トヨタ、2022年のWRC参戦ドライバーを発表。全戦にエバンスとロバンペラ、ラッピが復活しオジエとシートをシェア
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、新たなマシンレギュレーションが採用される2022年のFIA世界ラリー選手権(WRC)に参戦する、ドライバーとコ・ドライバーを発表した。トヨタで3年目を迎えるエルフィン・エバンス、カッレ・ロバンペラ、セバスチャン・オジエに加え、2017~2018年にかけてトヨタに所属していたエサペッカ・ラッピが復帰した。
WRCは、2022年シーズンから現行のWRカーに替わり、ハイブリッドシステムを搭載する『Rally 1』がトップカテゴリーとなる。そうした変革のシーズンでありマシンの開発を進めるべく、WRC優勝経験のある強力な4人のドライバーラインナップを揃えてきた。エバンスとロバンペラは全戦で新しいRally 1をドライブし、今シーズン限りでフルタイム出場の終了を公言しているオジエは、ラッピと三台目のシートをシェアしてシーズンを戦っていくこととなった。
TOYOTA GAZOO Racing WRC 2022 ドライバー/コ・ドライバー
エルフィン・エバンス/スコット・マーティン
カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン
セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラ
エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム
エバンスとコ・ドライバーのスコット・マーティンは2020年にトヨタに加入、その年のラリー・スウェーデンとラリー・トルコで優勝し、オジエと最終戦までドライバー選手権を争いランキング2位を獲得している。2021年シーズンも、ラリー・ポルトガルとラリー・フィンランドで優勝し、昨年同様オジエとタイトル争いを演じている。
2021年のラリー・エストニアでWRC最年少記録となる20歳で初優勝を飾ったロバンペラとコ・ドライバーのヨンネ・ハルットゥネンも、2020年にトヨタに加入。2021年はアクロポリス・ラリー・ギリシャでも優勝利を挙げるなど、注目度No.1の若手ドライバーだ。
37歳を迎えたオジエは、2013年~2018年、そしてトヨタに移籍した2020年と通算7度のドライバーズタイトルを獲得している名ドライバーだ。2021年シーズンも、ラリー・モンテカルロ、クロアチア・ラリー、ラリー・イタリア・サルディニア、サファリ・ラリー・ケニアと4勝を挙げ、2位のエバンスに24ポイント差を築きドライバー選手権をリードしている。
オジエはWRCフル参戦は2021年が最後としているが、長年オジエとコンビを組み世界タイトルを獲得してきたコ・ドライバーのジュリアン・イングラシアも、今シーズンでそのキャリアに幕を下ろすことになっている。
2022年にオジエとコンビを組むコ・ドライバーは、これまでにもテストや、ターマックラリーにおけるグラベルクルーとしてオジエととともに仕事をして来ている、ベンジャミン・ヴェイラが務めることとなっている。
今回、チームに加入することが発表されたラッピは、トヨタが初参戦した2017年のドライバーのひとりで、WRカーでの参戦経験4戦目で母国ラリー、フィンランドでWRC初優勝を飾っている。2018年は表彰台に3回立つなど速さを見せており、2019年はシトロエン、2020年はMスポーツでWRCの参戦している。2021年は先日のラリー・フィンランドでは、コ・ドライバーのヤンネ・フェルムとともに、プライベーターとしてヤリスWRCのステアリングを握り、総合4位でフィニッシュしている。
新時代を迎えるWRCはハイブリッドシステムを搭載することとなり、世界耐久選手権(WEC)などでもレーシングハイブリッドの技術を磨き続けているトヨタにとって、マシン開発においてはライバルに有利に進めることができるかもしれない。
ドライバーラインナップもトヨタというチームをよく知るドライバーを揃えていることで、継続性を持って開発を進められるだろう。
しかし、どのマニュファクチャラーも同じスタートラインにから迎える2022年シーズン、どのようなレース展開、そして技術競争を見せてくれるのか、非常に楽しみだ。
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamチームメンバーのコメント
<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>
2022年、そしてWRCの新しい時代に向けて、このような強力なドライバーラインアップを実現することができて大変嬉しく思います。タイトルを狙えるドライバーとして、エルフィンとカッレが引き続き我々と一緒に戦ってくれるのは、本当に喜ばしいことです。エルフィンは非常に安定したドライバーですし、マニュファクチャラーズタイトル争いにおいて、常に大きく貢献してくれています。また、ラリー・フィンランドでの優勝でも証明されたように、彼は絶対的に速いドライバーであり、間違いなくチャンピオン候補のひとりです。カッレは、今シーズン本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。常に成長していますし、これからさらに経験を積み重ねていけば、彼もまたチャンピオン候補になるでしょう。セブは偉大なるチャンピオンであり、来シーズンはドライバーズタイトルを狙って戦うことはないでしょうが、それでも我々にとっては本当に貴重な存在です。最後に、エサペッカを再びチームに迎え入れることができて嬉しく思います。彼は以前、我々のチームで勝てることを証明してくれましたし、その後さらに大きく成長したと思っています。彼のモチベーションは非常に高く、先週末のWRカーによる復帰戦では速さを見せてくれました。セブとシートをシェアするのに、エサペッカは最適なドライバーだと思います。チャンピオンシップ争いで我々を支援してくれるだけでなく、自分自身の勝利のためにも戦ってくれることでしょう。
<エルフィン・エバンス>
来シーズンもTOYOTA GAZOO Racing WRTで走れることになり、本当に嬉しいです。このチームでのここまでの2シーズンはとても楽しい日々でしたし、先週末にチームのホームイベントであるフィンランドで優勝できたことは、私にとって特別な喜びです。今、私たちは新しいレギュレーションのもと、新たな時代を迎えようとしています。チームのみんなと協力しながらRally 1カーを開発するのは本当にエキサイティングな仕事ですし、来シーズンは可能な限り最高の結果を出せるように頑張りたいと思っています。その前に、まずは今シーズンをいい形で締めくくり、チームのタイトル獲得に貢献したいと思います。
<カッレ・ロバンペラ>
TOYOTA GAZOO Racing WRTで来年も走る事ができてとても嬉しく思います。このチームでの最初の2年間は本当に良かったと思います。多くのことを学びましたし、大きなプレッシャーを感じることなく、自分らしい走りをしながら学習する機会をチームは与えてくれました。来年はクルマが完全に新しくなり、大きな変化があるため、チーム全体にとって大きなチャレンジになるでしょう。しかし、すでにチームとは親密な関係を築いていますし、一緒になってクルマを開発している時に、ドライバーとして自分のアイディアを提供できるのはとてもポジティブなことです。チームは精力的に仕事を進めていますし、これ以上は望めないくらい、ベストな形で彼らの力になれることに興奮しています。
<セバスチャン・オジエ>
このシーズンが終わり、家族と過ごす時間が増えることが楽しみですが、同時にTOYOTA GAZOO Racing WRTに残り、来年もいくつかのラリーに参戦するチャンスを得られたことを大変嬉しく思います。私が望んでいた、スポット出場の機会を与えてくれたチームには本当に感謝しています。どのラリーに出場するのかはまだ完全には決まっていませんが、マニュファクチャラー選手権でチームをサポートし、クルマを開発するために全力を尽くします。この新世代のクルマがWRCというスポーツに何をもたらすのかワクワクしますし、チームが非常に力を入れて開発していることも知っていますので、とても楽しみです。
<エサペッカ・ラッピ>
TOYOTA GAZOO Racing WRTに復帰することができて、最高の気分です。まるで自分の家に戻ってきたような気持ちです。過去には数々の素晴らしい思い出がありますし、ラリー・フィンランドでチームの人たちと再び一緒に仕事をすることができて、本当に嬉しかったです。ヤリスWRCに乗り込んだ瞬間、これこそ自分のクルマだと改めて感じました。もちろん、来年はクルマが新しくなりますし、自分はまだ乗ってもいませんが、新しいレギュレーションによって大きな変化が起きるように思います。それでも、新しいクルマでラリーに出場できるのは興味深いことですし、将来がとても楽しみに感じられます。
[ガズー編集部]
トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。
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