパー耐久に参戦するきっかけになりました。
そして右下は2019年にタイで開催されているレース「Super Endurance 600min」に参戦した車両で、現在水素の社会実装に向けても一緒に取り組みを進めるタイと豊田章男オーナーのかけ橋となったクルマです。

そしてその奥には、2023年の1月に開催された東京オートサロン2023にて展示し話題となった、水素エンジンを搭載したトレノとBEV化されたレビンの2台のAE86が展示されていました。
そのエリアには、両手を広げたトヨタ自動車の豊田章男会長と佐藤恒治社長のパネルが。顔はめパネルも用意されていたりして、みなさん一緒に写真を撮っていましたよ。

  • 2階の手前からと奥から見たウェルカムセンター様子

    2階の手前からと奥から見たウェルカムセンターの展示エリア

人を育てることと支えてくれる存在への熱い想いと感謝

2階は吹き抜けになっていて、その2階から撮影したのがこちらの写真。オープンしたばかりできれいなのは当たり前ですが、開放感と立体感のある建物の造りがおしゃれですよね。

  • 上から見たROOKIE Racingのガレージ

    上から見たROOKIE Racingのガレージ

そして2階からつながるこちらの渡り廊下を進んでみると、なんとROOKIE Racingのガレージにつながるんです!
ご覧ください、こちらの広大なガレージを! このウェルカムセンターの開業で、モータースポーツファンにとって最もワクワクすることは、このROOKIE Racingのガレージで実際にマシンが整備されているところを見ることができることかもしれません。

今回はガレージの見学ツアー用にとっても整頓されていますが、普段はスーパー耐久のマシンも入り、それぞれのマシンが分解されて実際に整備が行われ、さまざまな音や会話が飛び交う「レース現場」の雰囲気が味わえるんです。

マシンを整備しているところ、マシンのいろいろな姿、上手くタイミングが合えば、タイヤ交換や燃料給油の練習をしているところも見られたりするそうです。
これが無料で見られるなんて、それだけでもここに来る価値がありますよね。

レーシングカーにはそれぞれのチームごとにオリジナルのアイデアがあって、知られては困ることもあります。
その辺りもどうするのかこれから実際に運用しながら決めていくそうですが、見学する際に注意してほしいことは、基本的に撮影禁止とのことですので、よ~く脳裏に焼き付けて楽しんでくださいね。ご来場の際は、スタッフの方に確認いただけると確実です。

メーカーの垣根を越えた人材育成を

そしてROOKIE Racingのガレージの2階の展示スペースには、豊田章男オーナーがなぜこれほどまでに走り続けるのか、なぜROOKIE Racingを作ったのかなどの解説をしてくれているパネルが展示されています。
パネルの作り方もメリハリ効いていて、色使いなんかもレース心をくすぐってくれます。

さらに、このウェルカムセンターは屋上が解放されていて、少し遠いですが、第3セクター(ダンロップコーナーからパナソニックコーナー)のレースを上から見ることもできます。
レースもそうですが、360度見渡せる大自然の様子を眺めているだけで癒されますし、なんと言っても富士山も稜線まできれいに見渡せちゃうんです。

それ以外にも、飲食エリア用の施設や休憩スペースが用意されていたり、クルマ好きの心をくすぐるデザインが至る所にあったりしますので、そういう発見も楽しみながらゆっくり過ごすのもいいかもしれないですね。

そして1階の奥のスペースで、今回は学研さんとコラボレーションした水素の体験コーナーが設けられていました。水素の発生する仕組みを学びながら、自分で作った水素でおもちゃのロケットを飛ばして遊べます。
そのロケットを左下写真の穴の中めがけて発射するんですけど、実は大人の方が盛り上がっちゃっていました。

  • 女性レースファン

この施設を体験していた2組のレースファンの方にもお話を伺いましたので、それもお届けしましょう。

まずはこちらの女子2人組。TGR TEAM ENEOS ROOKIEの大嶋和也選手と山下健太選手の大ファンとのことで、お二人も参戦しているスーパー耐久も観戦に。
たまたま推しのドライバーが同じでサーキットで知り合い、それから一緒に観戦するようになったということですが、大嶋選手と山下選手を「走れば速いけどトークショーとかは面白いギャップが好きで、応援したくなっちゃいます」とのことでした。

取材させてもらった時には決勝レースが始まって20時間以上過ぎていましたが、ちょっと仮眠をとった程度で、ほぼ起きてレース観戦していたそうです。

「サーキットの形のシールとか、お手洗いのマークが半分チェッカー柄になっていたり、細かいところまでとてもこだわっていてすごいなと思いました。こういうところが今まで富士スピードウェイになかったので感動しました」と満喫している様子。

  • レースファンのファミリー

そして、こちらの2組のご家族。左の男性は24時間レースの復活初年度からキャンプをしながら楽しんでいるそう。
「このウェルカムセンターはすごいなと思いましたし、鳥肌が立ちましたね。実際にレースに出ていたマシンとカーボンニュートラルのクルマが一緒に見られるのは、他ではないなと思いました。実際に走っているクルマがこういう感じなんだというのをイメージすることができますよね」

右の男性は今回で24時間レースは2回目とのことですが、「水素社会の可能性を、実際にクルマを見ながら感じられて、未来に想いを馳せたりしながら楽しんで見ることができました」とのことでした。

お子さんのお二人も、
「壊れたクルマとかきれいなクルマとかいろいろあって、修理できないクルマも自分が頑張った気持ちを大切にしているんだなと思いました」
「ロケットを飛ばして入らなかったけど、楽しかった」
とそれぞれ、いい思い出になりそうです。

  • GAZOO,comのロゴが貼られている2007年にニュルブルクリンク24時間レースに参戦したアルテッツァ

    GAZOO,comのロゴが貼られている2007年にニュルブルクリンク24時間レースに参戦したアルテッツァ

さて、ここまでお届けしてきましたウェルカムセンターのご紹介ですが、最後にGAZOO.comのルーツについてお話させてください。
2007年にニュルブルクリンク24時間レースに参戦したアルテッツァのサイドには「GAZOO.com」のロゴがあります。
ご存じの方も多いかもしれませんが、「GAZOO」「GAZOO.com」の生みの親は、豊田章男オーナーなんです。

その立ち上げた想いは、下記の記事でもご紹介していますのでぜひご覧ください。

昨今では、SNSの普及などで、さまざまなオーナーさんの愛車への想いやカーライフの楽しみ方を見ることができるようになりました。
ただ、見るだけでは伝わらないこともたくさんあり、実際に取材を通じて愛車オーナーさんと接することは、毎回新しい刺激や発見をいただけることがたくさんあります。

上記記事の文中にある、「五感を研ぎ澄まして、お客様のことを身近に感じられる我々自身のインターフェースを持つべき」という言葉は、20年以上前のGAZOO.comのコンセプトですが、このような情報社会だからこそ五感を駆使して、愛車オーナーのみなさまと繋がっていく必要があるのではないかと、初心を思い起こさせてくれる取材となりました。

最後は少しおカタイ話をさせていただきましたが、富士スピードウェイの近くにお越しの際はぜひウェルカムセンターにお立ち寄りいただき、その時々の展示の世界観やROOKIE Racingの熱き想い、そしてROOKIE Racingのガレージで“生”のレースの雰囲気を感じてもらえるとうれしいです。

(文:GAZOO編集部 山崎 写真:トヨタ自動車、GAZOO編集部)

 

MORIZO on the Road