新型プリウスはPHEVとHEVで3つのパワーユニットを設定。PHEVが大きく進化した理由とは?
・プラグインハイブリッドシステム(2.0L)
・シリーズパラレルハイブリッドシステム(2.0L)
・シリーズパラレルハイブリッドシステム(1.8L)
という、3つのパワーユニットが用意されることとなった。
これらの第5世代となるパワートレーンは、「高い燃費性能とずっと乗っていたくなる気持ちのいい走りを高次元で両立」しているというが、その新開発された内容について開発者に伺った。
100km/h到達まで3秒短縮! 大幅に進化したPHEV
今回のプラグインハイブリッドシステム(PHEV)は、電池もモーターもパワーコントロールユニットもすべて新開発したシステムであり、搭載された車両も初めてとなる。
システム全体の最高出力は164kW(223PS)となるが、120kWまで引き上げたモーターの出力を活かし切れること、またEVでの走行距離も50%以上となるよう、電池の容量も増やしている。
このPHEVでの加速性能は、0km/h-100km/hが6.7秒になっているという。「現行のシステムでは10秒くらい」というからその性能の向上には驚かされるが、これだけ向上してきた理由は一昨年に発売されたRAV4 PHEVにあるという。
「以前のプリウスPHEVはモーターが小さかったんですよね。そのためジェネレーターというモーターを使って、EV走行だけの時は2つのモーターを使って出力が出るようなシステムでした。ただ、エンジンがかかっている時はモーターの出力に制限がかかってしまっていました。
今回の第5世代のPHEVはモーターを大きくしていますし、エンジンがかかった時もモーターの出力を最大限活かすことができるようにしたので、これだけのタイムを出せるようになりました。
なぜそのような開発をしたのかと言いますと、一昨年にRAV4 PHEVが出て、あの走りが非常に評判が良かったんです。ですので、それと同じ思想で今回開発してきました。
現在のプリウスはEVで走行している時の評判が良いことと、RAV4 PHEVはエンジンかかった時により楽しめるという評判の良さ、その両方をうまく活かすようなシステムとなっています」
ただ、PHEVの出力だけを上げてしまうと車としてはフラフラした走りになってしまうそうだ。しかしこの新型プリウスには新世代のTNGAが採用され、低重心化と剛性もかなり上がっていることによって、モーターのパワーをボディがダイレクトに受け止めることができるようになった。車のパッケージとしてバンランスが取れていることで、フラットで気持ちのいい走りを実現できているという。
なお、電池自体は旧来型のリチウムイオンバッテリーだが、低重心の実現に向けリアシートの下に収めるために、電池パックとしては新型となっているという。
「アクセルに対してのレスポンスのいい走り」を実現するハイブリッド
ハイブリッドシステムも第5世代のシステムが採用されている。2.0Lのハイブリッドシステムは先日発表したヨーロッパ向けのカローラクロスを皮切りに、日本では初めて搭載されるシステムだという。
1.8Lのシステムは、今年の1月に発表したノア、ヴォクシーに使っているシステムを、電池の搭載位置を変更して使用している。
この新型プリウスが目指す気持ちのいい走りを実現するために、従来型のプリウスの1.8Lではなく、新開発の2.0Lを中心に据えて開発が進められていた。
ただ、購入しやすい価格を求めているお客様や法人のニーズにも応えるべく、1.8Lも用意し、3つのパワートレイン展開となったという。
それでも、どのパワーユニットでも新型プリウスが求める「アクセルに対してのレスポンスのいい走り」に対する思想はどれも同じであり、モーターの出力がPHEVは120kW、2.0LのHEVは83kW(システム全体144kW(193PS))、1.8LのHEVは70kW(システム全体103kW(140PS))となっているが、1.8LのHEVでも日常の走行シーンでは十分な走りの良さを体感できるという。
パワーユニットとしては特にPHEVで大きな進化を果たした新型プリウス。出力を大幅に向上させながらも従来型と同等レベルの低燃費を実現し、また車全体のパッケージとしてバランスを取った開発を進めたことで気持ちのいい走りも実現しているという。
多くの車両にハイブリッドが搭載されるようになっているが、これからもプリウスはハイブリッド、そしてPHEVの象徴的な存在としてその名が続いていきそうだ。
(GAZOO編集部)
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