トヨタ、立って乗る3輪BEVモビリティ「C+walk T」を発売。歩行者と共存するモビリティに挑戦

トヨタ自動車は、10月1日に歩行領域での新たなモビリティシリーズとなる、3輪の立ち乗り電動モビリティ「C+walk T(シーウォークティー)」の発売を開始した。またレンタリース店でも取り扱うという。

「C+walk T」は、立った姿勢での乗車するモビリティで、乗り降りがしやすいよう高さを150㎜と低くおさえたフラットなステップの3輪BEV。電動車として環境への配慮に加え、「人間ひとりのスペースに限りなく近いコンパクトなサイズとし、人の歩く速さで移動することで、周りの歩行者と横並びで会話ができるなど歩行空間での高い親和性を追求」している。
また、走行時には前方の人や障害物との衝突を回避する障害物検知機能も搭載している。

職場や公園、広大な施設などでの法人の利用も想定、関連法規の改正動向も踏まえつつ、将来的には公道での使用も見据えているという。

なお、「C+walk」シリーズの座り乗りタイプ、車いす連結タイプについても、市販化に向けて現在開発を進めているという。

C+walk T価格の価格帯(消費税込)

原動機:
ブラシレスDCモーター
バッテリー:
リチウムイオンバッテリー
駆動:
前輪駆動(FF)
価格:
[C+walk T] 341,000
[“Safety support”] 354,200

「C+walk T」は安全・安心に配慮した歩行者との共存を目指したモビリティ

①「C+walk」シリーズならではの人にやさしいシンプルな操作系

  • ハンドル左右にあるアクセルレバーを押すと進み、離すと止まる簡単な操作
  • 左右両手で操作可能なブレーキレバーを装備
  • バックボタンを押すことで後進可能
  • 人間工学に基づいたハンドル角度やグリップ形状、レバー/ボタンの配置
  • バッテリー残量や速度がひと目で判る状態表示パネル
  • バッテリー電源スイッチONの上、専用キーを認証エリアにかざしシステムを起動
  • 脱着式リチウムイオンバッテリーは付属の専用充電器(AC100V)で、およそ2.5時間で充電が可能
  • ハンドルまわり<オプション装着車>

②周囲の歩行者との共存を追求した走行性能

  • インホイールモーター方式を採用
  • フロントのホイール内にブラシレスDCモーターを配置
  • 人が「歩く」速度域での移動で、1回の充電での連続走行距離約14kmを達成
    (社内測定値。気温20℃、搭乗者の体重70kg、速度6㎞/hで平坦路移動した場合)
  • 最大ハンドル角90度、最小回転半径0.59m

 

③歩行領域になじむスリムなフォルム

  • 人間ひとりのスペースに限りなく近い、全長700㎜(歩幅程度)と全幅450㎜(腰幅程度)のボディ
  • ステップ高150㎜と低く段差のないステップ
  • ハンドルステム部(フロントフォーク上端とハンドル下端部中央とを繋ぐ部分)からシームレスにつながる樹脂ボディには、ワンタッチで脱着可能な取換式バッテリーを内包
  • ボディカラーには、ブラックを基調に、樹脂のウォームグレイと組み合わせたツートーンカラーを採用

 

④安全・安心への配慮

  • 走行時前方の人や障害物との衝突回避に寄与する障害物検知機能を設定。“Safety support”に標準装備
  • ボディ前面の周辺検知センサーが検知すると警告音とパネル表示で警告し約2㎞/hまで減速
  • 操舵角を検知して走行速度を抑制する旋回速度抑制機能を標準装備
  • 急斜面進入を通知し降坂時に自動減速する急斜面検知機能も採用
  • パンクの心配がないノーパンクタイヤを採用

 

トヨタ自動車は発表に際し、「すべての人が自由に移動できる、より良いモビリティ社会の実現に向け、様々な選択肢を用意。『C+pod』や『C+walk』シリーズは、利用者の行動範囲を広げ“笑顔”にするモビリティとして、ライフステージを支え、従来にはなかった新たなモビリティの価値を提案します。トヨタは、お客様が『使いやすい、乗りたい』と感じて受け入れてくれるモビリティを提供し続けることで、より多くの人が“幸せ”になることをサポートしていきます」とその思いを語っている。

クルマのみならず、歩行領域というより普段の生活に密着した分野でも、移動の楽しみ、可能性を広げようとするトヨタの試みは、まだ始まったばかりだ。
しかし、実際に製品を開発することで、実証的な知見が蓄積するとともに、環境や法律を加速度的に整備することが可能になるのは間違いない。

すべての移動が、環境にやさしく、シームレスにつながる未来が、また一歩近づいたように感じられるのは、編集部だけではないだろう。

C+walk T 主要諸元

   
(標準) Safety support
全長×全幅×全高 (mm) 700×450×1,210
ステップ高 (mm) 150
車両重量 (kg) 29
最小回転半径 (m) 0.59(その場旋回可)
乗車定員 (名) 1
身長制限:140cm~185cm
体重制限:100kg*1
モーター 種類 ブラシレスDCモーター
定格出力 (kW) 0.25
最高出力 (kW) 0.35
動力用主電池 種類 脱着式リチウムイオンバッテリー
容量 (Ah) 10.8
総電圧 (V) 25.2
総電力量 (kWh) 0.27
連続走行距離 (km) 約14*2
充電時間 普通充電 単相100V/6A 約2.5時間(満充電)*3
最高速度設定 (km/h) 2、3、4、5、6、10*4(切替可)
実用登降坂角度 (度) 6
段差乗り越え高さ (mm) 25
段差降り高さ (mm) 50
溝乗り越え幅 (mm) 100
操作方法 ハンドル型
ブレーキ Fr:ドラム式、Rr:無
タイヤサイズ (in)
Fr:10、Rr:6
(ノーパンクタイヤ採用)

*1 社内測定値。荷物などを含んだ重量
*2 社内測定値。気温20℃、搭乗者の体重70kg、速度6km/hで平坦路移動した場合
*3 時間は目安であり、気温や電源の状態により充電時間は異なる
*4 10km/hは熟練者用

▽C+walk T の詳細は、こちらをご覧ください。
https://toyota.jp/cwalkt/


トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。

SDGsへの取り組み:https://global.toyota/jp/sustainability/sdgs/

[ガズー編集部]