【WEC 第5戦】メキシコを1-2で制し、ポルシェが3連勝…トヨタ完敗

WEC第5戦メキシコはポルシェが1-2フィニッシュ、トヨタは3-4位に敗れる。
世界耐久選手権(WEC)第5戦の決勝6時間レースが現地3日、メキシコシティのエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行なわれ、最高峰「LMP1-H」クラスではポルシェが1-2フィニッシュを達成、3連勝を飾った。トヨタ勢は完敗の3-4位。

ポルシェの今季限りでのLMP1撤退表明後、最初のレースとなったWEC第5戦メキシコ。懸念された空模様もコース状態に決定的な影響を及ぼすことはなく、野球のボールと見られるものがコースに入ってくるという珍事こそあったものの、レースは比較的平穏な展開に終始した。

予選で1-2を固めたポルシェ919の2台は、決勝でもトヨタTS050の2台(予選3-4位)を圧倒し続ける。レース中盤にはトヨタ勢を周回遅れにして、そのまま1-2フィニッシュを達成、第3戦ルマンからの連勝を3に伸ばし、トヨタとの今季対戦成績も3勝2敗と勝ち越した。ドライバーとマニュファクチャラーの両チャンピオン争いもさらに優位に進めることとなっている。

優勝は#2 ポルシェ(T.ベルンハルト & E.バンバー & B.ハートレー)で、このトリオもルマンから3連勝。#1 ポルシェ(A.ロッテラー & N.ジャニ & N.タンディ)が2位に続き、2戦連続の1-2フィニッシュとなった。

優勝したベルンハルトは「我々のチームにとってビューティフルな一日になった。この週末は本当に良かったよ。マシンは安定して速かったし、戦略も正しかった。すごく楽しめたね。最後は(後方との)ギャップをコントロールしたくらいだ」と完勝劇を振り返っている。

トヨタ勢はドライバーズランキングで自陣上位の#8 トヨタ(中嶋一貴 & S.ブエミ & A.デビッドソン)を前=3位に出す格好でレースを終えるのが精一杯の抵抗だった。#7 トヨタ(小林可夢偉 & M.コンウェイ & J-M.ロペス)が4位。8月からチーム代表も務めている村田久武・開発リーダーは「勝利を目指してメキシコに来ましたが、非常に残念なレースとなってしまいました。次戦こそは勝利を争えるよう、努力を続けます」と語っている。

3位 #8 中嶋一貴のコメント
「我々全員にとって厳しいレースとなってしまいましたが、少なくともノートラブルで完走し、表彰台に上がれたことは良しとしなくてはならないでしょう。全体的に厳しいものとなったレースウィークですが、全力を尽くしました」

4位 #7 小林可夢偉のコメント
「ベストを尽くしましたが、残念ながら今日はポルシェにプレッシャーをかけることができませんでしたね。ただ、TS050がこのコースに最適ではないことは分かっていました。次戦は必ず勝利を争えるよう、全力を集中して臨みます」

第5戦メキシコのLMP2、LMGTE-Pro、LMGTE-Amの各クラス優勝は以下の通り。

LMP2クラス優勝 #31 オレカ07・ギブソン(J.キャナル& N.プロスト & B.セナ)
LMGTE-Proクラス優勝 #95 アストンマーティン(N.ティーム & M.ソーレンセン)
LMGTE-Amクラス優勝 #77 ポルシェ(C.リード & M.カイロリ & M.ディエンスト)

LMP2クラスでは、アラン・プロストの息子とアイルトン・セナの甥(姉の子)が組む陣営が勝利している。澤圭太が乗り組む#61 フェラーリ(W.モク & M.グリフィン & 澤)はLMGTE-Amクラス5位。

9月のWECはアメリカ大陸を転戦する。次戦第6戦は米テキサス州オースティンの「サーキット・オブ・ジ・ アメリカズ(COTA)」にて、16日決勝の日程で開催される予定だ。

(レスポンス 遠藤俊幸)

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