日本中どこでも給水素、簡易給水素トラックは水素の乾電池
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FCEVのトラックに水素モジュールを積んだJAFの給水素トラックとFCEVのクラウンセダン
9月2日スーパー耐久第5戦が行われているモビリティリゾートもてぎで未来の水素社会に必ず必要となる簡易給水素トラックをJAFとトヨタが公開した。
トヨタ自動車の中嶋 裕樹副社長は、「BtoG(Business to Government)で水素をより市民生活の身近な場所で使ってもらうための一つの提案として、簡易的に給水素するためのトラックをJAFと研究開発しています。その第1号であるプロトタイプは、 FCEVのトラックに水素モジュールを積んでそのままダイレクトに簡易給水素できるトラックです。この考え方は、ロードサービスだけでなく、将来水素を簡易的にデリバリーしていく場合、ダイレクトに各家庭の水素発電のユニットに給水素が可能になるため、さまざまな可能性が広がると考えています」と意義を語った。
対象となる水素カーの普及は進んでいないが、JAFによると、水素カーから給水素要請(ガソリンエンジンでいうガス欠)が年間20件もあるそうだ。なお電気自動車の電欠によるJAFへの要請は年間800件あるそうだ。しかし現在は要請があっても、その場では何もできなくレッカー車で給水素や給電できる場所まで移動しているそうだ。
そのためJAFは電気自動車を運転中に電欠してしまったお客様への要請に対し、その場で充電する「EV充電サービス」の試験運用を8月1日より開始している。このサービスは東京都、神奈川県、愛知県、大阪府でまず開始し、今後順次全国に拡大し年度内に25台展開することを検討しているそうだ。
そして給水素要請に対しては、今回給水素トラックを公開した。この給水素トラックは、ミライのタンクを8本利用しており、ミライを20台ぐらい給水素できる能力がある。そのため、各拠点全てにこのトラックを配置する必要はなく、各県で1台ぐらい配置できればよいそうだ。また最初どこに配置するのかはこれから検討していくとのことだ。今後このトラックを順次展開していけそうな気がするのだが、実際はそうは簡単にいかないそうだ。
というのも、水素ステーションはタンクに貯蓄されている高圧ガスの水素を水素カーに給水素するため、リスクの観点で色々な規制があるため、その規制をクリアしなければいけない。規制とは、あらかじめ届けた場所で給水素すること、給水素車と水素カーの距離を数m以上離すこと、そして給水素車の周辺5m以内に関係者以外立ち入り禁止であることなど。現状の規制下では、簡易給水素というロードサービスを実現させるのはかなり困難だと思われる。
ただし、今回のデモでは特別だということで、JAFの給水素トラックからFCVクラウンセダンに給水素を行った。クラウンセダンの給水素は10分程度必要だったが、ロードサービスでは5分程度給水素すれば十分であるため、ユーザ側からしたら時間的には全く問題し、デモ中に給水素トラックの間近にいたのだが、怖いと感じることは全くなかった。
そのため、水素トラック側に十分な安全確保ができ、規制緩和できれば、このようにトラックからダイレクトな簡易給水素が日本中のどこでも容易に対応できるようになり、自宅で水素を利用することも現実となるだろう。
給水素トラックは、JAFのオペレーションを考慮した改善も必要であるが、規制緩和しだいで、JAFが早々にロードサービスで運用することは可能なのかもしれない。
トヨタ自動車の中嶋 裕樹副社長は、「BtoG(Business to Government)で水素をより市民生活の身近な場所で使ってもらうための一つの提案として、簡易的に給水素するためのトラックをJAFと研究開発しています。その第1号であるプロトタイプは、 FCEVのトラックに水素モジュールを積んでそのままダイレクトに簡易給水素できるトラックです。この考え方は、ロードサービスだけでなく、将来水素を簡易的にデリバリーしていく場合、ダイレクトに各家庭の水素発電のユニットに給水素が可能になるため、さまざまな可能性が広がると考えています」と意義を語った。
対象となる水素カーの普及は進んでいないが、JAFによると、水素カーから給水素要請(ガソリンエンジンでいうガス欠)が年間20件もあるそうだ。なお電気自動車の電欠によるJAFへの要請は年間800件あるそうだ。しかし現在は要請があっても、その場では何もできなくレッカー車で給水素や給電できる場所まで移動しているそうだ。
そのためJAFは電気自動車を運転中に電欠してしまったお客様への要請に対し、その場で充電する「EV充電サービス」の試験運用を8月1日より開始している。このサービスは東京都、神奈川県、愛知県、大阪府でまず開始し、今後順次全国に拡大し年度内に25台展開することを検討しているそうだ。
そして給水素要請に対しては、今回給水素トラックを公開した。この給水素トラックは、ミライのタンクを8本利用しており、ミライを20台ぐらい給水素できる能力がある。そのため、各拠点全てにこのトラックを配置する必要はなく、各県で1台ぐらい配置できればよいそうだ。また最初どこに配置するのかはこれから検討していくとのことだ。今後このトラックを順次展開していけそうな気がするのだが、実際はそうは簡単にいかないそうだ。
というのも、水素ステーションはタンクに貯蓄されている高圧ガスの水素を水素カーに給水素するため、リスクの観点で色々な規制があるため、その規制をクリアしなければいけない。規制とは、あらかじめ届けた場所で給水素すること、給水素車と水素カーの距離を数m以上離すこと、そして給水素車の周辺5m以内に関係者以外立ち入り禁止であることなど。現状の規制下では、簡易給水素というロードサービスを実現させるのはかなり困難だと思われる。
ただし、今回のデモでは特別だということで、JAFの給水素トラックからFCVクラウンセダンに給水素を行った。クラウンセダンの給水素は10分程度必要だったが、ロードサービスでは5分程度給水素すれば十分であるため、ユーザ側からしたら時間的には全く問題し、デモ中に給水素トラックの間近にいたのだが、怖いと感じることは全くなかった。
そのため、水素トラック側に十分な安全確保ができ、規制緩和できれば、このようにトラックからダイレクトな簡易給水素が日本中のどこでも容易に対応できるようになり、自宅で水素を利用することも現実となるだろう。
給水素トラックは、JAFのオペレーションを考慮した改善も必要であるが、規制緩和しだいで、JAFが早々にロードサービスで運用することは可能なのかもしれない。
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給水素トラックを説明するCJPT代表取締役社長の中嶋裕樹氏とJAF副会長の四宮慶太郎氏
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第1号車となった給水素トラックはナンバー付車両
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給水素トラックよりFCEVクラウンセダンに水素を充填する
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BtoGで水素社会を牽引するために必要不可欠な簡易水素充填車
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水素充填モジュールTC10を2台積載している
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水素充填用ケーブル、現状は2人作業で充填が必要
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簡易給水素トラックにはJAFで通常要請時に必要なアイテムは搭載されている
(GAZOO編集部 岡本)
MORIZO on the Road