【トヨタ WEC】2019-2020 第7戦 中嶋/ブエミ/ハートレー組 TS050 HYBRID 8号車が3連覇!7号車はトラブルから追い上げ3位表彰台 TGRは2019-2020年シーズンのチームチャンピオン確定

9月20日(日)現地時間午後2時半、第88回ル・マン24時間レースがゴールを迎え、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID 8号車が3連覇を成し遂げました。ポールポジションから前半首位を走行したTS050 HYBRID 7号車は、トラブルで後退するも追い上げ3位表彰台を獲得。この結果、TOYOTA GAZOO Racingが最終戦を待たずしてチームチャンピオンを確定しました。

ドライバーコメント等、詳細はこちら(TOYOTA GAZOO Racing)

WEC 2019-2020 第7戦 ル・マン24時間レース 決勝結果:LMP1クラス

順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 トップとの差
1 8 セバスチャン・ブエミ
中嶋一貴
ブレンドン・ハートレー
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ TS050 HYBRID
387 -
2 1 ブルーノ・セナ
グスタボ・メネゼス
ノルマン・ナト
レベリオン・レーシング/
レベリオンR13・ギブソン
382 5 Laps
3 7 マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ TS050 HYBRID
381 6 Laps
4 3 ロマン・デュマ
ルイ・デレトラズ
ナタナエル・ベルトン
レベリオン・レーシング/
レベリオンR13・ギブソン
381 6 Laps

セバスチャン・ブエミ、中嶌一貴、ブレンドン・ハートレーのTS050 HYBRID 8号車が、2位に5周差をつけての勝利を挙げ、FIA世界耐久選手権(WEC)のドライバーズ選手権で首位に立ちました。
ブエミと中嶋は3年連続の勝利となり、97年にわたるル・マンの歴史の中で、これまでに7人しか成し遂げていなかった3連勝ドライバーに加わることとなりました。また、ハートレーは2017年以来2度目のル・マン制覇を果たしました。

ポールポジションからスタートしたマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスのTS050 HYBRID 7号車は、彼らにとっての初勝利を目指し、中盤まで首位を走行していましたが、排気系のトラブルに見舞われて後退。しかし後半、見事な追い上げを見せ3位表彰台を勝ち取りました。
全8戦で競われているWEC2019-2020年シーズンの第7戦でのこの勝利により、TOYOTA GAZOO Racingはチームタイトル争いにおいて、2位のレベリオンに逆転不可能な57点差をつけたため、最終戦を待たずして今シーズンのチームチャンピオンを確定しました。TOYOTA GAZOO Racingにとっては2014年、2018-2019年シーズンに続く3度目のタイトル獲得となります。

ル・マンにおける最後の雄姿となった1000馬力を誇る4輪駆動レーシングカーのTS050 HYBRIDは、サルト・サーキットでの効率やパフォーマンスの点で新たなスタンダードとなりました。2012年に搭乗した第1世代のLMP1ハイブリッド車両に対して燃料使用量は35%削減されたにも関わらず、ラップタイムは1周あたり約10秒もの向上を見せました。4年連続のポールポジションと3年連続勝利の中で、予選及び決勝レース中のコースレコードも塗り替えました。

ハイブリッドレースカー開発を通じて得られたノウハウをつぎ込んだ、ル・マン直系のGR Super Sport(仮称)が、決勝レーススタート前に、初めて公の前で披露されました。開発中のモデルをベースにオープン仕様にカスタマイズされた車両は、サーキット1周のデモンストレーション走行を行った後、スタート直前に優勝トロフィーを返還するセレモニーを行いました。

スタートから6時間経過時点での10周ほどを除いて、TS050 HYBRID 7号車はレース前半戦の大半で首位を走り、レースが折り返しを迎える頃には、2位との差は1周以上に広がっていました。しかし、12時間を経過した直後、午前3時前に、小林がドライブしていた7号車は出力低下に見舞われ、ガレージでの修復を余儀なくされてしまいました。排気マニホールドの破損に見舞われた7号車は、修復作業に30分を要し、小林は首位から6周遅れ、3位のレベリオン3号車から4周遅れの4位でコースへと復帰しました。

一方、8号車は序盤にタイヤのパンクやブレーキダクトのダメージといったトラブルに見舞われ、2度の予定外のピットストップと10分間の修復などでタイムを失いながらも、諦めることなく戦い続け、7号車がトラブルに見舞われる前には2番手になっていました。

後半戦、2位以下に充分な差を拡げた8号車は、ブエミ、中嶋、ハートレーがペースをコントロールしながら周回を重ねていき、最終的にその差は5周まで拡がりました。3年連続でアンカードライバーを務めた中嶋が、2020年ル・マン24時間レースのフィニッシュラインをトップで通過。サルト・サーキットにおいて最も成功した日本人ドライバーとしての地位を確固たるものとしました。

コンウェイと小林、ロペスの7号車は、レース復帰後追い上げを図ろうとしましたが、何かにヒットして車両フロアにダメージが及んだことで空力的な性能低下が生じていました。しかし、8号車は表彰台を目指し追い上げを続け、ライバルのレベリオン3号車が残り1時間というところでクラッシュし、ピットでの修復を余儀なくされたことで3位へと浮上。優勝した8号車から6周遅れながら、2位のレベリオン1号車とは1周差での3位表彰台獲得となりました。

8号車のドライバーがこの勝利によるポイントを加えたことで、ドライバーズタイトル争いは、11月14日にバーレーンで開催される、2019-2020年シーズン最終戦に持ち越されることとなりました。8時間レースのバーレーンでは最大39ポイントの獲得が可能ですが、現在首位の8号車と2位の7号車は僅か7ポイント差で、タイトルをかけ、この最終戦に臨むこととなります。

[ガズー編集部]

WEC 2019-2020 第7戦 ル・マン24時間 レース記事

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