【WRC2021】第7戦ラリー・エストニア TGRのロバンペラが初優勝勝、最年少優勝記録を更新

7月15日(木)~18日(土)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・エストニアが行われた。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンがWRC初優勝した。勝田貴元は、DAY2のSS4終了時点で総合3位につけていたが、大きなジャンプが多くあったSS4で、コ・ドライバーのダニエル・バリットが首に痛みを感じたため、大事をとりリエゾン(移動区間)で競技を中止し、リタイアとなった。

第7戦 ラリー・エストニアDAY1-DAY4

DAY1競技初日、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組がベストタイムを記録して首位。オジエは総合10位、エバンスは総合17位であった。

DAY2競技2日目、ロバンペラが首位を堅持。オジエ、エバンスともに順位をあげ総合4位、総合5位につけた。

DAY3競技3日目、ロバンペラが首位の座を堅守。オジエ、エバンスともにDAY2の順位を守った。

DAY4競技最終日、ロバンペラはタイム差をさらに開き、最終ステージを前に54.6秒差、優勝に王手をかけたロバンペラは、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終のパワーステージ「タルトゥ・バルド2」で5番手タイムを刻み、最終的に59.9秒の差をつけWRC初優勝を達成した。総合4位にはオジエ、総合5位にはエバンスが入った。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは第3戦メキシコから5戦連続優勝を達成、2位のHYUNDAI SHELL MOBIS WORLD RALLY TEAMと59ポイント差だ。

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamメッセージ

豊田 章男 (チームオーナー)

カッレ、ヨンネ、
ラリー・エストニア優勝おめでとう!

やっと2人に気持ちよく走ってもらえたこと、本当にホッとしています。そう思っているのは僕だけではないはず。2人の苦しい走りを見ていたチームのみんながホッとしていたに違いありません。ただ、1人だけ複雑な気持ちになっていたメンバーが、もしかしたらいたかもしれません…。

ヤリ-マティが持っていた22歳というWRC最年少勝利記録を、20歳のカッレが破りました。ヤリ-マティはどんな気持ちでカッレを見守っていたのか?チームに聞いてみたら、同じフィンランド出身の若者が自分のチームで記録を塗り替えてくれたことを素直に喜んでいたそうです。そんなチーム代表がいることをチームオーナーとして嬉しく、誇らしく思いました。

今回、勝利したヤリスはエストニアにある我々のチームの工場で組みあげたクルマです。エストニアも我々のホームコースです。シーズン折り返しの戦いが我々の母国での勝利となり、そのことも本当に嬉しく思っています。前半戦、我々のチームの誰かが必ずポディウムに立っていました。本当に頼もしいチームです。

シーズン後半は10月にラリー・フィンランド、11月には最終戦ラリー・ジャパンと母国での戦いが続きます。

ファンの皆さま、今回も応援ありがとうございました。
引き続き、TOYOTA GAZOO Racingをよろしくお願いいたします。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)

今日は素晴らしい一日で、いろいろな意味で記録的な勝利になりました。優勝はどれも特別で喜ばしいものですが、今日カッレの初勝利を目にすることができたのは、私にとって大きな意味があります。彼が史上最年少でWRCウイナーとなり、私の記録を塗り替えたことを本当に嬉しく思います。私がヘンリ・トイボネン氏の記録を更新し、それを今回カッレが更新したことで、フィンランド人の伝統が受け継がれました。今週末カッレは本当に素晴らしかったですし、トヨタにとって新記録となる、WRC5連勝を達成できたことも信じられないくらい嬉しいです。ここ数戦で我々が成し遂げたことはどれも素晴らしく、特別なことです。両チャンピオンシップともまだ先は長いですが、チームと選手達を誇りに思っています。

セバスチャン・オジエ

今日はパワーステージに焦点を合わせていましたが、最終的にステージはひどいコンディションになってしまいました。大きな轍があり、ハードに攻めるようなステージではありませんでした。とにかく生き残り、最後まで走りきることを考えながらも、少しでもポイントを稼ごうと努力しました。この週末は、チャンピオンシップを考えるとポジティブな一歩となりました。出走順トップでステージに臨むことは、大変だと分かっていました。金曜日は非常に好調でしたが、それをいい結果に繋げることはできませんでした。それでも、ポイントを獲得できたことが何よりも重要です。カッレとヨンネの初優勝はとても嬉しいですし、彼らとチームにおめでとうと言いたいです。

エルフィン・エバンス

私達にとっては、難しい週末になってしまいました。今日はパワーステージに集中し、できる限りのことをしましたが、残念ながらパフォーマンスをフルに発揮することはできませんでした。この週末は、望んでいたようなものにはなりませんでした。最初からあまり上手くいかず、なかなか自分のリズムを掴めませんでした。次のイベントに向けて、この状況を改善する必要があることは言うまでもありません。それはさておき、カッレとヨンネが優勝したのは嬉しいですし、彼らは本当に良くやったと思います。

カッレ・ロバンペラ

優勝することができて本当にいい気分です。優勝を目標に戦ってきたので、チームには本当に感謝しています。今年は私にとって難しい年でしたが、彼らは手厚くサポートしてくれましたし、クルマのフィーリングもチームもとても良かったです。また、最年少優勝という記録を残せたことも、とても嬉しいです。ヤリ-マティは、自分が持つ記録を私に更新してほしいと言ってくれていたので、とても意味のある勝利です。今日は思いのほかフィーリングが良く、プレッシャーを感じることなく普通に走れましたし、ペースも良かったです。一度勝つことによって重圧から解放され、気持ちも楽になるので、今回の優勝は私にとって大きな助けになるはずです。

ラリー・エストニア デイ4の結果

1位 K.ロバンペラ (トヨタ ヤリス WRC) 2h51m29.1s
2位 C.ブリーン(ヒュンダイ i20クーペ WRC) +59.9s
3位 T.ヌービル(ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m12.4s
4位 S.オジエ/ (トヨタ ヤリス WRC) +1m24.0s
5位 E.エバンス(トヨタ ヤリス WRC) +2m07.1s
6位 T.スニネン(フォード フィエスタ WRC) +7m07.3s
7位 P.ルーベ(ヒュンダイ i20クーペ WRC) +8m48.3s
8位 A.ルクヤヌク(シュコダ ファビア Rally2 Evo) +10m16.1s
9位 A.ミケルセン(シュコダ ファビア Rally2 Evo) +10m29.9s
10位 M.オストベルグ(シトロエン C3 Rally2) +10m46.6s

次回のWRCは8月13日(金)から15日(日)、ベルギー「イープル・ラリー」

WRCの開催は今年が初となる。路面はターマック(舗装路)で、側溝のある農道を走行するラリーだ。ラリーの最終日には、WEC(世界耐久選手権)やF1世界選手権も開催される「スパ・フランコルシャン・サーキット」周辺でのステージも予定されている。

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road