レクサス RC F に改良新型、軽量なサーキット仕様も登場…デトロイトモーターショー2019

レクサス RC F 改良新型のトラックエディション
レクサスは1月14日、米国で開幕したデトロイトモーターショー2019において、改良新型『RC F』(Lexus RC F)をワールドプレミアした。

『RC F』は、レクサスの2ドアクーペ、『RC』の頂点に位置する高性能グレードだ。ベース車両のRCは2018年秋、パリモーターショー2018で改良新型が発表されたことから、RC Fも内外装などに改良が施された。さらに、改良新型RC Fでは、軽量化や空力性能のほか、パワートレイン、タイヤ、サスペンションなど、あらゆる点に改良を加え、常用域での軽快な走りと限界域における優れた操縦安定性を追求する。

◆自然吸気の5リットルV8は472hp(北米仕様)に強化

改良新型RC Fでは、2UR-GSE型5.0(4968cc)リットルV型8気筒ガソリン自然吸気エンジンを強化した。自然吸気エンジンならではのリニアな加速フィーリングを際立たせるため、エンジン出力を向上させるとともに、エアクリーナー形状の変更による吸気性能向上とスロットル制御の改良により、アクセルレスポンスを向上させた。

また、ディファレンシャルのローギア化を図ることで、サーキット走行におけるアクセルでの車両コントロール性を向上させた。レクサスによると、市街地走行でも軽快な走りを感じることができるという。

改良新型のエンジンのスペックは、北米仕様の場合、最大出力472hp/7100rpm、最大トルク54.6kgm/4800rpmを引き出す。従来モデルの467hp、53.8kgmに対して、パワーは5hp、トルクは0.8kgm引き上げられた。エンジントルクを制御し、発進時のタイヤ空転を防ぐローンチコントロールを新採用する。これにより、鋭いスタートダッシュを可能にし、0~96km/h加速は4秒と、従来の4.4秒から0.4秒の短縮を果たす。

◆モータースポーツのノウハウを導入して空力性能を向上

改良新型のエクステリアは、「レース育ちのスタイリング」をコンセプトに、モータースポーツで培われた空力デバイスや形状をスタイリングに織り込んだデザインとした。

具体的には、フロントバンパーコーナーにカナード形状を取り入れてダウンフォースを高めた。サイドのロッカーモール後端にアンダーカット形状を作ることで、リアタイヤ周辺の乱気流も抑制するなど、空力性能の向上を目的としながら、「F」としての独自性を狙ったデザインとした。また、前後のホイールハウスにダクトを設けることでホイールハウス内に溜まった空気の圧力を低減させ、最適なコーナリング姿勢やステアリングの応答性向上を追求する。

運動性能向上を狙って、車両重量の軽量化にも取り組んだ。従来モデルに対して、20kgの軽量化を実現する。限界領域でのコントロール性の向上を目的に、トレッドパターンひとつひとつのコンパウンド材質までこだわり、タイヤを新開発した。これにより、サーキット走行などにおいて、優れた操縦安定性を追求する。

◆サーキット志向の新グレードを設定

改良新型RC Fには、新たに「トラックエディション」を設定する。RC Fのパフォーマンスをさらに高めて、よりサーキット志向を強めた新グレードとなる。

『RC Fトラックエディション』では、日本のSUPER GTや米国のデイトナ24時間レースなど、モータースポーツで培った技術を応用し、エンジンフード、ルーフ、フロントスポイラーなどを、CFRP(カーボンファイバー強化樹脂)に変更した。さらに、カーボンセラミックブレーキ、チタンマフラー、専用アルミホイールの採用により、従来モデル比で70kgの軽量化を達成する。また、専用デザインのカーボン製リアウイングを採用した。ベース車両のRC Fのアクティブリアウイング以上の高いダウンフォースと低いドラッグを可能にし、高速走行時の安定性と高速域の伸び感を追求している。

(レスポンス 森脇稔)

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