トヨタ博物館、世界一美しいとも言われる 本格的写真集『The Museum of MOTION』を刊行

トヨタ自動車(株)の文化施設であるトヨタ博物館(愛知県長久手市)は、同館での体験や感動を持ち帰るための記念の品として、企画から完成まで2年を掛けた同館初の本格的写真集『The Museum of MOTION』を4月8日に刊行した。
クルマの魅力を余すところなく伝えるため、制作にあたっては多くの想いが込められている。

トヨタ自動車創業の地、豊田自動織機自動車部旧試作工場(現 愛知製鋼(株)刈谷工場)でのトヨダAA型乗用車。このロケ中に偶然視察に訪れたトヨタ経営トップの一人は、「80年ぶりの里帰り」の光景に思わず感嘆の声をもらしたという。

書名の「Motion」は、同館がクルマを動態保存していることやクルマの動き、さらにはクルマに乗る人/見る人らクルマに関わる人たちの心の動きemotionにもつながる言葉として選ばれた。 撮影においては、同館でのクルマたちの息づきを感じられるよう主に同館敷地内で実施。撮影場所の制約と、移り変わる季節や刻々と変わる天候など一期一会の撮影条件の中で、各クルマの魅力を最大限引き出す努力が注がれた。また、背景の木々の様子の移り変わりが晩秋から初夏にかけての半年にわたる撮影期間を物語る。構成については、収蔵車から厳選された車両85台の226枚の写真が、独自のテーマに基づき30にグループ分けされた上で、各クルマの歴史的意義にも及ぶ独自の説明文を付与され、同館が「組み合わせの妙」と呼ぶ同館ならではの車両セレクションとストーリーのハーモニーを楽しむことができる。さらに、実車の素材感や艶を忠実に再現する用紙選定や印刷技法、見開きページでの横長写真が見易くかつ耐久性のある製本手法なども含め、クルマ好きの想いが隅々まで満ちたものとなっている。

  • ドラージュ タイプD8-120
  • メルセデスベンツ 300SLクーペ
  • フォード マスタング
  • キャデラック エルドラドビアリッツ

以下、「組み合わせ」の具体例を列挙する。

「ビンテージレースカーの世界」
ブガッティ タイプ35B(1926、フランス)
ベントレー4½リットル(1930、イギリス)
アルファロメオ 6C 1750 グランスポルト(1930、イタリア)

「デザインの持つ力」
チシタリア 202クーペ(1947、イタリア)
フォード カスタム 4ドアセダン(1949、アメリカ)
シトロエン DS19(1958、フランス)

「現代に続くアイコン」
シボレー コルベット(1953、アメリカ)
メルセデスベンツ 300SL クーペ(1955、ドイツ)
ジャガー Eタイプ ロードスター(1965、イギリス)

「2000GTコレクション」(国産初のスーパースポーツ)
トヨタ2000GT “ボンドカー”(1966、日本)
トヨタ2000GT “スピードトライアル”(1966、日本)(レプリカ)
トヨタ2000GT MF10L型/前期型 左ハンドル(1967、日本)
トヨタ2000GT MF10型/後期型(1969、日本)
トヨタ2000GT MF10型/前期型(1968、日本)

なお、独自のハーフスリーブタイプとしたケースは、箱絵印刷で墨を2回さらにグレーを重ねて深みのある漆黒と微妙な諧調を表現、また長期保存時の本のたわみ防止のため底に支えを装着している。
入手方法は、同館のショップでの販売の他、完成を記念し一部書店での限定販売も実施している。

書誌情報

書名: The Museum of MOTION
収録写真数: 226枚(カバー写真2枚を含む)
フォトグラファー: 田村孝介
形態: A3版変形(296mm x 312mm )、全296ページ、厚さ35mm、重さ約2.5kg
印刷: カレイドインク、FM スクリーン
製本: 上製本(かがり綴じ+フォローバック+PUR 糊貼りあわせ)
入手方法:2017年4月8日よりトヨタ博物館ショップにて発売
(同館ライブラリーでも閲覧可能)
ショップ店頭価格: 10,800円(税込)

[ガズー編集部]

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