トヨタ RAV4 新型に初のPHV、2020年後半に欧州導入へ

トヨタ RAV4 新型のPHV(欧州仕様)
トヨタ自動車の欧州部門のトヨタ・モーター・ヨーロッパは1月14日、新型『RAV4』のプラグインハイブリッド車(PHV)を2020年後半、欧州市場に導入すると発表した。

◆PHVシステム全体で306hpのパワー

歴代RAV4にPHVが設定されるのは、新型が初めてだ。新開発のPHVパワートレインは、新型『RAV4ハイブリッド』の直噴2.5リットル直列4気筒ガソリンアトキンソンサイクルエンジンに、強力なモーターを組み合わせたもの。「TNGA」による新型2.5リットル「ダイナミックフォース」エンジンの高い燃焼効率と高出力とのシナジーにより、優れた動力性能や低燃費を追求した。

エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体で、306hpのパワーを引き出す。この数値は、新型RAV4ハイブリッドの222hpに対して、84hpの上乗せとなる。

駆動方式は、新型RAV4ハイブリッドと同様、電気式4WDシステムの「E-Four」とした。最新のE-Fourは、トヨタのAWD-iインテリジェント電動4WDシステムだ。電気で駆動する後輪の最大トルクを、増やしたのが特長。走行状態に応じて適切に後輪にトルクを配分する新制御を採り入れ、高い走破性と優れた操縦安定性を追求している。

◆0~100km/h加速は6.2秒

強力なPHVパワートレインを得た新型RAV4のPHVは、0~100km/h加速を6.2秒で駆け抜ける。新型RAV4ハイブリッドの0~100km/h加速8.1秒に対して、およそ2秒の短縮を果たした。トヨタによると、0~100km/h加速6.2秒と306hpのパワーは、RAV4史上、最速かつ最強という。

また、「ヒートポンプオートエアコン」を最適化して搭載した。高効率な電力消費を実現するなど、PHVに求められる高い環境性能を追求する。また、大容量バッテリーの利点を生かして、災害時に役立てるよう、駆動用電池に蓄えた電力を最大1500Wの出力で家電などへ供給できる外部給電機能も採用している。

◆EVモードはクラス最長の最大65km

二次電池は、大容量のリチウムイオンバッテリーだ。このバッテリーを床下に搭載することにより、ガソリン車の新型RAV4と同等の室内空間を確保した。また、低重心化により走行安定性の向上にも貢献するという。

EVモードでは、クラス最長の最大65kmをゼロエミッション走行できる。この時の最高速は135km/hだ。この効果で、欧州での環境性能は、CO2排出量が29g/km以下(WLTP計測モード)。トヨタによると、RAV4史上、最も環境性能に優れると同時に、DセグメントPHVのAWD SUVセグメントにおいて、最高の環境性能という。この他、合計で4種類の運転モードが切り替えられる。

◆専用デザインの内外装

エクステリアのデザインには、専用ミッドグリルとロアバンパーを採用した。さらに、メッシュグリルでスポーティさを際立たせ、ピアノブラックのアクセントで、高級感を高めている。足元には、18インチまたは19インチの専用アルミホイールと大径タイヤを設定した。

さらに、ボディ下部をブラックで塗装し、ブラックルーフと合わせて、コーディネートされた。インテリアは、視認性を高めるヘッドアップディスプレイや、大型9インチディスプレイオーディオを、新型RAV4シリーズで初採用する。ステアリングホイールには、パドルシフトも設定している。

新型RAV4のPHVは2020年後半、欧州市場に導入される予定だ。トヨタは、新型RAV4のPHVがRAV4シリーズをリードし、トヨタのハイブリッド車のラインナップの新しいフラッグシップになる、としている。

(レスポンス 森脇稔)

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