【WRC2021】第8戦イープル・ラリー・ベルギー ヌービルが今季初勝利。オジエ、トヨタがランキング首位をキープ

  • セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 1号車)

8月15日(日)にFIA世界ラリー選手権(WRC)の第8戦イープル・ラリー・ベルギーの最終日デイ3が行われ、HYUNDAI SHELL MOBIS WORLD RALLY TEAMのティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ組が勝利、ヒュンダイ勢が1-2フィニッシュとなった。

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合3位を獲得、5位でフィニッシュしたセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)がドライバー選手権首位の座を守った。

WRC第8戦イープル・ラリー・ベルギーの結果

1位 T.ヌービル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 2h30.24.2s
2位 C.ブリーン (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +30.7s
3位 K.ロバンペラ (トヨタ ヤリス WRC) +43.1s
4位 E.エバンス (トヨタ ヤリス WRC) +49.6s
5位 S.オジエ (トヨタ ヤリス WRC) +55.8s
6位 O.タナック (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +3m46.5s
7位 Y.ロッセル (シトロエン C3 Rally2) +12m14.9s
8位 P.クラッコ (シュコダ ファビアRally2 Evo) +13m05.9s
9位 F.クレイム (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +13m13.8s
10位 V.フェルシューレン (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +13m31.1s

オジエが5位フィニッシュもランキング首位を堅守

  • オールージュを駆け抜けるS.オジエ

ベルギーのWRC初開催となったイープル・ラリーは、長い伝統と人気を誇るターマック(舗装路)でのレース。ステージはその多くが農道であり、高速ながら道幅は狭く、直線と交差点が続く特殊なラリー。
デイ3のステージは、F1やWECも開催されるスパ・フランコルシャン・サーキットを中心に行われ、このサーキットの名物コーナーである「オールージュ」も走行。周辺のツイスティな一般道やグラベル(未舗装路)のラリークロスコースなどを組み合わせた複合的なコース。
全20SSを3日間で争われ、天候にも恵まれたことでドライコンディションでの戦いとなった。

初日からヒュンダイ勢が速さを見せ、デイ1では1-3を独占し、デイ2終了時点でもトヨタ最上位のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組に42.4秒の差をつけて迎えたデイ3。最終的にはクレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル組に30.7秒差を付けたヌービルが今季初勝利を挙げた。

3位はデイ2終了時点で3位につけていたエバンスと、3.3秒秒差の4位につけていたロバンペラの争いに。SS18で2番手タイムを記録したロバンペラが3位に浮上し、そのまま順位を守ってフィニッシュ、今季3度目の表彰台を獲得した。

ドライバーランキングトップのオジエはSS17でタイヤにダメージを負い5位に終わったものの、パワーステージで2位4ポイントを獲得し、2位との差を1ポイント拡大、38ポイント差のリードを築いている。今回勝利を挙げたヌービルがエバンスと124ポイントで並び、オジエとの差を14ポイント詰めた。
マニュファクチャラーランキングでは、トヨタがヒュンダイに41ポイントをリードし首位をキープしている。

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamメッセージ

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)

最終日、我々のドライバーたちは大接戦を繰り広げましたが、最終的には素晴らしいペースで走ったカッレが表彰台を獲得しました。クロアチア・ラリーでのアクシデント後、最初のターマック(舗装路)ラリーで力強い戦いをしてくれたことを嬉しく思います。今回は全てのドライバーが良い仕事をしたと思います。ただ、我々にはこのラリーでの経験がなかったので、優勝争いに加わることはできませんでした。我々はまず、金曜日に路面とグリップレベルについて学ばなくてはなりませんでした。その経験を基に戦ったその後の2日間は、トップタイムを出すことができましたが、それでは少し遅すぎました。もちろん、全てのラリーで勝つことができないのはわかっていますし、今週末はチャンピオンシップのために重要なポイントを獲得することができました。

セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)

表彰台をかけてチームメイトといい戦いをし、エキサイティングな最終日になることを期待していましたが、今朝最初のステージを3、4km走ったところでパンクをしてしまいました。ライン上にあった小さな岩に気がつかずに当たってしまい、我々の戦いはそこで終わってしまったので、その後はパワーステージに集中することにしました。ステージ優勝は叶いませんでしたが、2番手タイムで4ポイントを追加獲得することができました。そのおかげで選手権のリードをさらに1ポイント拡げることができたので、悪くない週末になったと思います。

エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)

残念ながら、今日は今回のラリーで最も悪い一日になってしまいました。今朝は、最初からあまりうまく行きませんでした。ハードに攻めたところもありましたが、いくつかミスをしてしまいタイムを失いました。今日は自分たちのための日ではなかったと思います。カッレは非常に強く、素晴らしい結果を残しました。全体的に悔しい週末になりましたが、もう少し良い戦いをすることはできたはずです。いくつかの場所や特定のコンディションでは非常に良いパフォーマンスを発揮できたと思いますが、それを全てのステージで維持することができませんでした。次のラリーが楽しみですし、もっと良い戦いができるように頑張りたいと思います。

カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)

今回のベルギーでの最終日はとても良かったです。今まで経験してきた日曜日の中で最も激しい戦いのひとつでしたし、チームメイトとの競い合いを楽しむことができました。スパ・フランコルシャン周辺のステージは、自分にとっては比較的簡単でした。これまで他のラリーで走ったことのあるステージに近かったので、ペースを上げやすかったのですが、それでもかなりトリッキーでした。この結果にはとても満足しています。自分よりも順位が上のふたりは、このラリーでの経験が豊富でしたし、金曜日のタイムを見ても誰も彼らにかなわないことは明らかでした。自分たちの経験が少なかったことを考えれば、他のドライバーに負けずに表彰台に立つことができて、本当に良かったと思います。

次戦のWRCは9月9日~12日、ギリシア「アクロポリス・ラリー」

WRC初年度の1973年からシリーズに組み込まれた歴史的ラリーで、2013年以来となる8年ぶりのWRC復帰となる。ギリシア中部のラミアを中心に行われ、ステージはグラベル(未舗装路)で、大きな石が転がる荒れた路面も多いチャレンジングなラリーだ。

[ガズー編集部]