ほぼすべての日本車メーカーがWRCに参戦していた!70年代以前の歴史から、ライバルまでを紹介 ~ 「国内メーカー編 その2」
現在、メーカー直系のチームとしてWRCに参戦する日本車はトヨタのみですが、歴史を見わたしてみるとほとんどすべての日本車メーカーが何らかのかたちでWRCに参戦してきた過去があります。ここでは、それぞれのヒストリーを振り返ってみましょう。また、日本車のライバルとして立ちはだかった海外メーカーもご紹介していきます。
第2弾、「国内メーカー編 その2」をご覧ください。
マツダ
RX-7やファミリアで挑んだヨーロッパ戦線、ライバルより小さな排気量で奮闘したマツダ
現在はSKYACTIVなど様々な先進技術を投入し、デザインでも高い評価を受けているマツダも、かつてラリーに参戦していたメーカーのひとつです。WRCに参戦を始めたきっかけは、ヨーロッパ各国のインポーターからのリクエストによるものでした。サーキットではすでにロータリーエンジンを武器に名を挙げていたマツダですが、大衆車ファミリア(海外名323)を使ってのPRにはラリーが最適ということで、81年後半にはラリー拠点をヨーロッパに置いて活動をスタートさせます。ただし、他のワークスチームのようにチャンピオンを狙うわけではなく、堅実な手法で参戦を続けました。多くのワークスチームがチャンピオンシップを狙うなか、その後方で323はプライベーター向けのクルマとして受け入れられていったのです。
グループB時代にはRX-7をラリーカーとして参戦を行っていましたが(最上位は85年アクロポリスの3位)、時代はすでに4WD全盛期であり、上位入賞は臨めません。そこで86年には、カスタマー向けに323 4WDを熟成し、グループAでの優勝を争えるクルマにすべく方針を転換します。すると、グループBはその年限りでの廃止が決まり、グループAの323 4WDが突如として桧舞台に立つこととなったのです。マツダは、ライバルに較べ小さな排気量などに苦労しながらも323を熟成させ、92年までワークス活動を継続、最終的には3勝を獲得しています。
スバル
グループAの日本車時代後期を担ったスバル、第1回WRCラリージャパンでは凱旋勝利
スバルは、80年代から上州オートクラブやスバル・モータースポーツグループといったチームが、レオーネRXなどでサファリを中心としたラリー活動を展開していましたが、スバル・ワールドラリーチームとしての参戦は90年アクロポリス(ギリシャ)からスタートします。英国プロドライブの手によりラリーカーに仕立てられたレガシィRSは、苦労を重ねながらも徐々に熟成を進め、93年ニュージーランドで待望のWRC初勝利を挙げることに成功します。
その後に投入されたインプレッサWRXは、レガシィRSよりもコンパクトなボディにパワフルなエンジンを搭載し、さらに勝利を重ねます。95年にはドライバーズ、マニュファクチャラーズの両チャンピオンに輝き、さらに96年、97年と3年連続でマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得。
その後もインプレッサのモデルチェンジに合わせて次々とWRカーを投入し、2001年と03年にドライバーズチャンピオンを獲得。04年に初開催されたWRCラリージャパンではグループNとあわせてダブル優勝を飾るなど、大きな足跡を残しました。しかし08年を最後にWRCのワークス活動を休止、SUPER GTとニュルブルクリンク24時間レースに主戦場を移して活躍を続けています。
スズキ
ジュニアWRCで見せた“黄色い弾丸”の強さ、トップカテゴリーにSX4で参戦
“モンスター田嶋”こと田嶋伸博率いるスズキスポーツが主体となって80年代から90年代にかけてWRCやAPRCに参戦し、存在感を見せていた歴代のスズキ車。スズキは社内にスズキ・ワークス・テクノ(SWT)を設立し、技術的なサポートをする体制を固め、2002年にはジュニアWRCにイグニスS1600(日本名スイフト)を送り込みます。2代目のイグニスS1600でJWRCチャンピオンを獲得することに成功し、さらにスイフトS1600でも無類の強さを誇りました。日本では2代目のスイフトスポーツとして発売され、国内の参加型カテゴリーなどでも活躍しました。
その後、07年にはWRCへの参戦を発表。車両はクロスオーバーSUVのSX4をベースとしたSX4 WRC。07年にはテスト参戦、08年にはフル参戦をスタートしています。残念ながらその年の12月、リーマンショックを理由としてWRC活動の休止を発表し、現在も沈黙を守ったままとなっています。
WRCには計17戦に参戦し、最上位は08年ラリージャパンとGBの5位。わずか1年+αの活動期間ですが、SX4 WRCの鮮やかなボディカラーは今も多くのスズキファンの心に残っています。
ホンダ
JASモータースポーツとM-TECが組んだ、カスタマー向けシビック・タイプRラリーカー
あまりラリーに縁のないイメージのホンダですが、現在ツーリングカーのワークスチーム運営を行っているイタリアのJASモータースポーツが、シビック・タイプR(日本名シビック・タイプRユーロ)をベースとしたプライベーター向けのR3車両を開発したことで知られています。プライベーター向けとはいえ、エンジンは無限(M-TEC)が開発に携わり、2007年頃からデリバリーを開始。2011年には、インターコンチネンタルラリーチャレンジの2WD部門でマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得しています。WRCでは、08年のラリーフィンランドでクラス優勝を飾りました。
[ガズー編集部]
WRC 2019シーズン 開幕直前企画
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