【トヨタ WRC】第6戦2日目、オジエが4本のベストタイムで総合2位に浮上、 エバンスは総合4位に順位を上げる

  • 17号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)

    17号車(セバスチャン・オジエ、ジュリアン・イングラシア)

10月10日(土)、2020年FIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦ラリー・イタリア サルディニアの、競技2日デイ2がサルディニア島のアルゲーロを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 17号車)が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合4位に順位を上げました。なお、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車) は、SS8でリタイアとなりました。

ラリー・イタリア サルディニアのデイ2は、サービスパークの東側エリアで6本のステージが行なわれ、その合計距離は101.69kmと3日間で最長でした。デイ1と同様、午前中は2本のステージを、サービスを挟むことなく2回走行。その後40分のサービスを経て、デイ1の最後に走行した2本のステージを再走するスケジュールで競技は進みました。

デイ1で不利な先頭スタートにも関わらず総合5位につけたエバンスは、6番手で出走。2番手スタートで総合4位につけたオジエは7番手で出走するなど、デイ2に入りようやく出走順のハンデから解放された両選手は、1日を通して本来のパフォーマンスを発揮しました。特にオジエは全6ステージのうち4ステージでベストタイムを記録し、SS7で総合3位に、SS8で総合2位に浮上。激しい順位争いを続けた末、総合3位のライバルと1.5秒差の、総合2位でデイ2を走破しました。また、エバンスもSS2番手タイムを2回記録するなど安定して良いタイムを刻み、総合4位に順位を上げました。

デイ1でステアリング系の問題により総合9位に留まったロバンペラは、デイ2では出走順が2番手となり、不利な路面コンディションでの走行となりました。オープニングステージのSS7では総合9位につけ挽回のチャンスをうかがっていましたが、SS8でコーナリングラインが膨らみ、立て続けに2本の木に激突。クルマのリヤセクションに大きなダメージを負ったため、ラリーからリタイアすることになりました。WRカー参戦1年目のロバンペラは、ここまで開幕から5戦連続で総合5位以内に入っており、今回が今季初のリタイアとなります。

詳細はこちら :https://toyotagazooracing.com/jp/wrc/release/2020/rd06-day2.html

ラリー・イタリア サルディニア デイ2の結果

1 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 2h14m35.5s
2 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +27.4s
3 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +28.9s
4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +58.4s
5 テーム・スニネン/ヤルモ・レーティネン (フォード フィエスタ WRC) +1m06.9s
6 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +2m25.3s
7 ピエール=ルイ・ルーベ/ヴィンセント・ランデ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +3m37.0s
8 ヤリ・フッツネン/ミッコ・ルッカ (ヒュンダイ i20 R5) +6m58.7s
9 カイエタン・カイエタノビッチ/マチェック・シュツェパニアック(シュコダ ファビアRally2 Evo) +7m09.2s
10 ポントゥス・ティディマンド/パトリック・バース(シュコダ ファビアRally2 Evo) +7m48.1s
R カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC)

(現地時間10月10日18時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

チームコメント

<<トミ・マキネン(チーム代表)>>

最終日に向けて、表彰台争いはとてもエキサイティングな展開になりました。サービスで椅子に座って戦いを見ているよりも、ドライバーとして走る方が、まだ気が楽なのではないかと思います。セブは今日、何度も素晴らしいタイムを刻んだので、明日もきっとやってくれるはずです。また、エルフィンも昨日の出走順トップというハンデを乗り越え、良いポジションにつけています。残念ながら、カッレはサービスでのミスにより昨日の午後は厳しい状況に陥ってしまいました。それでも諦めずに戦い続けましたが、今日は道幅が狭いセクションでの小さなミスにより、競技を続けられなくなってしまいました。ラリーでは往々にしてこのようなことも起きますが、彼はすごい勢いで学び、成長しています。

セバスチャン・オジエ
セバスチャン・オジエ

<<セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 17号車)>>

6本のステージのうち、4本のステージで最速だったので、今日はかなり満足しています。残念ながら他の2本のステージはそれほど良くなく、少しタイムを失ってしまいました。SS8は限界まで攻め切れず、その再走のSS10はかなりハードに攻めたのですが、ヘアピンでエンジンがストールし何秒かロスしてしまいました。それでも、全体的にはポジティブな1日でした。明日は2位争いをしながら、トップの選手にプレッシャーをかけ続けるつもりです。このようなトリッキーなステージでは、最後まで何が起きるか分かりません。

セバスチャン・オジエ
セバスチャン・オジエ
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)

<<エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)>>

朝のループステージは全体的に悪くなく、大部分で良い走りをできました。ただし、SS9ではスムースに走ることを意識しすぎて少し慎重になってしまい、ハードに攻め切れずタイムを失いました。そこで、午後の最初のステージでは、もう少し攻めてみたのですが、遅くなってしまったので、最後のステージはクリーンな走りに徹しました。明日は、とにかく4位を守ることが重要です。残されたステージは短く、自分より上の順位のライバルを捕えることは現実的ではありませんが、それでも最後まで戦い続けなくてはなりません。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

<<カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)>>

2本目のステージの終盤、道幅が狭いセクションでコーナーイン側の障害物を避けようとしたところ、コーナリングラインが少しワイドになってしまいました。まず外側の木にぶつかり、その衝撃で2本目の木にも当たってしまいました。クルマのダメージは大きく、明日は再出走することができません。今回は、シェイクダウンの時から明らかに自分達の週末ではなく、良くない流れでした。昨日のトラブルは自分達の過ちによるものではありませんが、今日は自分のミスです。残念ながら、非常に困難な週末になってしまいました。

69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)
69号車(カッレ・ロバンペラ、ヨンネ・ハルットゥネン)

明日のステージ情報

競技最終日となる11日(日)のデイ3は、サービスパークの北側エリアで2本のSSを各2回走行します。そのうち、美しい海岸沿いを走行するSS14/16「サッサリ-アルジェンティエラ」は今大会最短となる全長6.89kmのステージで、最終SSとなる2本目のSS16は、 トップ5タイムを記録した選手に対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のSSの合計距離は41.90km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は185.79kmとなっています。

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road