【ル・マン24時間】8号車GR010 HYBRIDがポール・トゥ・ウィン! トヨタが5連覇&1-2フィニッシュで、平川が日本人5人目のル・マンウィナーに
F1のモナコグランプリ、インディ500に続き、2022年の世界三大レースのトリを飾ったル・マン24時間レース。今年はレースを通じてドライコンディションが続き、セーフティカー出動は1回のみというレースとなった。
序盤からレースをリードしたTGRのGR010 HYBRIDの2台。レース開始直後はポールスタートの8号車がリードするが、何度もトップが入れ替わる展開に。その後7号車がトップに立ちリードを広げるも、一時コース脇にマシンを止める事態が起こった。
システム再起動で走行を再開しピットに戻るとさらなる再起動作業などを行い、このフロントモーター関連の電装系トラブルを解決した7号車は、それまでのレーシングスピードでレースを再開することができた。
3番手以下を大きく引き離していたため2番手でコースに復帰することはできたものの、このトラブルで8号車との差が大きく開き、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3名が駆るGR010 HYBRID 8号車が380周を走り切り、見事ポール・トゥ・ウィンを飾った。
昨年の勝者である小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は8号車と2分1秒222の2位でフィニッシュ。TGRはル・マンで4度目の1-2フィニッシュを果たしている。
8号車をドライブした平川は、ル・マン24時間レースは今回で3度目の出場となるが、初めてTGRのメンバーとして臨んだレースで見事総合優勝、日本人ドライバーとして表彰台中央に上った5人目のドライバーとった。
WEC第3戦として組まれたル・マン24時間レースは、WECの他のレースよりも倍のポイントを獲得できることで、TGRはマニュファクチャラーズランキングで2位のアルピーヌに22ポイント差をつける首位に浮上。
ドライバーズポイントでも、8号車が首位のアルピーヌ36号車に3ポイント差に詰め寄り、7号車は首位と20ポイント差の4位につけることとなった。
次戦のWEC第4戦は、7月10日(日)にイタリア・モンツァにて6時間レースとして開催される。
TOYOTA GAZOO Racingのドライバーコメント
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
亮とブレンドンと共に、表彰台の中央に立つという格別な瞬間を味わい、その後の自分を言葉で表すのは難しいです。
初めて8号車のクルーとしてル・マンに出場した亮と共に優勝できたのは最高です。彼は本当に素晴らしい走りで、その功績を称えたいと思います。
チーム全員、そして、我々8号車のクルーも一切ミスすることなく、車両にもダメージを負わず、完璧なレースを戦い抜きました。
私にとってル・マンでの4度目の勝利、また、TOYOTA GAZOO Racingの5連覇を勝ち取ることができ、信じられない気持ちです。今日達成した偉業を実感するには少し時間が必要になりそうです。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
TOYOTA GAZOO Racingのル・マンでの1-2フィニッシュを達成できて嬉しいです。ハイパーポールでアタックを担当し、ポールポジションを獲得した時も素晴らしい気分でしたが、決勝のチェッカーを受けたときはさらに最高でした。
ル・マンで最後のドライバーを担当しトップでチェッカーを受けたのは初めての体験だったので、フィニッシュラインを越えたときは感無量でした。レース中は結果については考えないようにしています。
レースは、特にトヨタにとっては、最後の最後まで何が起こるかわからないからです。だからこそチェッカーを受けたときには全ての感情があふれ出し、信じられない気分でした。
亮は本当に良いドライバーで、彼が初優勝を果たせたことも嬉しいです。我々は皆、彼のことが大好きで、既に彼は強力なチームの一員です。
また、7号車のクルーとの関係も良く、レースの大半で、素晴らしいバトルを楽しむことができました。バトルの間はずっと全開でしたが、彼らにトラブルが発生したあとは、リスクを最小限に抑えて走りました。
平川亮(8号車 ドライバー):
伝説のドライバーが並ぶ、ル・マンウィナーのメンバーリストに名を連ねることができ、光栄です。正直なところ、まだ夢が叶ったという実感がありません。
ずっと接戦で、特に7号車とは素晴らしいバトルができました。私がチームに加わって以来、沢山助けてくれたセバスチャンとブレンドンには本当に感謝していますし、彼らと同じチームでドライブでき光栄でした。
TGRのメンバーとして初めてのル・マンで1-2フィニッシュを飾れたというのも最高ですし、ハードワークを続けてくれたチーム全員に感謝します。我々8号車は戦略もピットワークも完璧でしたし、一切トラブルも起こらないレースでした。これ以上のものは望めないと思います。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
8号車で優勝を果たしたセバスチャン、ブレンドン、亮の3人を祝福します。残念ながら我々の7号車は朝方、トラブルに見舞われリードを失ってしまいました。
8号車とはそれまでずっと僅差の良いバトルを繰り広げていただけに、トラブルは本当に残念です。24時間レースではこういうことも時々起こります。
とはいえ、7号車が無事にレースに復帰し、TOYOTA GAZOO Racingの2台が同一周回の1-2でフィニッシュできたことはチームによる素晴らしい努力のおかげです。
このレースウィーク、本当に頑張ってくれたマイクとホセ、そして、7号車のクルーにも感謝します。1-2フィニッシュを目指してル・マンに挑みましたが、チーム全員の頑張りによりそれを達成することができ、本当に感謝しています。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
ここル・マンにはあまり好かれていない気がします。いつも何かが起こってしまいます。昨年は勝つことができましたが、それまで何度もここで厳しい思いをしてきました。
優勝したチームメイトの8号車、特に亮はおめでとう。初挑戦で優勝できるというのは格別でしょう。
可夢偉とホセと共にレースを戦うのはいつも喜びであり、ル・マン勝利に全てを捧げてきましたが、あと一歩届きませんでした。とはいえ、チームの1-2フィニッシュと、TOYOTA GAZOO Racingの5連覇は素晴らしい結果で誇りに思いますし、東富士やドイツ・ケルンのチーム関係者全員に感謝します。
まだWECのチャンピオン争いは3戦残っているので、気持ちを切り替えてプッシュしていきます。
ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
ル・マンで優勝できなかったのは悔しいです。しかし、我々はチーム全員が勝利を目指して戦っており、負けを認めてチームが1-2フィニッシュを果たせたという好結果を素直に喜びたいと思います。
8号車のクルー、おめでとう。素晴らしい戦いぶりでした。
ほぼ完璧なレースを戦う中、ハイパーカークラスのライバルは皆、何らかのトラブルに見舞われたこともあり、我々2台は大きく差を広げることができました。その後も完璧を目指して戦い続け、GR010 HYBRIDの速さも示せて勝利も見えていただけに、トラブルに見舞われたのは本当に悔しいです。
しかし、チームのおかげでコースに復帰し、戦い続けることができました。TOYOTA GAZOO Racingの1-2フィニッシュに貢献できたことには満足しています。
WEC第3戦ル・マン24時間 決勝最終結果(総合順位)
1位 No.8 Hypercar H
セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮
TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID
380Laps
2位 No.7 Hypercar H
マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID
2'01.222
3位 No.709 Hypercar
ライアン・ブリスコー
リチャード・ウェストブルック
フランク・マイルー
グリッケンハウス・レーシング/グリッケンハウス 007 LMH
5Laps
4位 No.708 Hypercar
オリビエ・プラ
ロマン・デュマ
ルイス・フェリペ・デラーニ
グリッケンハウス・レーシング/グリッケンハウス 007 LMH
10Laps
5位 No.38 LM P2
ロベルト・ゴンザレス
アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ
ウィル・スティーブンス
JOTA/Oreca 07-Gibson
11Laps
[GAZOO編集部]
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