トヨタ、100年に一度の大変革時代に目指していることとは!?

2019年1月16日~18日、東京ビッグサイトにて、クルマの先端技術分野の世界最大規模の見本市、「オートモーティブワールド」が開催された。オートモーティブワールドでは、自動運転、クルマの電子化・電動化、コネクティッドカーなどの先端技術が一堂に出展され、その基調講演にトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)の山本常務役員がコネクティッドで広がるスマートモビリティ社会というテーマでトヨタ自動車の取り組みについて講演を行った。
現在、自動車業界が直面していることがCASE。CASEとはConnected、Autonomous、Shared&service、Electricの4つの頭文字を取ったものである。IT技術の進化により、時間、場所を問わず様々なマッチングが可能となり、自動車業界へも影響を及ぼしている。クルマの使われ方が所有から利用へと変わり、ライドシェアなどのMaaSサービスが全世界で拡大している。日本においてもここ5年でカーシェアリング台数、会員数が2.5倍に拡大している。CASEにより移動のあり方の根本が変わり、100年に一度の大変革となっている。

さらに、100年に一度の大変革期を迎えようとしている今、トヨタが目指していることについて、山本氏は「トヨタはクルマを作る会社から人々の様々な移動を助ける会社、モビリティ・カンパニーへと変革し、すべての人に移動の自由を、喜びを与えることができるような会社になりたい」と述べ、トヨタの原点であるTPS(Toyota Production System)、必要なものを必要な時に必要なだけ作るというJust In Timeにのっとり、モビリティ・カンパニーとして「移動のJust In Time Service」を追求していきたいと説明した。 その実現の第一歩がe-Paletteとなる。このe-Paletteは電動化、コネクティッド、自動運転技術を活用したMaaS専用の次世代モビリティであり、様々なサービスに対応し、人々の暮らしを支える新たなモビリティを提供するというものだ。e-Paletteを実現するためには電動化、コネクティッド、AI・自動運転の技術が重要であり、それぞれについてのトヨタの取り組みについて説明した。 電動化についてはトヨタは創業時から電池開発の重要性を認識し、こだわりを持って開発を行い2020年代には全固体電池実用化を目指し、2025年までには全車種に電動グレードを設定する。 自動運転については、人々に安全で自由な移動、クルマを運転する喜びを感じてもらうためにAI技術の開発とともに、自動運転技術のレベルも段階的に上げていく。現在、北米を中心に実験を行っている。実験得られた結果は単に自動運転のみならずガーディアンシステムとして応用する。ガーディアン(守護神という意味)は有人/無人に関わらず危険回避・衝突軽減・停止機能などの適切な処置を行うものでAutono-MaaS車両を実現する上で必要不可欠な技術と述べた。 コネクティッドについては車載通信機DCMをグルーバルで共通化し、2020年までに日米でほぼ全ての乗用車に標準搭載、その他市場にも順次拡大していく。 最後にトヨタの役割について山本氏は「自動車会社が社会やお客様に求められているものは何か、お客様に工業製品として喜んでいただけるクルマを提供することに加え、電動化、つながる化、知能化の技術開発を加速することで、単なるクルマ作りの枠を超えて、新しいモビリティのあり方を提供することが自動車会社の使命だ」と述べた。

[ガズー編集部]