2021スーパー耐久富士24時間 モリゾウ選手、何が何でも水素エンジンで24時間完走したい
2021年5月22日(土)-23日(日)に富士スピードウェイでスーパー耐久第3戦 NAPAC富士SUPER TEC 24時間レースが行われている。スーパー耐久は年間数戦行われるが、基本3時間もしくは5時間のレースであり、24時間は年間1回だけのお祭り的なレースだ。
そしてこの24時間耐久でスーパー耐久にデビューするのが、ROOKIE Racing(ルーキーレーシング)のカローラスポーツ水素エンジン車(32号車ORC ROOKIE Corolla H2 concept)だ。ドライバーは、WEC、SUPER FORMULA、SUPER GTなどの豪華なドライバーをそろえる。井口卓人、佐々木雅弘、MORIZO、松井孝允、石浦宏明、小林可夢偉の6人。レースを前に行われた会見内容をお届けしよう。
モリゾウ選手 皆で力をあわせて、未来の景色をかえていきましょう
世界初の水素エンジンでのレースチャレンジになる。これは、「GRヤリスの時に妥協でなく努力と執念で出場してきたからだ。そして水素エンジンの車を走らせるために、アイシン、岩谷産業、FIA、スーパー耐久機構事務局、福島県浪江町など多くの関係者の協力があることを世界中の人に伝えたい。だからこそ24時間、何が何でも完走したい」と語った。
カーボンニュートラルに向けても語った。「カーボンニュートラルに向けていろいろな選択肢をもっている、自動車会社は現地現物でいろんなものにトライをしている。自動車産業は何十年という間様々な技術を磨いてきました、今後30年後にある一つの選択肢ということでなくて、今まで磨き続け、そして蓄積したものも使い方によって未来がある。10年後、20年後の未来をつくるためには今何をするかで変わってくる。今回、ROOKIE Racing(ルーキーレーシング)とTOYOTA GAZOO Racingのロゴが一つの車につくのは歴史的なことだと言った。ROOKIE Racingについては、他社メーカーからこの車使ってよと言われたら検討します。今回は、TOYOTA GAZOO Racingと同じ未来に向けてコラボしてます。皆で力をあわせて、未来の景色をかえていきましょう」
佐藤プレジデント 今ある自働車技術を未来に向けてつなげていく挑戦
水素エンジンの耐久テストは完了し、回転数をあげたテストも行い、レースに向けた準備は整ったと語った。またエンジンはレース用に特別チューニングせず、号口のエンジンをそのままもってきており、24時間走りつづけるために、本来のパワーを20%ぐらい落としているという。車としては、今後の分析に向けて各種ツールなども搭載し、従来のGRヤリスと比較すると200kgぐらい増しているという状態だそうだ。
昨年、スーパー耐久の開幕戦、富士スピードウェイでGRヤリスは1分53秒/周であった。そして、現状の水素エンジンのカローラスポーツは2分4秒/周ということだ。スーパー耐久の中で、32号車ORC ROOKIE Corolla H2 conceptはST-5の上ぐらいのラップスピードになる。そのうえで、今後開発目標は、各種軽量化などによる2分切り。またこのラップタイムを保ちながら少しでも燃費を向上させることも取り組んでいる。なお、細かい話になるが、圧縮比はGRヤリスとは異なるが、ポート形状などはGRヤリスとほぼ共有しているという。
そして、水素移動式ステーションでの水素の連続充填などによる課題については、FIA(国際自動車連盟)と共有していきたい語った。この取り組みの理由を、カーボンニュートラルに向けていかに今ある自動車技術を未来に向けてつなげていくかという挑戦をしているからだと言った。
レースに参加してるのだから、勝ち負けが全てであるのは事実だと思います。自分が学生の時にF1に興味を持ったのも、セナ、プロストのバトル、そしてサーキットに行くと耳栓をしないといけないほどのエンジン音に興奮したからです。だから個人的には電気自動車の静かなレースは、どうしても興奮できないと感じていました。同時に、これが未来なんだろうと諦めてました。多くの人がそうだっとのかなと思います。今回、32号車ORC ROOKIE Corolla H2 conceptはST-Qクラスという、メーカー開発車両が参戦できるクラスであり、ポイントはつきません。しかし、この取り組みに対して多くの応援者がいるということは、カーボンニュートラル後も、あのエンジンの甲高い音のある、ワクワクするレースを期待している人が多くいるのだと感じました。
(GAZOO編集部 岡本)
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