群馬パーツショーが「売れるイベント」という真相に迫る! 出展者が語る生の声をお届け

  • 群馬パーツショー2024の初日の会場
2024年7月5日~7日まで、群馬県高崎市のGメッセ群馬(群馬コンベンションセンター)で「群馬パーツショー2024」が開催された。前身の「RVパーツショー」から数え24回目の開催となるほど長く続いているイベントだが、さらに年々拡大しているのはアフターパーツメーカーがこのイベントを「他にはないパーツが売れるイベント」として口を揃えることが一つの要因だろう。
はたして、どのように「売れるイベント」として浸透することになったのか、出展するパーツメーカーにお話を伺ってみた。

この群馬パーツショーは群馬県の新車販売ディーラーである群馬トヨタ自動車とネッツトヨタ高崎が主催する、「見て、触って、確かめて」パーツを購入(しかも特価で!?)できるというイベントだ。
そのイベントの成り立ちや主催者としての想いなどをまずは下記のインタビュー記事でご覧いただきたい。
昨年は1万人を超える来場者を数えたが、2024年の会場でも取材したのは初日となる平日の金曜日ながら、多くの来場者がブースで熱心に話を聞いていたのが印象的だ。

今年のパーツメーカーの出展社数は72社だが、その中からいくつかのブースで、このイベントが「売れるイベント」と言われるその真意を伺ってみた。

トレイル 廣瀬功さん「群馬トヨタさんはパーツや保安基準を非常に勉強している」

  • 群馬パーツショー2024に出展していたトレイル 廣瀬功さん
まだRVパーツショーとして開催する以前、群馬トヨタ自動車が運営する「RV-Park」の敷地内で行われていた周年イベント時代に初回から出展しているという「トレイル」。
お話を伺った廣瀬功さんは、イベントの企画、運営を行う特車部の重田GMともかなり親し気な様子で「重田さんは本当にいい人」と太鼓判。そんな廣瀬さんはディーラーがこのようなイベントを開催してくれるのは非常にPR効果も高いというが、お客様にとってもメリットが高いという。
「ディーラーさんがやっているので合法のパーツしか販売できないというのが一番ですね。このイベントはそういうパーツが集まっているから、来場者のみなさんも安心してパーツを買うことができますよね」

また他のディーラーでもパーツ販売の経験もあるというが、保安基準適合のパーツやデモカーに対して「ダメと言われたことがある」という。しかし群馬トヨタ自動車ではそのようなことはないようだ。
「重田さんやRV-Parkのスタッフはいろんな部品や保安基準について非常に勉強されていると思います。店舗でのカスタムはもちろん、こういうイベントを企画したり、各店舗からの質問にも答えるような体制になっているわけですからね。その影響か、群馬トヨタさん全体としても勉強されているのを感じます」

トラスト 髙𣘺直樹さん「シビアだけど、一生懸命やれば売り上げにつながる」

  • 群馬パーツショー2024に出展していたトラスト 髙𣘺直樹さん
今回で9回目の出展という総合チューニングパーツメーカーの「トラスト」。86/BRZの開発担当でもある髙𣘺(たかはし)直樹さんは、初めて出展した際、群馬トヨタ自動車が全社を挙げて集客をしっかり行っていることに驚いたといいます。
「パーツを買いに来る来場者の方はもちろん、物産展やお子さま向けの企画もあるので、土日には家族連れも多くて1年に1回のお祭り的な感じで楽しみにしている方が多い印象です」と髙𣘺さん。

出展を始めた当初はディーラーで扱いのあるパーツメーカーという“箔がつく”というメリットがあるのではないかと思っていたというが、実際に続けて出展していく中で「他のイベントに行くよりも、このイベントの方が売れるんです」という。
「群馬トヨタさんは、主催者として一番やるべき集客をしっかりやられています。そこでもし売れなかったら、多分自分たちの頑張りが足りないと感るんですよね。群馬トヨタさんの想いと自分たちの一生懸命が噛み合うとしっかりと売り上げに繋がりますし、ある意味売れるのが必然と感じさせられるのが、他にはないイベントだと感じるところです」

実は、このイベントは群馬トヨタ自動車が会計を担当し、イベントでの売り上げが出展者にも把握できる仕組みとなっている。髙𣘺さんは「シビアな面もありますが、やっぱり火がつきますよね」という。一方では「年間のイベントで唯一単純に楽しいと感じるイベントとも感じています」とやりがいについても語ってくれた。

ブリヂストンタイヤ高崎販売 正田剛志さん「想像以上にタイヤも売れるイベント」

  • 群馬パーツショー2024に出展していたブリヂストンタイヤ高崎販売 正田剛志さん
この群馬パーツショーには国内の主要タイヤメーカーもそれぞれブースを構えている。その中でスポーツタイヤを中心に、主にホイールとのセット販売でお得感を打ち出していたブリヂストンブースにもお話を伺った。

「群馬県では最大規模のパーツショーでタイヤメーカーも国内大手4社が揃うことも珍しいのかなと思います。今回はホイールとセットで弊社がおすすめしたいタイヤを販売する特価品を用意してきました。来場者の方がたくさん乗られていそうな車種や、今流行ってるタイヤサイズとか、人気のパターンのタイヤなど、こういうのを提案したらお客様が喜ぶかなというものを揃えています」

タイヤはタイヤショップなどに行けば見て買うこともできるパーツであるように感じるが、実はスポーツ系のタイヤなどは在庫がある店舗も少なく、メーカー担当者などと話をできる機会も貴重だと考える来場者も多いという。
実際にポテンザブランドのアドレナリンなどが人気で「想像以上に売れる」という印象とのことだ。

キャンパルジャパン(ogawa) 浜田俊郎さん「出展していることが年々広まっている」

  • 群馬パーツショー2024に出展していたキャンパルジャパン(ogawa) 浜田俊郎さん
群馬パーツショーはクルマのアフターパーツをメインとしたイベントではあるが、それ以外にも地域の物産展やおもちゃなどを販売するブースも並ぶ、その中でアウトドア向けのテントやキャンプチェアなどを販売しているブースがあった。
キャンプ好きの方には人気の高いテントを主力とする「ogawa」ブランドの商品を製造販売する「キャンパルジャパン」だ。群馬トヨタ自動車が主催するキャンプイベントなどでもグッズの販売を行っているという。

他のブースを取材している際も、コットやテント、小物などを購入している方に多くすれ違ったが、仕事の合間で来場したと思われるワイシャツ姿の男性やアウトドアウェアを着たカップルやお子さん連れの方など、このogawaブースでの掘り出し物を目当てに来場している方も多い印象だ。

浜田さんにお話を伺うと「このイベントに弊社が出展しているということは年々広まっていると感じていまして、今日(初日の金曜日)も朝からテントを3張ご購入いただいています。群馬県ではogawaのテントを販売しているお店さんがないので、この機会にご覧いただけたらと思います」と、最初から目当ての来場者も多いようだ。

ファミリー系の客層が多くすでに一式を所有している方が多いキャンプイベントとは違い、クルマ系イベントは男性の一人客も多く「『なんでこれ買ったんだろうな』なんて言いながらテントを買っていただいたお客様もいますよ」と新規顧客の開拓にもつながっているという。
  • ランドクルーザー
  • 群馬パーツショー2024の展示車両
それぞれのアプローチに違いはありながらも、この群馬パーツショーの出展者には「売れる」または「売れるのは自分たちの取り組みしだい」という意識があるのがお分かりいただけただろうか。
それは、群馬トヨタ自動車がディーラーであることを生かしながら、それ以上に普段からの勉強やパーツメーカーとのつながりを大切にし、自社による企画、運営で自分たちが「こうあるべきだ」というイベントを作り上げているからに他ならない。

例年7月の上旬に開催されている群馬パーツショー。梅雨の時期ではあるもののぜひとも群馬観光を兼ねて、活気あるイベントの様子を体験してみてほしい。

(文、写真:GAZOO編集部 山崎)
MORIZO on the Road