TOYOTA GAZOO Racingの新型ハイパーカー「GR010 HYBRID」がWEC開幕戦でデビュー

TOYOTA GAZOO Racingは、5月1日(土)にスパ・フランコルシャン・サーキットで幕を開ける2021年のFIA世界耐久選手権(WEC)に、新型ハイパーカー「GR010 HYBRID」で挑むその意気込みを語った。

5月1日(土)に迎える2021年シーズンのWEC、そしてル・マン24時間レースの最上位クラスは、伝説的なグループCカーの後を受けたLMP1の時代を終え、新規定のハイパーカーの時代を迎えることとなった。
そのハイパーカーとしてTOYOTA GAZOO Racingが投入するのが「GR010 HYBRID」で、昨年10月の初走行以来、3つのサーキットで合計数千kmに及ぶテスト走行をこなしてきたという。
その「GR010 HYBRID」は、120km/hを超えると前輪に装着された最大272馬力のモータージェネレーターユニットと3.5リッターV6ツインターボエンジンを合わせて680馬力を発揮する4輪駆動として走行する。

この「GR010 HYBRID」の7号車をドライブするのは、昨年ワールドチャンピオンに輝いた、チーム4年目のシーズンとなる小林可夢偉、マイク・コンウェイとホセ・マリア・ロペスの3名、そして8号車は昨年のル・マン24時間勝者である中嶋一貴、セバスチャン・ブエミとブレンドン・ハートレーの3名と、世界チャンピオンの防衛と、ル・マン24時間レース4連覇を目指し、昨年と同じドライバーラインナップとなる。

また、ハイパーカー規定では燃料消費の制限の撤廃や、サーキットにおけるチームクルーの総人数が43人に制限されるなどといった新たなレギュレーションも導入されるため、よりチームの総合力が試されるシーズンとなりそうだ。

TOYOTA GAZOO Racingは、2021年最初のマニュファクチャラーとして、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスと共にハイパーカーのグリッドに並ぶこととなるが、今後はアウディ、フェラーリ、プジョー、ポルシェといったライバルもこの戦いに加わる予定となっている。
WEC、ル・マン24時間レースに熾烈なメーカーバトルが戻ってくること、そしてその中でTOYOTA GAZOO Racingがどのような活躍を見せてくれるのか、期待していきたい。
村田久武(TOYOTA GAZOO Racing WEC チーム代表)

ハイパーカーによる耐久レースのエキサイティングな新時代が始まりました。ル・マンでは多くのトップチームと競い合うことになります。ファンの皆様はそれを心待ちにしていると思いますし、我々も同じ気持ちです。TOYOTA GAZOO Racingが、この新時代のスターティンググリッドに立てることを誇りに思います。我々のWECプロジェクトの第一段階を締めくくったTS050 HYBRIDでは、レーシングハイブリッド技術の向上に徹底的に取り組み、お客様のための「もっといいクルマづくり」に繋げてきました。ここからは第二段階に入り、将来、もっとエキサイティングなスポーツカーをお客様にお届けできるよう、レーシングハイブリッド技術の限界をさらに押し上げ、再び「ワンチーム」で戦っていきます。GR010 HYBRIDを通して、人を鍛え、技術、プロセスをさらに強化していきます。絶対に負けられないという気持ちで我々をプッシュしてくる競合チームを相手に、決して簡単なシーズンにはならないとは思いますが、私たちは決して諦めません。

パスカル・バセロン(テクニカル・ディレクター)

スパ開幕戦は、GR010 HYBRIDがシーズン前テストを終え、生まれたばかりの我々のハイバーカーが新たな段階のスタートを切るということを意味します。我々は2020年10月にポール・リカールでGR010 HYBRIDを初めて走らせて以来、集中的なテストプログラムをこなし、クルマのキャラクターと新たなミシュランタイヤについて着実に学んできました。TS050 HYBRIDと比較すると、車重やパフォーマンスのパラメータに大きな違いがあり、新たに必要となるシステムも全く異なるため、エンジニア、ドライバーの双方ともに短期間で多くのことを学ぶ必要がありました。テストにおいてはよくあることですが、時には順調にいかないこともありました。アラゴンでは3日間のテストデーが予定されていましたが、激しい雪と、悪天候などに妨げられ、予定通りに完了できませんでした。幸運にもシーズンの開幕が遅れたことで、スパの前に更なるテストを行うチャンスができたので、最終的には目標としていた走行距離をこなすことができ、デビュー戦の前に、狙い通りの全てのテスト項目を完了できました。
  • 左から小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス

小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)

今の難しい世界状況の中で、またレースができることをとても嬉しく思います。決して理想的な環境ではありませんでしたが、チームは素晴らしい仕事でGR010 HYBRIDの改良を進め、デビュー戦への準備を整えてくれました。我々はテストの中でクルマについて多くを学びました。新型車両投入時にはよくあることですが、予想外の驚きもあるかも知れません。これから実際のレースを戦い、コース上のトラフィックや、ハイパーカークラスの強力なライバルとの中で新型GR010 HYBRIDがどれだけ戦えるのか、その挑戦を楽しみにしています。

マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID #7)

新しいシーズン、そして新たなハイパーカーの時代が始まることにワクワクしています。最高のチームメイトである可夢偉とホセ、そして素晴らしいチームに恵まれ、タイトル防衛という目標に向けて準備は万端です。GR010 HYBRIDでは既に多くのテストをこなしてきていますが、最高の性能を引き出すためにはさらにやるべきことがあり、改良を続けていかなくてはなりません。スパはそのためにも重要なステップであり、レースがとても楽しみです。

ホセ・マリア・ロペス(GR010 HYBRID #7)

マイク、可夢偉と共にワールドチャンピオンを獲得した昨シーズン最終戦のバーレーンからずいぶん長い時間が経ったように感じます。もちろんその時も最高の気分でしたが、再びレースを戦い、タイトル防衛、そして今度こそル・マンで勝つために戦う時がきました。このような困難な状況下にもかかわらず、チームはハードワークでこのスパに向けてGR010 HYBRIDの準備をしてくれました。全く新しい車両を開発するという挑戦は常に素晴らしい体験ですが、まだその途上です。我々はスパで力強いパフォーマンスを示し、さらに改良していくため努力を続けます。
  • 左から中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー

中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)

GR010 HYBRIDでの初めてのレースへ向け、スパに向かうのが楽しみです。この冬はなかなか大変でした。特に僕個人は、幾つかのテストを日本でのレース活動のために休む必要があり、そしてようやく参加できたアラゴンのテストは雪で走れませんでした。このような状況で、全てが順調ではありませんでしたが、チームは懸命な作業でハイパーカー時代の開幕戦へ向け、GR010 HYBRIDを準備してくれました。チームの誰もがこの新たな挑戦を楽しみにしており、もちろん簡単ではないでしょうが、成功すると信じています。

セバスチャン・ブエミ(GR010 HYBRID #8)

長い冬季オフシーズンの準備期間を経て、ついにスパでのプロローグとデビュー戦を迎えられるのはとても嬉しいです。新型のGR010 HYBRIDとハイパーカーによる耐久レース新世代を、ファンの皆様もとても楽しみにしていると思います。今年初めから複数回のテストをこなしてきましたが、最初はクルマについて知る事から始め、ル・マンへ向けたセットアップの調整ができるまでに到りました。デビュー戦への準備は万全で、一刻も早くハイパーカーカテゴリーでライバルと戦いたいです。

ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID #8)

新たなハイパーカー時代の最初のレースに向けての広範囲で大規模なテストプログラムを終え、充分な準備ができたと感じています。我々チームだけでなく、ファンの皆様の間でも、どんなレースになるのか、どれだけ接近したレースになるのかといった期待が高まっていることでしょう。誰もが素晴らしいサーキットであるスパでハイパーカーによる最初のレースを戦うことを楽しみにしています。