【WEC 第8戦】中嶋一貴組のトヨタ8号車、上海戦を制して2連勝…王座争いはポルシェの2冠独占3連覇で決着
5日、世界耐久選手権(WEC)第8戦「上海6時間」の決勝レースが行なわれ、LMP1-Hクラスのトヨタ8号車 中嶋一貴組が前戦富士に続く2連勝で今季4勝目を飾った。しかしタイトル争いは1戦を残して終結、今回2-3位のポルシェ勢が2冠独占3連覇を決めている。
予選はトヨタが1-3、ポルシェが2-4という形勢になった中国ラウンド(ポールは小林可夢偉らのトヨタ7号車)。決勝は最初の1時間こそ、トヨタ7号車に他クラスのマシンとの交錯によるスピンがあったり、ポルシェ1号車がマシントラブルと見られる症状で一時的なスロー走行に陥ったりということもあったが、次第に落ち着きをみせていくレース展開のなか、トヨタがフィールドを支配していくこととなる。
開始2時間を経過する頃までにはトヨタが1-2態勢をほぼ完全に確立し、3-4となったポルシェはこの時点で既に40秒以上後方。6時間レースは概ねそのままの形勢で終幕へと向かっていく。
ところが残り約37分、トヨタ7号車のJ-M. ロペスが他クラスのマシンと強めに当たる接触をしてしまい、マシンダメージ修復のためにピットイン、約13分のガレージ内作業が必要な状況に陥る。7号車は4位に後退、トヨタの1-2が崩れ、ポルシェが2-3位に浮上してレースはチェッカーを迎えた。
■WEC第8戦 上海 決勝リザルト(LMP1-H)路面:ドライ
1位 #8 トヨタTS050(S. ブエミ & A. デビッドソン & 中嶋一貴)
2位 #2 ポルシェ919(T. ベルンハルト & E. バンバー & B. ハートレー)*1周遅れ
3位 #1 ポルシェ919(N. ジャニ & A. ロッテラー & N. タンディ)*1周遅れ
4位 #7 トヨタTS050(M. コンウェイ & 小林可夢偉 & J-M. ロペス)*7周遅れ
トヨタ8号車は今季4勝目。トヨタはポルシェを圧倒したといっていい内容で上海を制し、前戦の富士スピードウェイ戦に続く2連勝を飾った。
優勝 #8 トヨタ 中嶋一貴のコメント
「TS050を最高に仕上げてくれたスタッフとチームクルーに本当に感謝します。セバスチャン(ブエミ)とアンソニー(デビッドソン)はとても良い走りをしてくれました。自分自身はコース上の混雑とコース上に散ったタイヤかすに苦しみましたけどね。今日は勝てるだけの速さが我々にはありました。それだけに優勝という結果はとても嬉しいです。次の目標は最終戦での今季5度目の勝利です」
4位 #7 トヨタ 小林可夢偉のコメント
「7号車にとってはとても残念なレースになってしまいました。我々のTS050は好調でした。タイヤの摩耗に少々苦戦しましたが、それでも充分に勝利を争える位置にいて、あきらめずに戦い続けました。4位までポジションを落としてしまうことになったのは悔しいですね。最終戦バーレーンでは必ず良い結果が出るようにプッシュし続けます」
これで今季のトヨタ対ポルシェ“最後の頂上対決”(ポルシェは今季限りでの撤退を発表済)は4勝4敗ということになったが、ポルシェのマッチポイント状態といってよかったタイトル争いは最終戦を前に決着。ポルシェは3年連続のドライバーズ、マニュファクチャラーズの2冠独占を上海で決め、ドライバーズチャンピオンには2号車のクルー3人が輝くことが確定した(最終戦でトリオが別れたりしない限り3人での獲得が確定)。ティモ・ベルンハルトとブレンドン・ハートレーは2年ぶり2度目、アール・バンバーは自身初の王座獲得となる。
ちなみにハートレー(ニュージーランド出身、今月10日で28歳)は今季終盤、トロロッソからデビューを飾ったF1とWECとの並行参戦で、地球の上を飛び回っている。10月中旬のWEC富士に始まり、翌週がF1アメリカGP、続いてF1メキシコGP、さらに今回のWEC上海戦と来て、来週以降もF1ブラジルGP~WECバーレーン戦~F1アブダビGPと続く怒涛のF1&WEC7連戦中だ。その渦中での、嬉しい世界タイトル獲得決定となった。
ハートレーは「今、とても忙しい日々を過ごしているわけだけれど、ティモとアールと一緒にこの(タイトル獲得の)瞬間を分かち合えたことは生涯わすれない」と喜び、「信じられないようなシーズンになったことは確かだ。ルマン24時間に勝って、そしてタイトルも獲得できたのだから」との旨を語り、2017年のWECを振り返っている。
なお、澤圭太らが乗るLMGTE-Amクラスの#61 フェラーリ(W-S.モク & 澤 & M.グリフィン)は今回の上海戦はクラス4位だった。また、LMGTE-ProクラスではフェラーリのGTマニュファクチャラー部門世界タイトル獲得が決まっている(上海戦の優勝はフォード)。
今季のWECも残すは最終戦のみ。LMP1-H頂上対決はタイトル争いこそ決着したが、ここへ来てどちらが5勝4敗と勝ち越してシーズンを終えるかが焦点化してきた。ポルシェとトヨタ、両陣営の意地をかけた最終決戦となるだろう。バーレーン6時間レースは現地11月18日決勝の日程で行なわれる。
(レスポンス 遠藤俊幸)
予選はトヨタが1-3、ポルシェが2-4という形勢になった中国ラウンド(ポールは小林可夢偉らのトヨタ7号車)。決勝は最初の1時間こそ、トヨタ7号車に他クラスのマシンとの交錯によるスピンがあったり、ポルシェ1号車がマシントラブルと見られる症状で一時的なスロー走行に陥ったりということもあったが、次第に落ち着きをみせていくレース展開のなか、トヨタがフィールドを支配していくこととなる。
開始2時間を経過する頃までにはトヨタが1-2態勢をほぼ完全に確立し、3-4となったポルシェはこの時点で既に40秒以上後方。6時間レースは概ねそのままの形勢で終幕へと向かっていく。
ところが残り約37分、トヨタ7号車のJ-M. ロペスが他クラスのマシンと強めに当たる接触をしてしまい、マシンダメージ修復のためにピットイン、約13分のガレージ内作業が必要な状況に陥る。7号車は4位に後退、トヨタの1-2が崩れ、ポルシェが2-3位に浮上してレースはチェッカーを迎えた。
■WEC第8戦 上海 決勝リザルト(LMP1-H)路面:ドライ
1位 #8 トヨタTS050(S. ブエミ & A. デビッドソン & 中嶋一貴)
2位 #2 ポルシェ919(T. ベルンハルト & E. バンバー & B. ハートレー)*1周遅れ
3位 #1 ポルシェ919(N. ジャニ & A. ロッテラー & N. タンディ)*1周遅れ
4位 #7 トヨタTS050(M. コンウェイ & 小林可夢偉 & J-M. ロペス)*7周遅れ
トヨタ8号車は今季4勝目。トヨタはポルシェを圧倒したといっていい内容で上海を制し、前戦の富士スピードウェイ戦に続く2連勝を飾った。
優勝 #8 トヨタ 中嶋一貴のコメント
「TS050を最高に仕上げてくれたスタッフとチームクルーに本当に感謝します。セバスチャン(ブエミ)とアンソニー(デビッドソン)はとても良い走りをしてくれました。自分自身はコース上の混雑とコース上に散ったタイヤかすに苦しみましたけどね。今日は勝てるだけの速さが我々にはありました。それだけに優勝という結果はとても嬉しいです。次の目標は最終戦での今季5度目の勝利です」
4位 #7 トヨタ 小林可夢偉のコメント
「7号車にとってはとても残念なレースになってしまいました。我々のTS050は好調でした。タイヤの摩耗に少々苦戦しましたが、それでも充分に勝利を争える位置にいて、あきらめずに戦い続けました。4位までポジションを落としてしまうことになったのは悔しいですね。最終戦バーレーンでは必ず良い結果が出るようにプッシュし続けます」
これで今季のトヨタ対ポルシェ“最後の頂上対決”(ポルシェは今季限りでの撤退を発表済)は4勝4敗ということになったが、ポルシェのマッチポイント状態といってよかったタイトル争いは最終戦を前に決着。ポルシェは3年連続のドライバーズ、マニュファクチャラーズの2冠独占を上海で決め、ドライバーズチャンピオンには2号車のクルー3人が輝くことが確定した(最終戦でトリオが別れたりしない限り3人での獲得が確定)。ティモ・ベルンハルトとブレンドン・ハートレーは2年ぶり2度目、アール・バンバーは自身初の王座獲得となる。
ちなみにハートレー(ニュージーランド出身、今月10日で28歳)は今季終盤、トロロッソからデビューを飾ったF1とWECとの並行参戦で、地球の上を飛び回っている。10月中旬のWEC富士に始まり、翌週がF1アメリカGP、続いてF1メキシコGP、さらに今回のWEC上海戦と来て、来週以降もF1ブラジルGP~WECバーレーン戦~F1アブダビGPと続く怒涛のF1&WEC7連戦中だ。その渦中での、嬉しい世界タイトル獲得決定となった。
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なお、澤圭太らが乗るLMGTE-Amクラスの#61 フェラーリ(W-S.モク & 澤 & M.グリフィン)は今回の上海戦はクラス4位だった。また、LMGTE-ProクラスではフェラーリのGTマニュファクチャラー部門世界タイトル獲得が決まっている(上海戦の優勝はフォード)。
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