トヨタ、水素エンジンの「GR H2 Racing Concept」を発表。2026年のル・マン24時間に向けて

  • トヨタ、水素エンジンの「GR H2 Racing Concept」を発表。2026年のル・マン24時間に向けて

    水素エンジン+ハイブリッドシステムの「GR H2 Racing Concept」

6月9日、トヨタは100周年という記念の年を迎えたル・マン24時間レースが行われるサルト・サーキットで、2026年から設けられる水素カテゴリーに向けた水素エンジン車両のコンセプトカー「GR H2 Racing Concept」を発表した。

5月、ス―パー耐久第2戦の富士24時間レースが行われた富士スピードウェイに、ル・マン24時間レースを主催するACO(フランス西部自動車クラブ)の会長であるピエール・フィヨン会長来場した。
その際に行われたTOYOTA GAZOO Racingの会見で、2026年からル・マン24時間レースに「水素カテゴリーへ燃料電池車両に加え水素エンジン車両の参戦を認める」ことを発表し、モータースポーツファンに大きな驚きを与えた。

 
  • トヨタ自動車佐藤恒治社長、マツダの毛籠勝弘取締役専務執行役員、ACOのピエール・フィヨン会長、スーパー耐久機構の桑山晴美事務局長

    スーパー耐久第2戦富士24時間で行われたTOYOTA GAZOO Racingの会見に登場したACOのピエール・フィヨン会長(右から2番目)

その熱も冷めやらぬ6月9日、今度はル・マン24時間の会場でのACOのプレスカンファレンスにトヨタ自動車の豊田章男会長が登壇し、ル・マン24時間レース100周年の祝辞を述べるとともに、「GR H2 Racing Concept」を発表した。

デザインイラストが公開された「GR H2 Racing Concept」は、特にフロントフェイスが印象的で左右に伸びたデイライトと、左右のフェンダーをつなぐ流麗なデザインが、現行マシンのGR010 HYBRIDとは異なる印象だ。
パワートレーンは水素エンジン+ハイブリッドシステムで、全長×全幅は5,100mm×2,050mmとなっている。
 
「GR H2 Racing Concept」の実車は、ル・マン24時間レース期間中、ACOのH2ビレッジにて展示される。またこのH2ビレッジや会場内では、FCEV(燃料電池車両)のMIRAIから電気を供給しているテントや移動型の水素の電源供給システムのコンセプトモデル、さらに先日の富士24時間レースでも展示されていたMIRAIスポーツコンセプトなども展示されている。

さらに、2022年の12月にタイで行われた「IDEMITSU 1500 SUPER ENDURANCE 2022」(25時間レース)に参戦した水素エンジン車両「ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept」も展示されたり、移動用に水素を燃料とするバスも使われるなど、多くの水素に関する展示や取り組みがなされ、2026年からの水素カテゴリーへの本気度も伺える。
 
予選では、フェラーリAFコルセの51号車フェラーリ499Pがポールポジションを獲得し、50号車が2番手とフェラーリ勢がフロントロウを独占。「ルール外の性能調整」により苦戦を強いられているというTOYOTA GAZOO Racing勢は3番手と5番手から6連覇を目指す。

レースの模様はJ SPORTSでの有料放送のほかオンボード映像などがあるが、TOYOTA GAZOO Racingのホームページで公開されている「視聴・情報収集ガイド」が分かりやすいため、気になる方はぜひともチェックして欲しい。
 

激闘の火ぶたは、日本時間6月10日(土)の23:00に切って落とされる。

(GAZOO編集部)