トラスト、HKS目線で見たマレーシアのカスタム市場や特徴は?【東京オートサロン・クアラルンプール 2023】

  • トラスト、HKS目線で見たマレーシアのカスタム市場や特徴は?【東京オートサロン・クアラルンプール 2023】
カスタムカーの祭典として知られる『東京オートサロン』の公式イベントとして、マレーシアで初開催となる『東京オートサロン・クアラルンプール2023』が、現地時間の6/8 10時に開幕した。
このイベントには現地のカスタムカーやメーカー・ショップはもちろん、日本からも14台のカスタムカーが招待車両として海を渡り、会場に展示されている。

この初開催イベントに車両を展示するにあたり、日本のパーツメーカーはどのように捉えているのか? 今回は総合チューニングパーツメーカーのトラストとHKSの担当者にお話を伺ってみた。
 
  • トラストの「GReddy Stance RZ34」

    トラストの「GReddy Stance RZ34」

日本から『GReddy Stance RZ34』を送り出したトラストの広報・川島さんにお話を伺った。

「フェアレディZなどだけでなく、今年の東京オートサロンで展示していたハイラックスやパーツ開発に力を入れているジムニーなどはアジアでも人気が高く、注目度が高いんです。

東京オートサロン2023では、コロナ禍を経て海外からの来場者が戻ってきたこともあり、海外でパーツ販売を望む声などもたくさんいただきました。今回は車両展示を機にマレーシアや東南アジアのカスタム情報を収集するために開発担当の2名が現地入りしますよ」とのこと。
 
  • 東京オート差サロン クアラルンプール2023のトラストの展示ブース

    東京オートサロン・クアラルンプール2023のトラストの車両が展示されているブース

アメリカではGreddyブランドを運営するGPP(GReddy Performance Products)がパーツ販売を行うなどすでにマーケットができあがっているが、ここ数年はアジアでの展開も視野に入れてきたそうで、東京オートサロンに展示する車両も海外からの来場者に向けた車種もかならず選ぶようにしているという。

特にFJクルーザーのマフラーや、ジムニーのターボチャージャーキットなど、SUVや4WD向けのパーツが人気なのだとか。
今回はマレーシアで初開催の東京オートサロンということで、会場で現地のカスタム事情をチェックするほか、現地ディーラーとのミーティングや、マレーシアで販売されている車両に向けたパーツの開発などの可能性まで視野に入れているそうだ。

実際にイベント会場に訪れた開発部の小野さんによると「会場を見てまわって、事前に聞いていた情報以外にもミニバンのカスタム需要など新しい発見もあったので、今後の参考にしていければと思います」とのことだった。

ちなみに、新型フェアレディZ(RZ34)はマレーシアではまだとても珍しいそうで、注目を集めていた。
 
  • HKS DRIVING PERFORMER GR86 TYPE-R

    HKS DRIVING PERFORMER GR86 TYPE-R

いっぽう、2023年の出展車両である「HKS DRIVING PERFORMER GR86 TYPE-R」と2020年の東京国際カスタムカーコンテストグランプリ車両『HKS GR SUPRA AERO』の2台を展示するエッチ・ケー・エスは、すでにアジアでの展開が進んでいて、タイに現地子会社を有し、マレーシアにも正規代理店が存在するという。
  • HKS GR SUPRA AERO

    HKS GR SUPRA AERO

海外営業部長の宮塚さんによると「現地代理店とはすでに20年ほどのお付き合いになるので、パーツ販売はもちろん、需要や要望も共有しながら展開していますよ。

最近はトヨタ86や日産GT-Rのカスタムが人気で、旧型のホンダ車もいまだにファンが多くマフラーやサスペンションが売れていますね。実はもうすぐFD2(シビックタイプR)用の新作車高調を販売するのですが、これはアジアからの要望が強くて発売を早めたという経緯もあります」とのこと。
 
  • パッケージ車両販売も検討されるHKSのGR86

    東京オートサロン・クアラルンプール2023に展示されているHKS DRIVING PERFORMER GR86 TYPE-R

また、エッチ・ケー・エスは創立50周年を記念してグローバル展開にもさらに力を入れていこうというタイミングであり、今回の東京オートサロンのクアラルンプール開催は絶好の機会だったという。

おなじく創立50周年企画としてプランを模索していた『パッケージ車両販売』のファーストステップとして、今回マレーシアに展示しているスープラとGR86を、コンプリート車両として販売する企画も実施されるのだ。
 
  • 東京オートサロン クアラルンプール2023に現地入りしたHKSのスタッフ
  • 東京オートサロン クアラルンプール2023で来場者とコミュニケーションをHKSのスタッフ
日本から会場に訪れた海外営業部の鈴木さんと内海さんは、現地で人気だというエンジンオイルの営業活動や、現地でカスタムを進める車両の作業サポートなども行う予定だという。

「マレーシアはセパンサーキットなども身近にあり、普段乗りからサーキット走行まで楽しむ“サンデーレーサー"のようなユーザーも多いんです。なので、スポーツ走行を楽しむためのパーツも需要がありますね」と鈴木さん。

「会場の様子をみて、マレーシアはマーケットがさらに拡大していく期待感が大きいです。現地代理店の意向もありますが、スポーツカー以外の商品展開なども相談していきたいと感じました」のとのことだった。
 
  • 日本のチューニングカーも14台展示されている東京オートサロン クアラルンプール2023
主催者によると、ショーカーのベース車両として目新しい新型車が人気のシンガポールなどと比較して、平成初期の日本車など旧型車を大事にカスタムしているクルマも多いというマレーシア。

どちらのメーカーも、日本のカスタムカーを実際に見てもらうだけではなく、日本のカスタムカルチャーをアジアでさらに広めていくための足がかりとして、期待を持って臨んでいることが窺えた。

(GAZOO編集部)
 

東京オートサロン