特価も多数!? 年々注目が高まる群馬パーツショーが「みんなのおかげ」で成長する理由とは?
2024年7月5日~7日まで、群馬県高崎市のGメッセ群馬(群馬コンベンションセンター)で「群馬パーツショー2024」が開催された。このイベントは70社以上のパーツメーカーが出展し「見て、触って、確かめて」パーツを購入(しかも特価で!?)できるというイベント。
そんなイベントを主催するのは群馬トヨタ自動車とネッツトヨタ高崎だ。なぜ新車販売を主に手掛けるディーラーがこのようなパーツの販売イベントを主催しているのか、現地でその様子を確かめるとともに、群馬トヨタ自動車の方にお話を伺ってみた。
「RV-Park」の周年イベントから30年以上の歴史を重ねる群馬パーツショー
2023年7月に開催された前回のイベントでは、1万人を超える来場者で賑わった群馬パーツショー。このイベントのルーツは実は30年以上前にあり、それは群馬トヨタ自動車が1991年に立ち上げた「RV-Park」(以下RVパーク)が自店舗で行っていた周年イベントだという。
その周年イベントの際に当時付き合いのあったアフターパーツメーカーの担当者から、「出張にも経費がかかるし、どうせならブースを構えてパーツを販売させてほしい」という要望があったというところからスタートしたそうだ。
そしてブースを出したパーツメーカーからも反響がよかったこともあり年々規模を拡大していったが、そのブース数が15を超えるころから自店舗では手狭になってきた。そこで2000年からは高崎市内の施設で「RVパーツショー」を開催することとなった。この時は、土日の2日間で約2,000人ほどの来場者があり、30社程度の出展ブースがあったという。
そして2014年からは、スポーツ系のアフターパーツを扱っていたAREA86(現在のGR Garage高崎ICの前身)とも一緒にやろうよという話になり「群馬パーツショー」と名称を変更。さらに年々来場者数が増加し駐車場がキャパオーバーとなってきたため、現在開催しているGメッセに場所を移すこととなった。
2020年から移動しての開催の予定だったが初年度はコロナ禍により開催できず。翌2021年には会場をGメッセに、ネッツトヨタ高崎も主催者に加わるなど新たな体制となり、今年で4回目の開催となる。
2024年の群馬パーツショーは72社のパーツメーカーや地元団体で賑わう
この群馬パーツショーの企画、運営を担当し、「RV-Park」「GR Garage高崎IC」を運営する特車部の重田浩GMにRVパーツショーを開催した当時の様子を伺うと、「お客様にはメーカーの製品企画や開発をしている方からコンセプトを直接聞けたり、ご自身の思いやニーズを直接伝えたうえで納得して、かつお得な価格で商品を購入いただける場を提供したいと考えていました。でも、まだパーツメーカーの方々が直接お客様に物売りをするっていうこと自体が確立されていない時期でもあり、ちょっとギクシャクしていたところもありましたね。当時はインターネットなどもなくその商品がいくらくらいで売られているのか情報がない中で、慣れない値引きの相談などもしていたわけですからね」と振り返ってくれた。
とはいうものの、来場者からは「すごく喜んでいただける感触を得ました(重田GM)」とのことで、来場者数、出展数ともに年々拡大していくこととなった。そして2024年の開催ではパーツメーカーが72社出展、その他にもトヨタL&F群馬、トヨタレンタリース群馬、RIKISOなどのグループ会社のほか、自衛隊や警察署、消防署などの協力による展示や、群馬県の自治体の出展エリアなど、地元密着のイベントとしても親しまれている。
群馬パーツショーは「みなさんのニーズ」のおかげ
こうして年々規模が大きくなり、日本でも有数の「パーツを買いに行くショー」として広く知られるようになった群馬パーツショーだが、重田GMによると「みなさんのニーズが育ててくれたイベント」だという。
「我々が『こういうイベントにしたい』とやってきたというよりも、お客様や一緒にイベントを作ってくれているメーカーの方々のご意見を上手に取り入れながらやってきたら、たまたまというかこういうイベントに成長してくれたと思っています。もちろんその時代ごとのトレンドもありますし、お客様に喜んでもらうために毎年修正は加えていますが、根っこにあるのは自分たちも一緒に楽しめるイベントにしたいということかもしれません」
もう一つ、このイベントがここまで成長した要因として忘れてはいけないのが、群馬トヨタ自動車全社を挙げての強力なバックアップ体制があるからだという。実はこのイベントは、外部のイベント会社などの手を借りず、自社の社員だけで準備から運営まで行っている。
それは群馬トヨタ自動車の横田衛代表取締役社長の想いでもあるというが、実際に社員だけでイベントを運営することで、社内のカンフル剤になっていたり、社員教育にも大いに役立っているという。
このイベントには店舗スタッフ以外の社員と新入社員などを合わせて150人ほどの社員の方が当日の運営に携わっている。普段お客様と接する機会の少ない間接部門の社員の方にとっては、実際にお客様と触れ合うことでいい刺激となっていたり、何なら意気揚々としている社員も多いという。
また新入社員にとっても、今後店舗スタッフとして独り立ちをしていった時にさまざまな提案ができるように、このイベントを通じてアフターパーツの知識やクルマの楽しみ方、楽しんでいるお客様の姿などの“刷り込み”を行っていきたいという。
実際にこのイベントの仕組みとしては、各ブースで商品の購入が決まると、新入社員を中心としたスタッフが群馬トヨタ自動車が用意する会計エリアに案内して購入する形となっている。
お客様を待たせないように常にスタッフは各ブースに気を配り、会計エリアまでの案内や会計中もお客様とコミュニケーションをとり、購入したお客様には笑顔で「ありがとうございました」をお伝えする。
これは一イベントスタッフといった役割ではなく、群馬パーツショーという“一つのお店”で接客を行っているようなものだろう。もちろんパーツメーカーの出展エリア以外にも、通路での誘導や自社で用意するドリンクやおもちゃ・グッズの販売ブース、抽選会場、フードドライブのブース等すべて社員による“接客”が行われているのだ。
こうした手作り感とホスピタリティのあるイベントであるというところも、人気の秘訣なのかもしれない。
群馬パーツショーはこれからもみんなが楽しめるイベントに
重田GMは、今後に向けても大きな変更を加えることなく、お客様、出展者、そして自分たちが楽しめるイベントとして継続していきたいと語ってくれた。そしてその上で「もしリクエストがあれば規模は別として半年に1回開催するというのもあるかもしれません。あとはまだ駐車場のキャパには余裕があるようですが、それが溢れるようなことになれば、なにか考えなきゃいけないですよね」と、あくまでお客様の要望やお客様に不便をかけないというベースを忘れることはなさそうだ。
そして、「県外からお越しいただく方たちにはこのイベントに絡めていろいろと県内観光していただきたいと思っていますし、夏に群馬に来るのが楽しみなんだって言っていただける方が一人でも多く増えていただければ我々にとってもありがたい話かなって思います」と、群馬愛あふれるお話もいただいた。
取材の途中、「20年以上やっていると、僕たちと一緒にパーツメーカーのみなさんも年齢層が上がっているので、それがこのイベントの心配事ですかね」と、冗談とも本気ともとれる笑顔を見せてくれた重田GM。とはいうものの、取材後に会場のあちこちで見かけた重田GMの笑顔は、そんな杞憂とは無縁で、こちらまで楽しい気分にさせてくれるものであった。
(文、写真:GAZOO編集部 山崎)
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