野菜が楽器になる「LEXUS DESIGN AWARD 2017」受賞作品が青山にて凱旋展示中

「LEXUS DESIGN AWARD 2017」の受賞作品『PLAYER'S PFLUTE』
LEXUSが運営するカフェ・フードラウンジ「INTERSECT BY LEXUS(東京・青山)」にて、国際コンペティション「LEXUS DESIGN AWARD 2017」の受賞作品が展示中だ。期間は9月8日まで。

LEXUS DESIGN AWARDとは、毎年イタリアで開催されるミラノデザイウィークのなかのイベントのひとつ。デザインを重視するLEXUSが、次世代のクリエイターの育成と支援を目的に、2013年に創設された。5回目の開催となった今年は、世界63ヵ国から1152もの作品が応募された。

8月25日には受賞者のひとりJia Wu氏(ジア・ウー)が会場に訪れ、自身の作品『PLAYER'S PFLUTE(プレイヤーズ・プフルート)』の解説やデモンストレーションを行った。ウー氏の作品は、野菜から楽器を作るツールセット。野菜に穴を開けるパンチャーや息を吹き込むマウスピースなど、カラフルでかわいい15個のパーツで構成されている。

展示されていたキュウリを使って実際に演奏してみると、おもしろいように音が出た。ピーマンのような中空の野菜は穴を開けるだけで楽器になるが、キュウリのような実の詰まった野菜は、付属のドリルでくり抜いて加工する。他にもナスやカボチャ、ゴーヤなど、さまざまな「野菜の楽器」が展示されていた。

現在、イギリスの大学院でプロダクトデザインを学ぶウー氏がPLAYER'S PFLUTEを作るきっかけとなったのは、「音楽教師をしている友人の存在が大きかった」と語る。ウー氏は「本物の楽器は難しそうに見えるが、野菜を使った楽器ならば面白い。これなら音楽に興味を持ってもらえるかもしれない」と考え、開発をスタートした。後に完成したプロトタイプを音楽教師の友人に渡したところ、効果は抜群だったそうだ。

野菜で作った楽器は、野菜の種類が同じでも長さや形によって音色が変わる。さらに使った後は調理をして食べられるので、音楽と野菜、どちらにも興味を持ってもらえる。食育にも優れた、すばらしい作品である。

会場ではいますぐにでも販売できそうなPLAYER'S PFLUTEが展示してあったが、これはプロトタイプなので販売時期は未定。LEXUS DESIGN AWARDの受賞者は、LEXUSが用意した著名なメンターからの指導を受けられ、商品化に向けてさまざまなアドバイスをもらえる。ウー氏の作品は、著名なプロダクトデザイナー、Max Lamb(マックス・ラム)氏がサポートしており、現在は商品化に向けて、さまざまな改良を行っているとのこと。

ウー氏に受賞からいままでの感想を聞くと、「メンターから指導を受けられる期間は3ヵ月。毎日がとても忙しいが、これほど著名なデザイナーから教育を受けられる機会はめったにないので、LEXUS DESIGN AWARDに応募して本当によかった」と嬉しそうに語っていた。

(レスポンス 佐藤隆博)

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